くらのうえ市丸歯科ブログ

お口の健康を守りたい

第59回春季日本歯周病学会学術大会に参加しました。

2016年06月21日 | 外部セミナー

2016年5月19、20日に鹿児島県かごしま県民センター・宝山ホールで開催された第59回春季日本歯周病学会学術大会に院長の市丸と参加してきました。

今回は、当院からの演題発表はなかったため、講演を聴いてより多くの情報を収集することが目的でした。

中でも、ベルン大学歯周病学分野のAnton Sculean教授の講演は、非常に勉強になりました。内容は、主に歯肉退縮などの軟組織が減少・喪失した症例に対する結合組織移植術の術式に関する話でした。できるだけ低侵襲で予後良好な結果を導くための方法について講演されました。英語での講演ではありましたが、動画が多く用いられており、非常にわかりやすい講演でした。また、初日のシンポジウムでは、歯周組織再生療法の最前線の研究に関する話がありました。山中教授が、iPS細胞でノーベル賞を受賞されてから3~4年しか経過していませんが、すでにiPS細胞は、歯科の領域でも臨床応用の一歩手前まで研究が進んでいるようです。現在の再生歯科医学では、主に異種の動物(ブタ、ウシ)由来の材料を用いることが主流です。これにより十数年前までは抜歯の宣告をうけるような歯も、保存できる可能性が高まりました。一方で、重症になればなるほど、結果にばらつきがある(成功したり失敗したり)ことも事実であり、われわれ臨床家は、再生療法による保存とインプラント治療とで治療方針に悩む場面もあります。しかし、iPS細胞を応用した再生療法が確立されれば、おそらく結果のばらつきは少なくなり、インプラント治療に頼る必要性が少なくなると個人的には感じました(インプラント治療は現状、歯を喪失した場合のベストな治療法であることは、間違いありませんが、自分の歯に勝るものはありません)。

2日目の専門医・認定医教育講演では、薬剤併用歯周療法の話を聴きました。機械的にばい菌や歯石を除去した上で、抗生剤の服用を併用すればより良好な結果が得られるというものです。これは、当院でも数年前から取り組み、良好な結果を得て、学会でも数回発表している治療方法でもあり、今回の講演によって当院の取り組みが学術的な水準を満たしていることに確信を得られたことは収穫でした。

その他にも、いくつかのシンポジウムや特別講演を時間が許す限り聴くことができ非常に有意義な2日間となりました。今後も、知識の研鑽を継続し、歯科界に貢献できるように精進したいと思います。

     くらのうえ市丸歯科 新鳥栖インプラント歯周病センター(佐賀県鳥栖市)

副院長 山口 竜亮


佐賀県糖尿病療養指導士・認定研修会で,講師を務めました.

2016年06月20日 | 外部セミナー

6月19日に佐賀大学医学部で行われた佐賀県糖尿病認定療養指導士の認定研修会で講義をしました.内容は,糖尿病と歯周病についてでした.糖尿病療養指導士を目指す60名ほどの方が,受講されていました.

糖尿病になれば歯周病になりやすく,歯周病になれば糖尿病が悪くなるといったことがよくおこります.つまり,この2つの病気は,お互いにリスクファクターであることが分かってきました.糖尿病の方は,歯周病の予防や治療が必要になります.また,歯周病の方は,糖尿病になってないか調べる必要があります.

講演は,佐賀県糖尿病協会の代表で佐賀大学医学部教授の安西教授から依頼を受けました.今年で,3年目になりますが,講師に選定していただいて大変光栄です.スタッフや先生方と直接お会いし,“いまさら聞けない糖尿病”について,色々とお教えいただけて,本当に勉強になりました.例えば,糖尿病専門医のあおぞらクリニックの今村先生にはI型糖尿病患者の歯科治療の注意点を,佐賀大学医学部の井上先生には,インシュリン投与患者の具体的な投与方法をお聞きすることができました.これも,講師の役得ですね....

高齢化社会になったこともあって,私どもの歯科医院にも多くの全身的な病気をお持ちの患者様がご来院になります.全身疾患についても,いつも勉強して,安全な歯科治療を心掛けたいと,気を引き締めました.

このような勉強する機会を与えていただいたことに感謝する講演でした.

くらのうえ市丸歯科では,高い学術活動が高レベルの歯科診療を維持しています.全身疾患を持たれている方も含め,口や歯のことでお悩みがあれば,ご来院ください.

 

(医)くらのうえ市丸歯科 新鳥栖インプラント・歯周病センター(佐賀県鳥栖市)

院長 市丸英二        TEL:0942-81-5410


口腔感染症から全身を守る歯科医療~糖尿病から震災後肺炎まで~

2016年06月16日 | 外部セミナー

 

57日、西田 亙先生の講演がありました。内容は、口腔感染症が全身に影響を及ぼすといったこと、日ごろから専門的口腔ケアの重要性のお話でした。

専門的口腔ケアとは私達歯科衛生士が行うものです。

日本医師会でも日常的口腔ケアの特集を組むほど重要になっています。       

 みなさま震災後肺炎とは聞かれたことありますか?震災後肺炎とは、災害などで水不足になり口腔ケア(歯磨き・うがいなど)ができず、お口の中が不衛生になり、唾液と一緒に口の中の細菌が肺に流れ込んでおきるものです。肺炎なら今の時代すぐ治るだろうと思われるかもしれませんが、気仙沼市では震災後肺炎で225名入院、うち52名が亡くなられています。(死亡率2割です)  介護施設の震災後肺炎死亡率は45%でとても高い状態です。

 また、震災後に子供はお菓子やジュース等でむし歯がたくさんできる二次災害もおきています。

 日ごろから専門的口腔ケアを受けていれば、むし歯や肺炎は抑制することができます。発災してからでは遅すぎるので、平時から歯科に定期的に通院することが必要です。

 

 また糖尿病と歯周病は炎症でつながっています。2型糖尿病の本態は脂肪細胞の慢性炎症で、歯周病は細菌感染による骨をも溶かす慢性炎症になります。なので歯周病がよくなると、、①血糖値が下がる ②正常な味覚が戻ってくる ③野菜やご飯が美味しくなる ④体を動かしたくなる ⑤糖尿病がよくなります。

糖尿病があり、薬やインスリンを使うのではなく、まずは歯の治療が大切になります!毎日お薬、インスリンをするより簡単だと思いませんか?

 

 当院では、初めて来院された方に まず診査をさせて頂きます。(診査とは、歯周病の検査、お口の中の写真、レントゲン、唾液検査、歯周病菌検査など)

 また全身疾患や服用お薬、アレルギーなども詳しく問診をとらせて頂いて患者様の全身状態も把握して治療を行います。

たかが歯の治療なのに?って思われるかもしれませんが、上記で書いている通り お口と全身はつながっていますし、今までの削って詰める治療だとどんどん歯がなくなります。

自分の歯で一生噛めるように、治療が終了したら、メンテナンス(専門的口腔ケア)に通って頂いて、私たちが患者様のお口の中の管理を行っていきますね。

 現在、血糖値を測る器材も導入中です!!

 

気になること、わからない事などあれば気軽にスタッフにお声かけてくださいね。

  

 

 

()くらのうえ市丸歯科 新鳥栖インプラント・歯周病センター(佐賀県鳥栖市)  

    TEL:0942-81-5410