国連人権委員会において、セネガル出身のドゥドゥ・ディエン特別報告者が、日本には各種の差別が存在しているので包括的な人種差禁止法を制定すべきだと訴え、来春には具体的な対日勧告を含んだ報告書を提出する予定である。ディエン報告者によれば、日本の「罪状」は同和問題やアイヌ民族、在日韓国・朝鮮人らに対する差別だそうだ。セネガルが人権意識の高い国であるなどとは、寡聞にして聞かない。大方日本の常任理事国入りや国連での発言権拡大を快く思わない勢力の工作だろうという想像をかきたてられるが、それを非難するのもさることながら、日本人にはこういう国連の実態をよく認識してほしいと思う。
国連の本来の趣旨は、「戦勝国のクラブ」という出生のいかがわしさはとりあえずおいておくとして、集団安全保障のための組織である。集団安全保障とは、当該組織に加盟した国同士は一切の侵略的行為を互いに行わないことを誓約し、ある加盟国がそれに反した場合には他の国家はそれに軍事的手段も含めて制裁を加えるというシステムである。それが、いつの間にか本来の目的からかけ離れるとともに極度に肥大化して、実態の不明な組織になってしまったのが今の国連である。イラク経済制裁をめぐるアナン事務総長を巻き込んだ汚職疑惑は記憶に新しい。また、安全保障理事会とならぶ国連の大きな柱である経済社会理事会は、発展途上国の利益代表組織と化している。しかも経済社会理事会は社会主義的イデオロギーによって支配されている。
もちろん、国連にいくら指摘しても飽き足らないほどの欠点があるからといって、直ちに脱退せよとか廃止せよとかいう気はないが、あくまでも日本の国益の追求するための手段と位置づけよということである。こんなことは、どこの国でもそうである。今回のようなとんでもないことがなされる人権委員会ではあるが、一方で北朝鮮の日本人拉致を非難する決議をするという日本の国益にかなうこともやった。そういうわけで、国連中心主義などという幻想とは早く決別してほしい。とりわけ、憲法改正論議において、国際貢献の一環として武力行使をする場合に、国連のお墨つきが必要であるなどという結論を出すべきでないと思う。
(参照記事)
[人種差別禁止法制定を 国連報告者、日本に要請]
国連人権委員会のドゥドゥ・ディエン特別報告者(セネガル)が7日、国連総会第3委員会(人権)で日本における差別の状況について報告、同和問題やアイヌ民族、在日韓国・朝鮮人らに対する差別が実在しているとして、包括的な人種差別禁止法の制定を訴えた。
ディエン氏は来春の国連人権委に具体的な対日勧告を盛り込んだ報告書を提出する予定。日本は憲法で人種や信条などによる差別を禁じているが、同氏は人種、外国人差別に特化した法律制定を求めている。
ディエン氏は7月の訪日調査を踏まえ、日本では在日韓国・朝鮮人や在日中国人のほか、アジアや中東、アフリカから来た人々も「差別や嫌悪の対象になり被害を受けている」と述べた。
また具体的な内容には踏み込まなかったものの、日本の一部政治家による人種差別的な発言を批判。中国代表はこれを受けて「特定の政治家が繰り返し人種差別的な発言をしている」と語った。
≪人種差別のない国はまれ 日本の国連公使が主張≫
高瀬寧(たかせ・やすし)・国連代表部公使は7日、国連総会第3委員会(人権)で、国連人権委員会のドゥドゥ・ディエン特別報告者(セネガル)が日本に人種差別が存在すると指摘したことについて「われわれは、何らかの形の人種差別が存在しない国は世界にほとんどないと考える」と主張した。
高瀬公使はその上で、日本は教育分野で学生が歴史を正しく認識できるよう努めるなど自己改革を進めていると強調する一方、今後も特別報告者の活動に協力していきたいと述べた。
(共同)
(産経新聞 11/08 11:04)
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国連の本来の趣旨は、「戦勝国のクラブ」という出生のいかがわしさはとりあえずおいておくとして、集団安全保障のための組織である。集団安全保障とは、当該組織に加盟した国同士は一切の侵略的行為を互いに行わないことを誓約し、ある加盟国がそれに反した場合には他の国家はそれに軍事的手段も含めて制裁を加えるというシステムである。それが、いつの間にか本来の目的からかけ離れるとともに極度に肥大化して、実態の不明な組織になってしまったのが今の国連である。イラク経済制裁をめぐるアナン事務総長を巻き込んだ汚職疑惑は記憶に新しい。また、安全保障理事会とならぶ国連の大きな柱である経済社会理事会は、発展途上国の利益代表組織と化している。しかも経済社会理事会は社会主義的イデオロギーによって支配されている。
もちろん、国連にいくら指摘しても飽き足らないほどの欠点があるからといって、直ちに脱退せよとか廃止せよとかいう気はないが、あくまでも日本の国益の追求するための手段と位置づけよということである。こんなことは、どこの国でもそうである。今回のようなとんでもないことがなされる人権委員会ではあるが、一方で北朝鮮の日本人拉致を非難する決議をするという日本の国益にかなうこともやった。そういうわけで、国連中心主義などという幻想とは早く決別してほしい。とりわけ、憲法改正論議において、国際貢献の一環として武力行使をする場合に、国連のお墨つきが必要であるなどという結論を出すべきでないと思う。
(参照記事)
[人種差別禁止法制定を 国連報告者、日本に要請]
国連人権委員会のドゥドゥ・ディエン特別報告者(セネガル)が7日、国連総会第3委員会(人権)で日本における差別の状況について報告、同和問題やアイヌ民族、在日韓国・朝鮮人らに対する差別が実在しているとして、包括的な人種差別禁止法の制定を訴えた。
ディエン氏は来春の国連人権委に具体的な対日勧告を盛り込んだ報告書を提出する予定。日本は憲法で人種や信条などによる差別を禁じているが、同氏は人種、外国人差別に特化した法律制定を求めている。
ディエン氏は7月の訪日調査を踏まえ、日本では在日韓国・朝鮮人や在日中国人のほか、アジアや中東、アフリカから来た人々も「差別や嫌悪の対象になり被害を受けている」と述べた。
また具体的な内容には踏み込まなかったものの、日本の一部政治家による人種差別的な発言を批判。中国代表はこれを受けて「特定の政治家が繰り返し人種差別的な発言をしている」と語った。
≪人種差別のない国はまれ 日本の国連公使が主張≫
高瀬寧(たかせ・やすし)・国連代表部公使は7日、国連総会第3委員会(人権)で、国連人権委員会のドゥドゥ・ディエン特別報告者(セネガル)が日本に人種差別が存在すると指摘したことについて「われわれは、何らかの形の人種差別が存在しない国は世界にほとんどないと考える」と主張した。
高瀬公使はその上で、日本は教育分野で学生が歴史を正しく認識できるよう努めるなど自己改革を進めていると強調する一方、今後も特別報告者の活動に協力していきたいと述べた。
(共同)
(産経新聞 11/08 11:04)
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国連のしていることが全て正しいとか、国連待機軍などというものを考える余地があるならもっと国連を国益のために利用できる方法を考えるべきなんでしょうね。
ご指摘を受けて、mumurさんところやそれを引用した記事を色々と読んでみました。事実とすれば(多分事実なんでしょう)論外としかいいようがありません。
「人権委員会」という名前がブラックユーモアに聞こえてしまいます。
>さいごうさま
いえいえ、どういたしまして。
そうなんですよね。日本人は「国連」に幻想を抱きすぎるのか実態を理解していないのか、国連信仰がひどすぎます。今回の件はもちろん極端な例ですが、より多くの人に目を覚ますきっかけになってほしいとともに、逆に「国連でそんな指摘がなされているとは日本は差別国家なんだ」とますます自虐的になる人も出てきやしないかという危惧もあります。
国連待機軍構想は、効率的でないし役割がはっきりせず実現性には乏しいと思います。確かに、実際に保有している国はありますが、何でも外国の真似をすればよいというものではありません。