猫研究員の社会観察記

自民党中央政治大学院研究員である"猫研究員。"こと高峰康修とともに、日本国の舵取りについて考えましょう!

IMD調査で「日本の競争力17位」

2006-05-12 01:10:26 | 経済全般
 国際競争力を数値化してそのランクを発表する調査は、世界でも有名なものが何種類かあるが、スイス・ローザンヌの調査研究機関、国際経営開発研究所(IMD)が11日発表した2006年版の世界競争力ランキングによると、日本の競争力は主要61カ国・地域中17位だそうだ。同調査では1999年以来の20位以内への復帰である。この調査は、経済活動、政府・民間部門も効率、インフラの充実度など総合的に合計312の項目を指数化したものである。
 日本が高く評価されたのは、外貨準備高や消費税率、中学・高校進学率など6項目で世界一となったほか、「政策判断の効率性」「政策の方向」「透明性」などで評価が上がった。現内閣の経済政策の方向性が第三者から見てもそれなりに評価できるということだろう。讀賣新聞紙面版では「小泉改革を好感し」と明記していた。
 しかし、問題がないわけではなくて、法人税率、生活費、「管理職の起業家精神」などは最低水準の評価であった。財務当局は否定するのだが、法人税率は高すぎるとしばしば指摘されるところである。やはり、法人税率をさらに引き下げることを検討すべきだろう。産業の空洞化に繋がるようなことがあれば、結局雇用の悪化を招く。「管理職の起業家精神」は一朝一夕に改善されるものでもないが、国境を越えた活発な経済活動の場においては、旺盛な起業家精神はプラスになるはずである。長期的に見て、それを涵養できるような教育を考えなければならない。民主党が言っている「額に汗して働く者が報われる」ということも貴いことには違いないが、それだけを追求するのではなくて、アイディア精神に富んだ者も尊重されその能力をめいっぱい発揮できるような多様性のある社会でなければ、経済的にあまり発展を望めないと思う。多様性が、日本が目指すべき技術立国・知的財産立国の要諦だからである。
 なお、昨年発表されたダボス会議による『世界競争力番付』によれば日本は117カ国・地域中12位であった。「『世界競争力番付』日本12位に後退 」を参照してください。この手の競争力ランキングというものは、GDPの大きさの割に競争力が高い国、つまり効率がよい国が上位に来るようになっているように感じられる。日本のようなGDPが大きい国は指標には表れない底力がある。しかし、どういう分野が弱点か一つの参考を示してくれるよい資料ではある。



(参考記事)
「日本の競争力」17位…7年ぶり20位内に復帰
 【ジュネーブ=渡辺覚】スイス・ローザンヌの調査研究機関、国際経営開発研究所(IMD)が11日発表した2006年版の世界競争力ランキングによると、日本の競争力は昨年の21位から4ランク上昇して17位となり、1999年以来の20位以内への復帰を果たした。
 上位の顔ぶれは、米国をトップに4位までが昨年と同じ。中国は19位(昨年31位)、インドも29位(同39位)と、順位を大きく上げた。日本は、外貨準備高や消費税率、中学・高校進学率など6項目で世界一。ただ、法人税率、生活費などの評価は、最低水準にとどまった。
(2006年5月11日12時52分 読売新聞)
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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
>管理職の起業家精神 (PJ)
2006-05-12 13:44:56
中国・韓国人は起業家精神が旺盛と聞きますが、私の知ってる韓国人は20代なのに社長になると言って会社を辞めてしまいました。最初は感心していましたが、話を聞いてみると、たいした計画も展望も無い様で、更に聞いてみると、どうやら能力にも疑問が・・・。他のブログで読むと中国人も同じらしく、ただただ頭に描くのは社長としての自分なの?と引いてしまいましたw

中国・韓国はともかく、それなりに管理職をこなせる人はきっと起業する能力はあるので、出世競争よりはプラスのイメージかも知れません。

結局、失敗を引き受ける勇気が持てるかという問題なんでしょうか。
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PJさんへ (猫研究員。=高峰康修)
2006-05-13 22:52:26
>たいした計画も展望も無い様で、更に聞いてみると、どうやら能力にも疑問が



これは起業家精神には当てはまらないのかもしれませんね。「起業家精神」は、どうやって数値化したのか原資料にあたるべきところですが、「依存心が少ない」「発想力がある」といった内容に相当するんじゃないかと推測されます。
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