子供に高額請求…携帯ゲームサイトの罠 公取委「真の狙い」は? 2010年12月14日 夕刊フジ
http://news.www.infoseek.co.jp/topics/business/n_fair_trade__20101214_4/story/14fujizak20101214012/
★「モバゲー」独禁法違反で立ち入り検査
携帯電話向けゲームサイト「モバゲータウン」を運営する東証1部上場企業、ディー・エヌ・エー(DeNA)が、独禁法違反の疑いで公正取引委員会の立ち入り検査を受けた。ライバル会社にゲームを提供しないよう開発業者に強要していた疑いだが、業界では公取委の「真の狙い」は別のところにあるとみられている。なんなのか-。
公取委の立ち入り検査の一報が流れたのは今月8日の昼前。東京株式市場の午前の取引が終了した直後だった。
DeNA株の午前の終値は前日比65円高の2765円。ところが午後の取引が始まると、同社株は一転して売り浴びせられ、終値は162円安の2538円とジェットコースターさながらの推移となった。
関係者によると、DeNAは社外のゲーム開発業者がモバゲータウンにゲームソフトを提供するサービスを展開。今年夏から同じような仕組みを導入したライバルサイト「GREE」(グリーが運営)にゲームを提供しないように、開発業者に取引を制限していた疑いが持たれている。ただ、公取委の「真の狙い」は別のところにあるというのが、業界のもっぱらの見方だ。
DeNAの2010年9月中間連結決算は、営業利益が前年同期比4・1倍の256億円、純利益が約4倍の141億円と、驚異的な伸びをみせた。無料ゲームなのに、どうやって業績を伸ばしているのか。
「利用料金は基本的に無料だが、ゲームのなかで使用するアイテムは有料で、その課金が収益の柱になっている。無料をうたう一方、利用者への高額請求も目立ち、社会問題化しつつある」(業界関係者)
CMでは無料だと言っているのに、高額の情報料や利用料を請求されたという相談が全国各地の消費者生活センターに多く寄せられている。あまりのトラブルの多さに、同センターは注意を喚起した。その相談事例がスゴい。
「小学生の息子が、2カ月で9万円のパケット料(通信料)を請求された」「5歳の子供が10万円もの高額アイテムを購入した」など。
通信料もさることながら、無料であるはずのゲームでなぜ、高額な利用料が発生するのか。「ゲームが、有料のアイテムを買い足さなければ面白くないように設定されているためだ。無料だと思い込んでいる小中学生は次々とアイテムを買い足していくので、請求額がどんどん膨らんでいく」(業界関係者)
DeNAのソーシャルゲーム「アバター」は、人形の服や靴の着せ替えを楽しむゲーム。ゲームへの参加は無料だが、着せ替える服や靴は有料。おしゃれ度で得点が上がるシステムもあり、有料の服や靴などのアイテムをクリックしていったら6万円以上を請求されたケースもある。
未成年者の高額請求を受け、洪水のように流れるテレビCMに「一部有料のコンテンツがあります」と表示しているが、時間が短いため読み取りにくいのが実情だ。
また、ユーザー保護の取り組みが強化され、未成年者に課金の上限額を設定している。
「グリーは未成年者の課金上限額を月3万円に設定。DeNAは上限を月1万円に設定しているが、親名義で契約している携帯電話は対象外だ。最近では大人のモバゲーを打ち出し、ユーザーの対象を成人にシフトしている」(ゲーム業界担当アナリスト)
無料でユーザーを呼び込み、有料のアイテム購入で稼ぐというビジネスモデルが急成長の原動力となっているのである。しかし、ゲームのユーザーには小、中学生ら未成年者も多い。小、中学生に月何万円も使わせるようなゲームが果たして健全といえるのか。
公取委が立ち入り検査に入り、改めてそのビジネスモデルが問われることになりそうだ。
小中学校も冬休みに突入し、お子さんから『携帯電話を買って!』としつこくねだられている親御さんも多いと思いますが、そんな親御さん世代に『携帯電話にはネット犯罪だけでなくこんなリスクもあるよ!』という意味もこめて あえて、当ブログでもこの記事を紹介したいと思います。
まあ、私は基本ゲームにはあまり興味がない方なので『携帯電話の有料サイトの課金ビジネスそのものが一種の社会問題になりつつある』という話を聞いたことがあるというレベルでしか知らなかったのですが、さすがに月6万円だの10万だの請求が来たのでは、親としてもたまったものではありませんし、もしこの冬に子供に携帯電話を買い与えるのならば、そのご家庭で『どこまではOKで、どこからはダメ』というルールを必ず決めて欲しいと思います。
少しお説教じみた言い方になりますが、得てして子供というのは『欲しいものと必要な物の区別がつかない』ものですし、その区別をつけさせるように育て上げるのは親としての最低限の義務。
普段よりも子供と接する時間の多い年末年始。そしてお年玉という普段は手にすることができない多額の現金を得る数少ない機会だからこそ、子供達が将来お金に困ることにならないためにも、そして今のご家庭の家計を破綻させないためにも、親御さん自らが ご自身の言葉でしっかり金銭教育を行ってあげて欲しいと思います。
参考資料として、国民生活センターがリリースしている 「無料」のはずが高額請求、子どもに多いオンラインゲームのトラブル へのリンクページと具体的な被害内容について紹介したリンクページ(PDF版)も紹介したいと思います。
→ http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20091216_2.html(「無料」のはずが高額請求、子どもに多いオンラインゲームのトラブル)
→ http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20091216_2.pdf(具体的な被害事例を紹介しているPDFです)
<以下は PDFより被害の実例を引用>
【事例1】小学生の息子が無料ゲームをするために、私の携帯電話を貸して遊ばせた。テレビで「無料」とCM をしていたし、息子も友人から無料ゲームだと紹介されたと聞いたので、お金がかからないと安心して利用させていた。しかし実際には、アバターのコンテンツ料として1 回5千円かかり、2ヶ月で約6 万円もの請求書が届き驚いた。
【事例2】テレビで無料とCMをしているゲームサイトに小学校低学年の娘も興味を示したので、無料なら遊ばせてもいいだろうと思い、母親である私の携帯電話で私の名前で娘のために登録をした。娘は10日ほど遊び、1つ5000 円のアイテムを多数購入していた。娘は本当のお金が必要だとは思わず、アイテムも無料だと思って遊んでいた。しかし、後日携帯電話会社から約10万円もの請求書が届いた。
【事例3】小学生の息子には、携帯電話の使用は家族へのメールと電話のみに制限するようにしていたが、テレビで無料というCM を見て、息子が無料でゲームができると思い込み、勝手にサイトにアクセスしたようだ。後日2 ヶ月合わせて9万円という高額なパケット通信費の請求書が届き驚いた。
【事例4】無料で遊べるというゲームのCMをテレビで見て孫が遊びたいと言うので、無料ならかまわないかと思い自分の携帯電話を使わせた。しかし、後日、携帯電話会社から利用料金が3 万円と高額な知らせがきた。パケット定額制には加入していない。通信費がかかるなら無料を強調するようなCM はしないでほしい。
【事例5】中学生の息子が携帯電話のコミュニティサイトで知り合った人から無料のゲームサイトを紹介され登録したが、その日のうちに解約したところ、そのサイトから約8万円を今日中に支払えとのメールがきた。最近、息子があまり元気がないので声をかけたところ、その事実が発覚した。
【事例6】コミュニティサイトで知り合った人から「新規会員は無料」というゲームサイトを紹介された。そのサイトに登録したところ突然、年会費3万円とゲームのポイント料金5250円を請求され、振り込んでしまった。しかし、不審に思ったので退会を申し出たところ、今度は退会手続きに35250 円が必要と言われたので振り込んだ。その後も退会したはずのサイトから「サイトがリニューアルした」というメールが届いたので問い合わせたところ、さらに退会費用が必要と言われた。
【事例7】携帯電話の無料オンラインゲームサイトで知り合った人と親しくなり、メールのやり取りをするようになった。先日、お互いの顔写真を送り合おうと誘われ、相手の顔写真を受け取ったあと、2 日前に自分の顔写真を送信したが、送信後から全く連絡がとれなくなってしまった。相手の顔写真も本物かわからないし、最初からこちらの情報をだまし取るつもりだったかもしれない。顔写真が悪用されないか心配である。
【事例8】高校生の娘が無料オンラインゲームで知り合った人からいろいろ勧誘されている。ゲームで使えるアイテムを無料でもらったりしているので断りにくいようだが、心配である。
http://news.www.infoseek.co.jp/topics/business/n_fair_trade__20101214_4/story/14fujizak20101214012/
★「モバゲー」独禁法違反で立ち入り検査
携帯電話向けゲームサイト「モバゲータウン」を運営する東証1部上場企業、ディー・エヌ・エー(DeNA)が、独禁法違反の疑いで公正取引委員会の立ち入り検査を受けた。ライバル会社にゲームを提供しないよう開発業者に強要していた疑いだが、業界では公取委の「真の狙い」は別のところにあるとみられている。なんなのか-。
公取委の立ち入り検査の一報が流れたのは今月8日の昼前。東京株式市場の午前の取引が終了した直後だった。
DeNA株の午前の終値は前日比65円高の2765円。ところが午後の取引が始まると、同社株は一転して売り浴びせられ、終値は162円安の2538円とジェットコースターさながらの推移となった。
関係者によると、DeNAは社外のゲーム開発業者がモバゲータウンにゲームソフトを提供するサービスを展開。今年夏から同じような仕組みを導入したライバルサイト「GREE」(グリーが運営)にゲームを提供しないように、開発業者に取引を制限していた疑いが持たれている。ただ、公取委の「真の狙い」は別のところにあるというのが、業界のもっぱらの見方だ。
DeNAの2010年9月中間連結決算は、営業利益が前年同期比4・1倍の256億円、純利益が約4倍の141億円と、驚異的な伸びをみせた。無料ゲームなのに、どうやって業績を伸ばしているのか。
「利用料金は基本的に無料だが、ゲームのなかで使用するアイテムは有料で、その課金が収益の柱になっている。無料をうたう一方、利用者への高額請求も目立ち、社会問題化しつつある」(業界関係者)
CMでは無料だと言っているのに、高額の情報料や利用料を請求されたという相談が全国各地の消費者生活センターに多く寄せられている。あまりのトラブルの多さに、同センターは注意を喚起した。その相談事例がスゴい。
「小学生の息子が、2カ月で9万円のパケット料(通信料)を請求された」「5歳の子供が10万円もの高額アイテムを購入した」など。
通信料もさることながら、無料であるはずのゲームでなぜ、高額な利用料が発生するのか。「ゲームが、有料のアイテムを買い足さなければ面白くないように設定されているためだ。無料だと思い込んでいる小中学生は次々とアイテムを買い足していくので、請求額がどんどん膨らんでいく」(業界関係者)
DeNAのソーシャルゲーム「アバター」は、人形の服や靴の着せ替えを楽しむゲーム。ゲームへの参加は無料だが、着せ替える服や靴は有料。おしゃれ度で得点が上がるシステムもあり、有料の服や靴などのアイテムをクリックしていったら6万円以上を請求されたケースもある。
未成年者の高額請求を受け、洪水のように流れるテレビCMに「一部有料のコンテンツがあります」と表示しているが、時間が短いため読み取りにくいのが実情だ。
また、ユーザー保護の取り組みが強化され、未成年者に課金の上限額を設定している。
「グリーは未成年者の課金上限額を月3万円に設定。DeNAは上限を月1万円に設定しているが、親名義で契約している携帯電話は対象外だ。最近では大人のモバゲーを打ち出し、ユーザーの対象を成人にシフトしている」(ゲーム業界担当アナリスト)
無料でユーザーを呼び込み、有料のアイテム購入で稼ぐというビジネスモデルが急成長の原動力となっているのである。しかし、ゲームのユーザーには小、中学生ら未成年者も多い。小、中学生に月何万円も使わせるようなゲームが果たして健全といえるのか。
公取委が立ち入り検査に入り、改めてそのビジネスモデルが問われることになりそうだ。
小中学校も冬休みに突入し、お子さんから『携帯電話を買って!』としつこくねだられている親御さんも多いと思いますが、そんな親御さん世代に『携帯電話にはネット犯罪だけでなくこんなリスクもあるよ!』という意味もこめて あえて、当ブログでもこの記事を紹介したいと思います。
まあ、私は基本ゲームにはあまり興味がない方なので『携帯電話の有料サイトの課金ビジネスそのものが一種の社会問題になりつつある』という話を聞いたことがあるというレベルでしか知らなかったのですが、さすがに月6万円だの10万だの請求が来たのでは、親としてもたまったものではありませんし、もしこの冬に子供に携帯電話を買い与えるのならば、そのご家庭で『どこまではOKで、どこからはダメ』というルールを必ず決めて欲しいと思います。
少しお説教じみた言い方になりますが、得てして子供というのは『欲しいものと必要な物の区別がつかない』ものですし、その区別をつけさせるように育て上げるのは親としての最低限の義務。
普段よりも子供と接する時間の多い年末年始。そしてお年玉という普段は手にすることができない多額の現金を得る数少ない機会だからこそ、子供達が将来お金に困ることにならないためにも、そして今のご家庭の家計を破綻させないためにも、親御さん自らが ご自身の言葉でしっかり金銭教育を行ってあげて欲しいと思います。
参考資料として、国民生活センターがリリースしている 「無料」のはずが高額請求、子どもに多いオンラインゲームのトラブル へのリンクページと具体的な被害内容について紹介したリンクページ(PDF版)も紹介したいと思います。
→ http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20091216_2.html(「無料」のはずが高額請求、子どもに多いオンラインゲームのトラブル)
→ http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20091216_2.pdf(具体的な被害事例を紹介しているPDFです)
<以下は PDFより被害の実例を引用>
【事例1】小学生の息子が無料ゲームをするために、私の携帯電話を貸して遊ばせた。テレビで「無料」とCM をしていたし、息子も友人から無料ゲームだと紹介されたと聞いたので、お金がかからないと安心して利用させていた。しかし実際には、アバターのコンテンツ料として1 回5千円かかり、2ヶ月で約6 万円もの請求書が届き驚いた。
【事例2】テレビで無料とCMをしているゲームサイトに小学校低学年の娘も興味を示したので、無料なら遊ばせてもいいだろうと思い、母親である私の携帯電話で私の名前で娘のために登録をした。娘は10日ほど遊び、1つ5000 円のアイテムを多数購入していた。娘は本当のお金が必要だとは思わず、アイテムも無料だと思って遊んでいた。しかし、後日携帯電話会社から約10万円もの請求書が届いた。
【事例3】小学生の息子には、携帯電話の使用は家族へのメールと電話のみに制限するようにしていたが、テレビで無料というCM を見て、息子が無料でゲームができると思い込み、勝手にサイトにアクセスしたようだ。後日2 ヶ月合わせて9万円という高額なパケット通信費の請求書が届き驚いた。
【事例4】無料で遊べるというゲームのCMをテレビで見て孫が遊びたいと言うので、無料ならかまわないかと思い自分の携帯電話を使わせた。しかし、後日、携帯電話会社から利用料金が3 万円と高額な知らせがきた。パケット定額制には加入していない。通信費がかかるなら無料を強調するようなCM はしないでほしい。
【事例5】中学生の息子が携帯電話のコミュニティサイトで知り合った人から無料のゲームサイトを紹介され登録したが、その日のうちに解約したところ、そのサイトから約8万円を今日中に支払えとのメールがきた。最近、息子があまり元気がないので声をかけたところ、その事実が発覚した。
【事例6】コミュニティサイトで知り合った人から「新規会員は無料」というゲームサイトを紹介された。そのサイトに登録したところ突然、年会費3万円とゲームのポイント料金5250円を請求され、振り込んでしまった。しかし、不審に思ったので退会を申し出たところ、今度は退会手続きに35250 円が必要と言われたので振り込んだ。その後も退会したはずのサイトから「サイトがリニューアルした」というメールが届いたので問い合わせたところ、さらに退会費用が必要と言われた。
【事例7】携帯電話の無料オンラインゲームサイトで知り合った人と親しくなり、メールのやり取りをするようになった。先日、お互いの顔写真を送り合おうと誘われ、相手の顔写真を受け取ったあと、2 日前に自分の顔写真を送信したが、送信後から全く連絡がとれなくなってしまった。相手の顔写真も本物かわからないし、最初からこちらの情報をだまし取るつもりだったかもしれない。顔写真が悪用されないか心配である。
【事例8】高校生の娘が無料オンラインゲームで知り合った人からいろいろ勧誘されている。ゲームで使えるアイテムを無料でもらったりしているので断りにくいようだが、心配である。