法人営業に最適な『理詰めの営業』で日刊工業新聞社賞受賞の中小企業診断士 齋藤信幸の営業力強化手法 <情報デザイン>

営業自身のシンになる営業手法を確立し、自信に。営業案件の可視化と営業の行動管理を実現。特にコンプレックスセールスに最適。

『理詰めの営業』 - 関係顧客分析

2018-08-08 21:29:52 | ・・関係顧客を分析する
この案件に関わる顧客内部のすべての関係者を分析するツールです。

関係者名、役職名、「役割」、「影響度」、「関心度」、「個人的目標」、「会社人としての目標」からなる一覧表を作成します。

関係者の洗い出しには、顧客基礎情報にある組織図、意思決定プロセス情報が必須です。

「役割」は、この案件に関する予算申請者、予算承認者、購入申請者、購入承認者、技術評価実施者、技術評価決定者、ユーザー、オペレーターなどになります。

生産財の営業をしていた当時、私は上記役割を記号化していました。

E(Economic Buyer): 予算の承認・執行権限保持者、製品・サービスの購入承認
T(Technical Buyer): 製品・サービスの技術的な評価を行うエンジニアやマネージメント
U(User): 購入した場合に実際にその製品・サービスを使うエンジニアやオペレーター
A(Adviser): 自社に好意的で関連情報やガイダンスを提供してくれる協力者

この役割は、製品やサービスの種類によって異なります。

「影響度」は、その案件を次の営業ステップに進める力の度合いです。影響度は営業ステップによって変化していきます。例えば、予算申請段階では、課題・問題を把握し、起案しようとしているエンジニアやその上司、部長あたりまでが、影響力が大ではないでしょうか。一般的には、役員や社長はこの段階では口を出さないでしょう。また、会社によっては購入金額により権限移譲があり、影響度の範囲は限定されます。影響度は、大、中、小あるいは5段階の数字などで表します。

「関心度」は、解決すべき問題・課題に対する深刻度です。関心度に関しては、関心「あり」、関心「なし」、「過信」と記入します。関係者がどれだけ「自分自身の問題として問題解決に高い関心」を持っているかが重要であす。関心の低い人にいくらソリューションを説明しても効果はありません。したがって、関心の低い人にどう問題意識を持たせ、深刻度を上げていくかが重要となります。特に影響度の大きい人の関心度が低い場合は、早急に関心度が上がるように手を打つべきです。「過信」は、当該製品やサービスを不要とする考えです。

次に、「個人的目標」は、会社の方針とは別に個人として実現したいと考えている目標で、例えば「ゴルフがうまくなりたい」「実績を作って転職したい」「今のライフスタイルを続けたい」などです。個人のライフスタイル等に関係する内容で、このような情報の入手には顧客との強固な関係の構築が必要です。この情報は接待や面談時の話題などに活用できます。さて「出世したい」と思っている方の場合、営業はどうこの状況を活用できるのでしょうか。

「会社人としての目標」は、仕事上の目標で、例えば、技術部門の部長の場合は、「計画どおりの製品開発」、「歩留まりの改善」、「短期間での量産立ち上げ」などが考えられます。

このように顧客分析を行った上で、各関係者、特にキーマンに対して次の会議等でどう対応すべきかを考えます。例えば、関心の低い人にどう問題意識を持たせ、深刻度を上げていくか等です。

このツールの記入には、顧客との良好で密な関係が必要であり、このツールは「いかに顧客を知らないか」を営業に気づかせるものでもあります。

下記は、測定器メーカーの営業が作成した関係顧客分析の一例。

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