当ブログでは、原則として純然たる政局の話はできるだけ取り上げない方針にしているが、16日に衆議院予算委員会において民主党の永田寿康議員が「ライブドア前社長の堀江貴文被告が自民党の武部幹事長の二男への資金提供を社内メールで指示していた」と指摘した問題は、「議員の議院内における演説討論等の免責」という憲法上の議員特権に関わるものであるから看過できない。「当事者が事実無根と言っただけで、犯罪がなかったことを証明したことにはならない」と永田氏は言っているが、とんでもない話である。
仮に憲法51条に定められた「議員の議院内における演説討論等の免責」をないものとして考えると、永田氏の行為は名誉毀損の罪に抵触する可能性が高い。刑法における名誉毀損の罪は次のように規定されている。
(名誉毀損)
第230条 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。
2 死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。
(公共の利害に関する場合の特例)
第230条の2 前条第1項の行為が公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあったと認める場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。
2 前項の規定の適用については、公訴が提起されるに至っていない人の犯罪行為に関する事実は、公共の利害に関する事実とみなす。
3 前条第1項の行為が公務員又は公選による公務員の候補者に関する事実に係る場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。
「事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない」と明記してある通り、挙証責任は永田氏にあることになる。それを、院内での討論・演説の免責特権があるから安心してかどうか知らないが、メールのコピーなどというあやふやな「証拠」を挙げて、刑事被告人からの送金依頼があったなどと軽々に言ってよいはずがない。憲法51条に規定がある以上、永田氏の発言は刑事責任を問われることはないのだろうが、そのような行為を保護し奨励するのが憲法51条の制度趣旨であるわけがない。
また、民主党はこの件を国政調査権の発動の一環と位置づけたいようだが、国会が立法府であることを忘れて、「裁判ごっこ」に明け暮れるのはいい加減やめるべきである。耐震構造計算書偽造問題では、一部議員のパフォーマンスとスタンドプレーの場に成り下っていた。今回、永田発言をきっかけに泥仕合になるとしたら、国会の品位を貶めているとしか言いようがない。ついでに言えば、何でもできるかのような印象を与える「国会は国権の最高機関であって」という憲法の規定自体を、憲法改正時には削除した方がよい。
堀江被告を先の衆議院選挙で自民党が事実上応援したことの政治的責任は否定できないと思っている。しかし、民主党がとっている手法は、やるべきでないことであり、それとこれとは別の話である。院外でも同じ主張をするとなれば今度こそ本当に名誉毀損の罪に抵触することになる。
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仮に憲法51条に定められた「議員の議院内における演説討論等の免責」をないものとして考えると、永田氏の行為は名誉毀損の罪に抵触する可能性が高い。刑法における名誉毀損の罪は次のように規定されている。
(名誉毀損)
第230条 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。
2 死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。
(公共の利害に関する場合の特例)
第230条の2 前条第1項の行為が公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあったと認める場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。
2 前項の規定の適用については、公訴が提起されるに至っていない人の犯罪行為に関する事実は、公共の利害に関する事実とみなす。
3 前条第1項の行為が公務員又は公選による公務員の候補者に関する事実に係る場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。
「事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない」と明記してある通り、挙証責任は永田氏にあることになる。それを、院内での討論・演説の免責特権があるから安心してかどうか知らないが、メールのコピーなどというあやふやな「証拠」を挙げて、刑事被告人からの送金依頼があったなどと軽々に言ってよいはずがない。憲法51条に規定がある以上、永田氏の発言は刑事責任を問われることはないのだろうが、そのような行為を保護し奨励するのが憲法51条の制度趣旨であるわけがない。
また、民主党はこの件を国政調査権の発動の一環と位置づけたいようだが、国会が立法府であることを忘れて、「裁判ごっこ」に明け暮れるのはいい加減やめるべきである。耐震構造計算書偽造問題では、一部議員のパフォーマンスとスタンドプレーの場に成り下っていた。今回、永田発言をきっかけに泥仕合になるとしたら、国会の品位を貶めているとしか言いようがない。ついでに言えば、何でもできるかのような印象を与える「国会は国権の最高機関であって」という憲法の規定自体を、憲法改正時には削除した方がよい。
堀江被告を先の衆議院選挙で自民党が事実上応援したことの政治的責任は否定できないと思っている。しかし、民主党がとっている手法は、やるべきでないことであり、それとこれとは別の話である。院外でも同じ主張をするとなれば今度こそ本当に名誉毀損の罪に抵触することになる。
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>これは「堀江」の「堀」ではなく「崛」または「掘」ではないかという仮説に基づいて様々な検証がされている。
>更に面白いことに「崛江」をgoogleで検索すると、「崛江」とは「堀江」の中国語表記だという事が分かる。
http://www.wafu.ne.jp/~gori/mt/
これを読んで、少し気が早いけれど、やはり・・・と、ねつ造説を信じざるを得ませんね?
この条文は、法律を作る段階やこの国の方針を決める場では、ありとあらゆることを議論する必要があるから存在するのだと思います。ありとあらゆることを議論する必要がある場では完全なる言論の自由が必要です。
しかしながら、永田議員の発言は完全にこれとは別問題ですね。国会で議論する必要のないような事柄ですし、ただのパフォーマンスです(しかも自爆)。このようなバカ発言には憲法51条を適用して欲しくないです。
「対案路線」「建設的野党」が聞いて呆れます。就任当初の前原代表の演説を聞いてちょっと期待したのですが、期待はずれもいいところです。
>びーちぇさま
大変興味深いものをご教示くださりありがとうございます!仮説の真偽についてはコメントを差し控えたいと思いますが、そういう説が出てくること自体、政治的に民主党の敗北を意味するのかなと思います。
>時事問題ショートコメントさま
「大丈夫かなぁ、この人たちは」としか言いようがないですよ。
あれで証拠になるんなら、気に入らない人物を容易に社会的に抹殺できてしまいます。そういう社会にしてはいけません!
>青い炎さま
国会の機能と品位を低下させるだけのくだらないパフォーマンスで、結局は自分の首を絞めることになりそうです。憲法51条が念頭においているのは、やはり本来は名誉毀損がメインなんでしょうけど、今回のは濫用というか悪用というか…。でも、初めは、憲法51条の免責特権を濫用して悪質な手口を採っているなぁと思ったのですが、院外でも国対委員長などが同じ主張をしているのだから、彼らはそこまで深く考えていないのかもしれないですね。日本の政治のために二大勢力のうちの片方がこのような体たらくであることを残念に思いますよ。
何かガセネタ掴まされて浮き足立て引っ込み付かなくなったといったところなんじゃないかなぁという気もしましたが、傍から見ると「しら~」って感じですねぇ。
一体何なんでしょうかねェ~
明日の「国家基本政策委員会(党首討論)」では、どうやら前原代表は「紙切れ」中心でやりそうですね。
何やら、永田センセイは雲隠れ、民主党内でも信憑性云々でざわつきはじめましたし、野田国対委員長の論調が「紙切れ」の信憑性から「送金」の事実へと微妙に換わってきてるし(笑)
QTでは天下国家をどうするかってことを論じて欲しいもんですが・・・
言いえて妙ですなぁ。「迷惑メール騒動」
議員の院内における免責特権がどうの、なんて大上段に構えた記事を書いたこっちが恥ずかしいぐらいの体たらくです。
>劇団たぬき様
ついに「メールコピーの信憑性はどうでもいい」と開き直り始めましたね。そんな馬鹿な…。
党首討論は見ものではあるんですが、天下国家を論じる場にはならないでしょうねぇ。いまさら引っ込みがつかないでしょうし。これで民主党が壊れるようなことがあったら、永田氏の名はある意味歴史に残ります。