くらのうえ市丸歯科ブログ

お口の健康を守りたい

乳歯列から永久歯列への咬合育成セミナーに参加しました

2015年06月24日 | 外部セミナー

佐賀県保険医協会主催のセミナーに、当院の歯科医、衛生士で参加しました。今回は表題の通り、矯正についてです。主に限局矯正(部分的な矯正)についての講演でした。

 

 イギリスでは8mmのオーバージェット(かみ合わせた際、上の前歯が下の前歯より突出している距離の事)での矯正治療は保険適用との事でした。これは、将来起り得るリスクを考えてのことでしょうとの事でした。虫歯や歯周病は適切な予防管理でほとんどを抑える事ができます。日本のようにまだまだ虫歯になり削って詰めての治療を主体としていれば、矯正治療に対しての保険適用は難しいのかもしれません。

佐賀県では、佐賀県歯科医師会の取り組みにより、幼稚園、保育園、小学校、中学校でのフッ化物洗口を2002年よりスタートさせ、小学校では98.8%が実施しています。2013年には全国で一番フッ化物洗口を行っている県となりました。取り組みから10年以上が経過し、現在の12歳のお子さんの虫歯の数も減っています。このことは2013年の記事に掲載しています。虫歯をしっかりと抑制することができれば、歯並びの事、またはホワイトニングの事など綺麗な口元を手に入れたいという次のステップに進むことができます。

当院では咬合育成から成人矯正も行っておりますが、虫歯や歯周病にならない方法を取りながら行います。せっかく綺麗な歯並びを手に入れても、矯正器具が外れたら虫歯だらけだった…とならないようにしたいですね。

矯正でのご相談はもちろん、虫歯や歯周病、その他お口の事でお悩みの方は是非ご相談ください。

 

(医)くらのうえ市丸歯科 新鳥栖インプラント・歯周病センター(佐賀県鳥栖市)TEL:0942-81-5410      歯科衛生士 小川希和子

 

 

 

 

 


第58回春季日本歯周病学会学術大会で発表してきました。

2015年06月17日 | 外部セミナー

5月14~16日に,千葉県幕張メッセ国際会議場で開催されました第58回春季日本歯周病学会学術大会に院長と2人で参加し、わたくしは、発表してきました。

 

             

発表は,「Effects of full-mouth debridement with azithromycin administrated systemically after conventional partial-mouth debridement: Case series study」という題目で,ポスター発表を行いました。この発表は、われわれが3年程前から導入・実践している‘薬剤併用歯周治療(i-FM-SRP)’の臨床成績を客観的に分析し、まとめたものです。本治療法は、世界中で行われており、日本歯周病学会も推奨する治療法の1つとされています。また、当院でも良好な治療成績を示しており、今後、より発展が予想されると考えられます。この発表には、鶴見大学歯学部歯周病学教室の五味一博教授に共同研究者として加わっていただきました。

                

(写真:五味教授と)

これからの歯科医療は国際的に通用する必要があるという強い思いと、院長の後押しもあって国際セッション(英語でのプレゼンテーション)での発表に挑戦しました。実は、わたくし、英語の読み書きはある程度できるものの、会話はほとんどできません。英語が堪能な院長が同行するということもあって、発表が決まった時から大船に乗った気分でいましたが、急遽、院長に重要な研修会の予定が入り、当日は1人での参加になってしまいました。しかしながら、本番は何とか無事に終了し、多くの先生方に興味を持っていただき、助言や質問もいくつかいただくことができました。

2日目は、院長も合流し、Tord Berglundh教授のインプラント周囲炎に関する特別講演(通訳なしでの講演)やその他多くの講演を聴き、有意義な時間を過ごすことができました。

  

今回の学会参加を通して、英語力の必要性を痛感してきました。今後は、歯科の知識のみならず、英会話なども積極的に学び、国際的に通用する歯科医師を目指したいと思います。また、今回発表した‘薬剤併用歯周治療’のデータもさらに充実させ、客観的な評価を継続していきたいと考えております。

歯周病でお悩みの方は、ぜひ御来院ください。

 

(医)くらのうえ市丸歯科 新鳥栖インプラント・歯周病センター(佐賀県鳥栖市)

副院長 山口 竜亮      TEL:0942-81-5410

 


Europerio8(第8回欧州歯周病学会)に参加し,インプラント周囲炎の治療法について発表しました.

2015年06月15日 | 外部セミナー

2015年6月3-6日にロンドンで行われた,Europerio8(第8回欧州歯周病学会)に参加し,発表しました.

          

Europerio は3年に一度行われる,欧州歯周病学会の学術大会です.歯周病やインプラント治療が主なテーマになります.今回,1万人以上の参加者が集まったそうです.大きな学会ですね.また,約1600演題の申し込みがあり,審査の結果,約1200演題が選ばれました.私どもも幸い,この中に入ることができました.日本の開業医で発表できたのは,一握りだと思います.もしかしたら,当院だけかもしれません.今回発表できたことは,大変名誉なことだと思います.

内容は,インプラント周囲炎についてです.インプラント周囲炎はいったん発症すると,なかなか治りにくい疾患です.また,発症すると,外科処置が必要だといわれています.外科処置を行わないで治す手段について,発表しました.

 電子ポスター方式で,内容をスクリーンに出して発表,ディスカッションする形式です.一連のことは,英語で行います.

  

 当院と九州大学との共同発表で,古谷野潔教授にご指導を仰ぎながら,準備しました.国際学会での発表は,何回か経験がありますが,ご指導のおかげで基本に立ち返り,いいポスターができたと思います.

 ポスター発表ですので,大勢による活発なディスカッションとはいきませんでしたが,イギリスの方から,レベルの高い治療をしているとお褒めを頂きました.また,数人の先生から,インプラント周囲炎について大変勉強になったとコメントを頂きました.

 また,講演や他の研究グループの発表も積極的に聴いてきました.今回は,インプラント周囲炎,プラークコントロール,抗菌剤による治療,骨造成について焦点を絞り世界の最先端の情報を入手してきました.また,論文等を通して日頃から,疑問に思っていることを,Salvi教授,Urban 教授,McGuire教授らの超一流と言われている先生方に直接質問し,解決することができました.

    

 

今回のEuroperio8に参加して,いくつか強く思うことがありました.一つは,超一流と言われている先生たちから,学ぶことの大切さです.当院は国際的に一流の治療と予防を提供することを患者様にお約束しています.そのために,まだまだ,学び続ける必要性を強く感じました.一つは,当院が情報発信をしていくことが大切であることです.今回みたいに,積極的に発表することにより,ディスカッションをして,益々当院のレベルを上げていきたいと思います.

 もう一つは,日本人の口腔内の状態が非常に劣悪であることです.国際学会に出席するといつもそう感じます.このままでは,日本の歯科治療は世界の笑いものになってしまいます.その理由は,日本の歯科医療の保険制度を中心とするシステムが劣悪だからです.日本の保険制度が,削る,詰める,抜歯する,入れ歯を入れることを中心とし,予防処置を認めていないこと.診療コストがあまりにも低く見積もられているため,不十分な治療しかできないことが理由です.日本の歯科医療の保険医療システムを改善する必要性を,関係方面に何とか訴えていきたいものです.

 鳥栖市やその周辺地域の皆様の口腔健康を国際レベルに引き上げるのは,当院に与えられた使命だと思いっています.それを実現するために,くらのうえ市丸歯科スタッフ一同で身を粉にして頑張りたいと思います.

 今回の研修で,当院を留守にして,皆様には大変ご不便をおかけいたしました.このような学術活動に対して,いつも暖かい声援を送ってくれる患者様とスタッフに深く感謝いたします.必ずやご来院の皆様の口腔健康を一流の治療と予防で,国際的なレベルまで引き上げます.“一生自分の歯で食べる”を一人でも多くの方々に実現できるようにいたします.そのことが,皆様への恩返しだと考えています.

 

(医)くらのうえ市丸歯科 新鳥栖インプラント・歯周病センター(佐賀県鳥栖市)

       院長 市丸英二    TEL:0942-81-5410