くらのうえ市丸歯科ブログ

お口の健康を守りたい

最新抗菌療法の実際~基礎から日常臨床への導入~に参加致しました

2012年02月22日 | 外部セミナー

219(日曜日)佐賀県のアバンセでのセミナーに、当院の歯科医・衛生士で参加させて頂きました。

 

 

 

 

講師の先生は

鶴見大学歯学部歯周病学講座 教授であられる、五味一博先生でした。

昨年、五味先生の講演を聴いた院長の熱いオファーにより、お忙しい中 神奈川県より日帰りで佐賀県までお越しくださいました。

 

そして、一回目の講演後より、当院でも抗菌療法チーム(少し大げさでしょうか)を結成し、スタッフ全員で院内セミナーにて確認を行い、その後患者さまにも体験して頂いております。

 

チームスタッフは、

監修 院長市丸・西

細菌検査・データ管理 山口

フルマウスSRP 小川

で担当させて頂きました。

そして今回、そのご報告も院長、市丸より発表させて頂きました。

 

 

最新の抗菌療法とは何か。

歯周病は中等度以上になると、治療期間が長くなり、歯周外科が必要となる事が多く、

患者さまにとっても大変である事は間違いありません。

今までは、歯周病の原因はプラーク(歯に付着しているばい菌)であり、それを歯ブラシや歯間ブラシ等で除去する事が一番の治療であると患者さまにも伝えてまいりました。

実際に、お口の中のばい菌の付着量を歯ブラシで20%以下まで落とし、私たち専門家による、歯茎の中に固く付着したばい菌を除去する事でほとんどの歯周病を治す事ができています。

しかし中には、治りにくい歯周病が存在します。

当院ではそのような方たちに、この抗菌療法を行っています。

 

歯周病も虫歯と同じく、細菌による感染症です。

通常は、歯石を取る時も、お口の中を4~6ブロックに分けて、除去していきます。

一か所のブロックで歯石を取った後、数週間するとまた、歯石を取っていない所より、感染が起こっているのです。

そこで、その感染を防ぐために、一日でお口の中のばい菌の住みかとなる歯石を除去します。

 

抗菌療法ですが、まずは歯周病菌がどれくらい存在するのかをPCRインベーダー法で歯茎の中(ポケット内)の細菌叢を調べます。

細菌が検出された場合は、歯周病菌に効果のあるアジスロマイシン(抗菌薬)を服用してもらい、菌が少なくなった所でお口の中に付着している全てのばい菌(プラーク・歯石)を除去します(フルマウスSRP)

 

そして期間を置いて、再度PCRインベーダー法で歯周病菌(当院では現在6菌種)が検出されるかを検査します。

同時に、歯周病がどれくらい良くなっているかの再検査を行います。

現在、受けて頂いた患者さまは全ての方において、細菌数はほとんど検出されない結果となっています。

 

また、再発はしたくないという思いからか、皆さま、歯磨きがとても上手になられ、歯の表面もツルツルへと変わっていきます。

今後、再発させないよう私たちも診査を確実に行っていく必要があると感じています。

 

 

また今回、五味先生の講演を聴く事で、当院で更に良い治療効果が出せるよう見直しも必要だと感じました。

そしてこれは個人的な感想ですが、大学病院と同じ内容での治療を鳥栖市の皆様にお受け頂ける事に喜びを感じました。

更に地域の皆様に良い治療を受けて頂けるよう、アンテナをのばし勉強したいと思います。同時に技術アップにも励みたいですね!

 

 

 最後になりましたが、五味先生、

お忙しい中遠い佐賀県までお越しくださって、素晴らしい講演をありがとうございました!

 

 

 

新鳥栖インプラント歯周病センター

くらのうえ市丸歯科(佐賀県鳥栖市)

歯科衛生士 小川


長崎大学、九州大学、インプラントセンター九州で、歯周病とインプラント治療について講演しました

2012年02月11日 | 外部セミナー

 

 2478日に長崎大学、九州大学、インプラントセンター九州で講演、発表をしました。長崎大学では、「歯周炎患者における長期成功を達成するインプラント治療」、九州大学では「予防歯科、歯周治療をベースとしたインプラント治療」が表題でした。どちらも、インプラント治療を行うにおいて、歯周病の予防や治療を確りやる必要があることを話しました。また、当院での10年以上の経過症例や重症の歯周炎を治した例や、海外の論文を呈示して説明しました。インプラントセンター九州では、“残存する歯周ポケットがインプラント周囲炎のリスクファクターである”といったインプラント周囲炎の最新の情報を発表しました。

長崎大学では、歯周病専門医やそれを目指す先生方が、九州大学では再生治療・インプラントセンターの専門医や研修医の先生方、インプラントセンターでは、開業医の先生方に対してお話しました。講演後もディスカッションが盛り上がり有意義でした。

 インプラントは自分の歯のように使えるし、回りの歯を長持ちさせることに役立ちます。しかし、歯周炎のコントロールをしていないと、インプラント周囲炎になるリスクが高くなります。

 安全安心のインプラント治療のためには、当然のことで、当院では最も重視していることです。今後も、この事をしっかり守っていくと共に、色々な先生方と一緒に情報を共有して、より良いインプラント治療を進めたいと思います。

 219日には、佐賀市アバンセにおいて、鶴見大学の五味准教授とご一緒させていただいて、「歯周治療における薬物療法」について講演する予定です。頑張ります!

 

医療法人 くらのうえ市丸歯科 新鳥栖インプラント歯周病センター (佐賀県鳥栖市)

 

理事長 市丸英二


日本口腔インプラント学会九州支部学術大会に参加、発表しました

2012年02月09日 | 外部セミナー

日本口腔インプラント学会九州支部学術大会に参加,発表しました。

 

1月21,22日の2日間,宮崎シーガイアコンベンションセンターで開催されました日本口腔インプラント学会第29回九州支部学術大会に院長,副院長の西,主任衛生士の小川,歯科医師の山口の4人で参加してきました。

 

 今回の参加目的は,インプラント治療の最新の知識を学ぶことと,当院のインプラント治療の症例発表をすることでした。

発表は,「インプラントのdisintegrationが,ビスフォスフォネート関連顎骨壊死を引き起こした症例」という題目で,歯科医師の山口が発表させていただきました(詳細は割愛します)。

 

 

 

 

 

 今回は,宮崎まで超苦手な飛行機(しかも小型プロペラ機)に乗らなくてはいけない憂鬱感かつ飛行中の不安感と発表の順番が初日のトップバッターであったことから,発表前特有の緊張感をさほど感じることなく望むことができました。自分自身の発表終了後も,大学病院や主に九州で開業されている先生方の一般講演を聴いて当院との比較ができました。

また,九州のインプラント治療の最前線で活躍されている数名の先生方の特別講演やシンポジウムでは,最新の補綴や診断技術に関する話を聴いてきました。一言で感想を述べると,ここ数年の技術革新はすごいです。

 

 近年テレビ番組や報道等でインプラントのトラブルが話題にされています。トラブルには,インプラント体や被せ物(上部構造)の破折,インプラント周囲炎(天然歯の歯周炎に相当するもの),インプラントの脱臼,そして生命に関わる事故などが含まれます。これらのほとんどは,不十分な診査・診断・前準備(歯周炎の治療など)を行わずして安易にインプラント治療を行うことにより高い確率で起こるといわれています。一方で,十分な準備をしても完全にトラブルが回避できていないことも事実です。そのため,より緻密で正確な診断技術の開発が必要であり,今回の学会で紹介されていた技術革新によって解決できるトラブルが多くなると考えています。

 

 最後に,2日間の学会で学んだことを少しでも患者様に還元できたら幸いだと思います。

 当院では,十分な診査・診断を行い,安心・安全なインプラント治療を今後も提供いたします。わからないことや不安なことがありましたら,お気軽にお尋ね下さい。

 

 

くらのうえ市丸歯科 新鳥栖インプラント歯周病センター(佐賀県鳥栖市)

歯科医師 山口 竜亮