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ソニーで7700万人規模の個人情報流出 プレステ利用者は要注意

2011-04-28 05:34:54 | Weblog
ソニーで7700万人規模の個人情報流出、ゲーム・映像・音楽のネット配信に不正侵入 2011年04月27日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK889640520110427
 ソニーは27日、同社のゲームや映画などのオンライン配信サービスに不正アクセスがあり、全世界で7700万件の個人情報が流出した
恐れがあると発表した。不正侵入があったのは、ゲーム配信の「プレイステーションネットワーク(PSN)」と映像・音楽配信の「Qriocity(キュリオシティ)」で、ソニーのオンライン戦略の中核をなす2大サービスの利用者への被害によって、今後の戦略に影響を与える可能性がある。
 米国ソニー・エレクトロニクスが26日(日本時間27日未明)に明らかにしたところでは、不正アクセスで流出した可能性が認められるのは、ユーザーの名前、住所、電子メールアドレス、生年月日、ユーザー名、パスワード、ログイン情報など。クレジットカード情報については、流出した形跡はないものの可能性は否定できないとしている。
 米国ソニーによると、PSNとキュリオシティのアカウント情報は、米国時間4月17─19日の間に盗まれた。同4月19日(日本時間20日)にユーザーの個人情報の流出を知り、PSNを停止した。この際は、サービス停止の事実だけ告知し、情報流出の事実は26日まで明らかにしなかった。PSNとキュリオシティは現在もサービスを停止中で、クレジットカード情報の流出に関する調査を継続している。調査のため外部のセキュリティ会社と契約した。
 日本では、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)が日本時間27日午前に、PSNとキュリオシティの個人情報流出の事実を公表した。同社広報によると「カスタマーサービスの営業時間に合わせて公表した」という。また、日本時間20日の時点で個人情報流出を公表しなかったことについては「情報流出の範囲が特定できなかった」(同)と説明している。
 ニューヨーク・タイムズは、ソニーが連邦捜査局(FBI)に流出を報告したと報じた。米民主党のブルメンソール上院議員はソニーに書簡を送り、データ流出について顧客に通知しなかった理由を問いただした。

<オンライン2大戦略に影響も>
 PSNは2006年11月から開始したプレステ用のオンラインサービスで、据置型ゲーム機「プレステ3」や携帯型ゲーム機「プレイステーションポータブルPSP」にゲームを配信している。米欧日を中心に全59カ国で展開しており、3月20日現在のユーザー数は7700万件。うち北米が3600万件、欧州が3200万件、日本を含むアジアが900万件。06年11月―10年12月末の累計売上高は950億円。
 またキュリオシティは、ソニーの液晶テレビやブルーレイディスク向けの映像・音楽を配信サービスで、10年4月に米国で開始し、日本でも今年1月から始めた。PSNほどの規模はないが、PSと並んでソニーが注力する「オンラインサービスの2大戦略」(平井一夫副社長)の一角。サービス展開は11カ国に拡大しているが、会員数は非公表。管理システムにPSNと共通の基盤を使っているため、不正アクセスの被害を受けた。
 ソニーは「すべてのハードをネットワークにつなぐ」(ハワード・ストリンガー会長)とするネットワーク戦略を掲げており、PSNとキュリオシティはその柱となっている。
この他にソニーのオンラインサービスでは電子書籍配信の「リーダーストア」があるが、PSNのシステムから独立しているため被害は受けていない。ソニーは中期経営計画で、オンラインサービス全体で12年度に3000億円の売上高を計画しているが、2大サービスの被害で戦略に影響を受けそうだ。
 SANSインスティチュートの調査ディレクター、アラン・パラー氏は、個人情報のデータ流出としては過去最大となる可能性があるとの見方を示した。ウェドブッシュ・セキュリティーズのアナリスト、マイケル・パッチャー氏は「ハッカーが不正に得た情報をどう利用するかがソニーにとって大きな問題だ」と述べた。


ソニー、経営に打撃 情報流出「史上最悪の恐れ」 「なぜ発表に1週間」利用者に怒りの声 2011年4月27日 日経夕刊
 ソニーがインターネット配信サービスで大量の個人情報が流出した恐れがあると発表し大きな波紋が広がっている。同社はコンテンツ
のネット配信サービスをデジタル家電事業の厳しさを補う重点分野と位置付けている。今回の事件はゲーム事業だけにとどまらずソニーの成長戦略全体に影響を及ぼす可能性がある。
 現時点ではハッカーの身元や、実際の流出状況、当局の捜査状況など、詳細は一切明らかになっていない。米メディアは「史上最悪の情報流出の恐れ」(米ウォール・ストリート・ジャーナル紙電子版)など一斉に大きく報じており、事態収拾には時間がかかりそうだ。
 ソニーはデジタル家電で韓国勢などとの競争が激化、特にテレビ事業は赤字が続く。テレビでは「プレイステーション・ネットワーク(PSN)」をベースとした映画などの配信サービス「Qriocity(キュリオシティ)」を利用できるようにし、ネット対応の強化に活路を探っている。26日に発表したタブレット端末も、ソニーのコンテンツ配信サービスを利用しやすい点が売りだ。
 PSNは21日から運用停止とし、「障害が発生した」と説明していたため、今回の発表を受けて、利用者から怒りの声が上がっている。同社の掲示板には「なぜ発表に1週間もかかったのか?」などの書き込みが殺到している。
 ソニーはハード(機器)と映画・音楽などコンテンツ(情報の内容)を融合したネット配信でアップルやアマゾン・ドット・コムなどに対抗する戦略を推進。ハワード・ストリンガー最高経営責任者(CEO)の後継最有力と目され、1日に昇格したばかりの平井一夫副社長がけん引役だったが、大きくつまずいた格好だ。
 ネットワーク配信事業では2012年に3000億円の売上目標を掲げているが、事件を機に顧客離れが進めば、達成が厳しくなる公算が大きく、ソニーのデジタル家電の販売にも影響を及ぼす可能性がある。


プレステ情報流出:「ハッカー集団とトラブル」専門家分析
http://mainichi.jp/select/biz/news/20110427k0000e020074000c.html
 全世界で7700万人分の個人情報が流出した可能性があるソニーのインターネット配信サービス「プレイステーション・ネットワーク(PSN)」と「キュリオシティ」。情報セキュリティーの専門家は「ハッカー集団とソニー側が国外でトラブルになっていた」と背景を分析している。
 ソニー・コンピュータエンタテインメントは日本時間の21日、ホームページで同日昼ごろからPSNの利用停止を掲載。23日には「外部要因によるとみられる」とハッカーによる不正侵入をうかがわせていた。
 森井昌克・神戸大大学院教授(情報通信工学)は「不確かな情報を出すと逆に混乱する。被害の拡大防止のためにネットワークを遮断したのは正しい対応だったのではないか」とした上で、ソニーとハッカー集団とのトラブルを挙げる。
 PSNのセキュリティーの根幹情報をハッカーがブログで公開したことを受け、ソニーは1月、国外でハッカーを提訴。これに反発したハッカー集団が「情報は自由だ」とソニーへのネット攻撃を宣言し、欧州のプレイステーションのサイトなどが攻撃を受け、閲覧できなくなっていたという。
 情報セキュリティーコンサルタント「S&Jコンサルティング」(東京都港区)の三輪信雄社長は、ハッカー集団は内部告発サイト「ウィキリークス」と関連があると指摘する。昨秋、マスターカード、ビザ、アマゾンなどがウィキリークスの寄付金集めやサーバー利用のサービスを中止したところ、ハッカー集団がネット攻撃してサイトがダウン。三輪社長は「ウィキリークスは否定しているが、ハッカー集団は支援していたという。日本の企業が狙われたのは初めてだが、ハッカー集団は互いにどこの国の誰か知らずに同じ対象を攻撃する。ターゲットは広がる一方、指導者はおらず取り締まりは難しい」と話す。
 森井教授によると、ハッカー集団はPSNの停止と関係はないという声明を出しているが、「同調者が実行した可能性はある」という。森井教授は「国内には不正アクセス禁止法があるが、国際的な対応は難しい。企業は個人情報をネットで扱わざるを得ず、厳重に管理するしかない」と指摘する。

「まさか」「悪用怖い」「数日前から噂」 秋葉原のゲーム愛好家から驚きの声 2011年04月27日 産経夕刊
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/110427/ent11042712170012-n1.htm
 ソニーのプレイステーション(PS)3利用者の個人情報が世界で大量に流出した問題で27日、東京・秋葉原のゲーム愛好家からは「まさか」「悪用されるのが怖い」と驚きの声が上がった。
 買い物に訪れた千葉県市川市の大学生松井将さん(19)は「2、3日前から友人の間で『ネットワークが使えない』と、うわさになっていた。まさか個人情報まで漏れているなんて」と心配そうな顔で話した。
 約2年前にPS3を購入。すぐにネットワークに登録し、月に1回ほど新作ゲームのダウンロード機能などを利用。「ゲーム情報や体験版の購入など多機能サービスが魅力で、友達もみんな使っている。早く安全性を回復してほしい」
 東京都品川区の無職田口正雄さん(22)は「プレステのセキュリティーはしっかりしていると思っていた」と驚き、「今のところ実害はないけど、ネット上で悪用されるのが怖い。しばらく使う気持ちは起きない」と首を振った。

ただのゲーム機だと…プレステ、情報管理に注意 2011年4月27日 読売夕刊
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110427-OYT1T00803.htm
 子どもに人気の家庭用ゲーム機「プレイステーション」で、個人情報が流出した恐れが浮上している。
 利用者は世界で延べ約7700万人にのぼり、大規模な流出になる可能性もある。ゲーム機とはいえ、インターネット接続などパソコン並みの機能をもつだけに、専門家は「ゲームで遊んでいるだけのつもりかもしれないが、個人情報の入力には注意が必要」と呼びかけている。
 「ただのゲーム機だと思っていたので、個人情報が漏れることもあると聞いてびっくりした」
 小学6年の長男に携帯型ゲーム機「プレイステーション・ポータブル(PSP)」を持たせているという東京都調布市の主婦(38)は驚く。
 この主婦は、PSPからネットに接続できることや、利用の際に名前などの個人情報を登録するということも知らなかったといい、「今後、子供がPSPのオンラインゲームで遊びたいと言っても、やらせたくない。情報管理には気をつけなければいけないと思った」とも話した。





 う~ん。27日の朝方の時点で第一報は入ってきてはいたものの、あのソニーで情報流出。しかも、いくら「情報流出の範囲が特定できなかった」とはいえ、事実の公表まで1週間もかかったあげく、全世界で7700万件!!!(参考までに04年のソフトバンクBBの情報漏洩は450万件以上、05年の世界的なクレジットカード情報漏洩でも4000万件程ですから、被害の規模もダントツです)もの個人情報が流出ですか…(絶句
 しかも、今回は住所や氏名・パスワードなど、個人情報の中でも一番第3者に知られたくない情報まで漏洩しているようですし、被害範囲の対象にあのプレステまで含まれているだけに、今度どれほどの損害が発生するかも予測しにくいですし、この騒動の影響で、ソニー本体の業績に与える影響はかなり大きなものになりそうです。
 参考までに27日のソニーの株価は2400円でスタートした後、10時06分に2409円をつけるも12時52分に2330円まで下げ、13時半頃からは2360円前後でもみ合い、終値ベースでは前日比49円安い2366円で終了(2.03%安)となっています。