1月12日
今年、、、というか、今冬で一番の冷え込みですね。
朝。家を出てすぐに雪が舞っていて、、、初雪です。
雪、、、見る分にはキレイで、、、遊ぶのも楽しいんですが、、、通勤などの交通手段には大迷惑になりますね。
関東では車やバイクは冬用のタイヤなどの装備をする方が少ない?ですので、雪が積もってしまうと大渋滞!だったりいたします。
そんな寒い季節でもバイクは走るのですが、予期せぬ故障でお困りになったお客様が。。。
こちらはH社の50ccスクーターになります。
走り始めてすぐにエンジンが止まってしまって、、、セルやキックで再始動を試みたのですがエンジンは復活しませんでした。
そして、、、30分ほど放置後に、、、再始動を、、、そしたらかかってしまった! という故障です。
お客様にいろいろお伺いして、、、原因を考えたのですが、、、
やっぱりこの作業になってしまいました。
今年 2ピストン! 目。
もー、、、ピストン見たくない。。。
お客様の問診の結果、、、圧縮漏れによるストール。 だと思います。
だと思うとは、、、入庫時に症状が無いので、正確な判断が出来なかったので。
30分後に復活したのは、冷えてエンジン部品が収縮して、クリアランスが戻ったから。
この2枚の図を見てください。
1枚目の図は、、、エンジン冷間始動から完全暖気までのバルブクリアランスの変化を現したものです。
2枚目の図は、、、バルブクリアランスが狭い場合、エンジン冷間始動から完全暖気までにどんな事が起きるか?という図です。
金属、、、
金属って温度の変化で伸び縮みするのってご存知でしょうか?
温まると伸びて、冷えると縮んでしまいます。
バイクのエンジンも金属の集合体ですので、エンジン始動と共に各部品が伸び始めて、、、完全暖気で各部品が最適な寸法に伸びて、、、エンジン全体が一番良い状態の運転ができます。
エンジンの各部品、、、鉄やアルミ、、、などいろんな金属が使われていて、それぞれ熱による伸び方が違ったり、、、それぞれの部品の大きさや形、部品が使われている場所でも伸び方が違います。
それぞれが伸びるのを見込んでそれぞれ 隙間、、、クリアランス を設定し、設計、製造されています。
2枚の図を見ていただいて、、、横軸の時間とともに縦軸のクリアランスの変化が書かれています。
温度変化を受けやすい部品の中で、、、エキゾーストバルブはエキゾーストポートに露出していて、金属の伸びる変化が早い、大きい部品でもあります。
乗り方やクリアランスが狭いなど、状況によっては、、、2枚目の図のように、、、圧縮漏れ発生領域に達してしまい、、、エンジン不調や停止してしまいます。
乗り方とは、、、1枚目の図のようにエンジン始動直後に全開走行する、、、こんな状況です。
始動直後に全開走行、、、エキゾーストバルブが温度変化で真っ先に伸びて圧縮漏れ領域に達する、、、という事です。
エンジンを始動して、、、暖機運転、ゆっくりとエンジン全体の温度を上げてから走行、、、これがベストなのですが。。。
でもいろんな環境やオーナー様の使い方などなど、、、便利に使えるようにバイクは対応できなければならないですよね。
ですので、、、
今回の修理車は、、、エンジンの圧縮漏れが原因の可能性があり、、、上記の2枚の図のような事が起こった?可能性?が。。。
メーカーでもその様な事例が少なからずあり、そんな事例のバイクには対策?をし、また元気に走れるようにいたします。
実際の修理内容は、、、エンジン上部分解、燃焼室やバルブ廻りのカーボン清掃、最適なバルブクリアランスに調整、、、
大まかにいうとこの様な内容の修理になります。
まだ2年以内の保証修理期間内でしたので、クレーム修理になりますので、お客様には負担はありませんが、、、暖機運転など少しお話をして理解いただこうと思います。
今年、まだ5営業日ですが、ピストン2個目を見てしまった、老メカの1日でした。
バイク屋さん、、、毎日いろんな事が、、、ただただ販売するだけでは対応できない内容がたくさんあります。
販売するだけでは自分たちメカニックなんて職業の人間はいらないんですが、、、それだけではすまないのがバイクですね。
今日の修理は、、、あーーー、、、エンジンが壊れていますね~。。。って、言ってしまえば、、、ですが、、、そんな事言えないですよね。
本日、水曜日は定休日になります。
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