遺伝屋ブログ

酒とカメラとアウトドアの好きな大学研究者です。遺伝学で飯食ってます(最近ちょっと生化学教えてます)。

優れた技術に金がかかるんは当たり前や

2011-11-07 22:49:23 | BIONEWS
<がん細胞>近赤外光で破壊 マウスで成功、副作用なし--米チーム
抗体医薬』の一種ですね。面白いからくりです。癌細胞を認識してくっつく抗体にどうやって癌細胞を殺させるかが、工夫のしどころなんですが、近赤外光の特定の波長(0・7マイクロメートル)で発熱する化学物質を取り付け、そのハイブリッド抗体を注射してそれが癌細胞にくっついたところで、光を当てて焼き殺すというわけ。
抗体医薬は免疫グロブリンを利用した医薬品で、その標的に対する特異性と副作用が少ないこと等が特徴なんですが(薬価が高い上にジェネリックが出来にくいのもポイント)、なかなか開発がたいへんみたいです。しかーし、成功した抗体の売り上げは莫大なのだそうだ♪ 日本の製薬会社では中外が先駆的。世界最速のスパコン『京』は分子構造の設計に活躍してるみたいっすよ。やっぱ、2位じゃダメなんです。1位じゃないと。

混合診療解禁「TPPで議論も」 民主会合で外務省説明(朝日新聞) - goo ニュース
混合診療はTPPの交渉では議題に上がっていません。別にTPPに上がらなくてもまじめに議論すべきテーマであります。混合診療というのは、保険適応される治療とされない治療を一緒に施す治療でして、これを日本でやると保険適応される方の治療に対しても保険適応がなされません。理由は、保険適応外の医療行為を混ぜると安全性や効果が分からんので、保険適応を全部外すってことなんでしょうが、実は日本的な理由が基本にありまして、記事中にあるように「解禁すれば、お金持ちだけが質のいい治療を受けられ、医療サービスに格差が生じる」という批判が強いからとのことです。よく考えてください、混合診療を受けると全部保険適応外になるんだったら、どっちにしてもその治療は金持ちしか受けられないですよね。とにかくこの国は嫉妬ややっかみで社会制度が構築されているのです。「みんな平等に死にましょう」ってか? くだらん。

この夏から秋にかけて撮った花の写真を『いでんや』にまとめました。上の写真は、6枚目と7枚目の写真で掲載した花でして、小松市の大倉岳スキー場への道端で撮りました。なんて名前の花かご存知の方いらしたら、教えてください。
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