ファイナンシャルプランナーのニュースチェック

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日航、200人整理解雇 31日付「更なる対応困難」 

2010-12-10 06:34:40 | Weblog
日航、200人整理解雇 31日付「更なる対応困難」 2010年12月9日 朝日夕刊
http://www.asahi.com/business/update/1209/TKY201012090355.html
 会社更生手続き中の日本航空は9日、パイロットと客室乗務員ら約200人を12月31日付で解雇する手続きに入ったと発表した。再延長していた希望退職の募集を9日に締め切ったが、目標の200人に対して応募が40人にとどまったため。ただ、解雇の対象者にも27日までは希望退職の募集を続ける。
 解雇の対象者はパイロット約90人、客室乗務員約70人と休職者ら40人で、順次本人に通知する。日航は「最大限の配慮」として、希望退職者とほぼ同様の割増金を用意する。「希望退職の延長などあらゆる施策を講じたが、更なる対応は困難で、やむを得ない」としている。
 整理解雇に反対する客室乗務員の一部でつくる労働組合は24、25の両日にストライキを実施する方針。「回避の努力をしたか」といった整理解雇に必要な要件を満たしていないと主張しており、訴訟に発展する可能性もある。



 会社更生法の申請に追い込まれた日本航空が大みそか付けで整理解雇を行う手続きに踏み込みました。
 それにしても、意味がわからないのが、『整理解雇された場合も、希望退職に応じた場合とほぼ同水準の退職金を支給する』という退職にあたっての条件。
 この『ほぼ同水準』がどの程度の差なのかはわかりませんが、格差が少なければ『ダメ元で残留にかける』方ばかりとなってしまい、これでは一向に希望退職に応募する方は集まらないと思うのですが、会社側ももはや希望退職を募集するのは、裁判沙汰になった時に『精一杯の努力はしました』とのポーズを取るための形式的な手順で本気で希望退職募集を募る気がないのかな…とさえ考えてしまいます。

振興銀預金、1千万円超分は25%仮払い 預金保険機構

2010-12-10 05:28:51 | Weblog
振興銀預金、1千万円超分は25%仮払い 預金保険機構 2010年12月8日
朝日 http://www.asahi.com/business/update/1208/TKY201012070524.html
毎日 http://mainichi.jp/select/biz/news/20101208k0000m020101000c.html
 9月に経営破綻(はたん)した日本振興銀行を管理する預金保険機構は7日、元本1千万円を超える預金を持つ人に対し、1千万円を超える部分の元本とその利息を合わせた額の25%を「仮払い」する、と発表した。最終的な払戻額は来年9月ごろに確定するが、仮払いからの上積みはさほど見込めず、高額の預金が大幅カットされることがほぼ決まった。
 経営破綻した銀行の預金はこれまで、全額保護されてきた。だが、振興銀は「ペイオフ」が初めて適用されたため、預金者1人につき預金の元本1千万円とその利息分しか保護されない。
 1千万円を超える元本とその利息分の払戻額は、振興銀が持つ資産の価値の大きさで決まる。最終的な払戻額が確定するのは、振興銀の破綻処理手続きが終わる来年9月ごろになる。このため、預金保険機構は早めに払い戻しを希望する預金者に、まず「概算」で仮払いする。
 その仮払いの水準がようやく決まった。例えば、1千万円を超える部分が計505万円の人は、仮払額が約126万円になる。最終的な払戻額が仮払額を上回れば、差額を追加で受け取れる。仮払額より少ない場合は、受け取った分を返す必要はない。
 預金保険機構は13日、元本1千万円を超える預金者への通知を始め、希望者に1週間程度で指定口座に振り込む。
 記者会見した預金保険機構の田辺昌徳理事長は、仮払いの比率を25%にした理由を「融資先の査定が十分行われないなどしたため、資産の評価額がより厳しくなった」と説明。商工ローンSFCGから買い取った債権の過払い利息の返還も理由に挙げた。振興銀の資産2200億円に対し、負債が8900億円と査定した。仮払いの比率は、過去に破綻した金融機関で資産が預金者の手元に戻ってくる割合としてワースト3位に入ると指摘。「振興銀の経営体制に問題があった」とした。
 資産の最終的な評価によって、最終的な払戻額が仮払額を上回る可能性もある。だが、田辺氏は「(仮払いの比率を決めるのに)できるだけ正確に先々を見通したつもりだ」と述べ、大幅な上積みは難しいとの見方を示した。
 預金保険機構によると、振興銀が民事再生法の適用を申請して破綻した9月10日時点の預金者は約12万人だった。このうち、11月26日時点で1千万円超の預金を持つ人は3403人で、計107億円。
 預金保険機構は今後、振興銀の「再生」に向け、事業を引き継ぐ「受け皿」となる企業の選定を本格化させる。優良な資産はいったん、預金保険機構がつくる「第二日本承継銀行」(ブリッジバンク)に移し、2012年秋までに売却先を決める方針。売却先には、ブリッジバンクに移る行員を含む事業全体の譲渡を目指す。



 ほぉ。民間会社が経営破綻してその会社が普通社債を発行していた場合に、デフォルトした普通社債の元本は1割戻ってくれば良い方だけに、日本振興銀行の前倒しで払い戻される預金払戻率が25%になった(2000万円預けていた人は、とりあえずは1000万円+(1000万円×25%)の1250万円が払い戻され、その後残余財産があれば後日更に分配される可能性もあります)ことは『予想よりも多く戻ってくるな…』というのが正直な印象なのですが、(イオン傘下に入って経営を立て直した)マイカルが 経営破綻した後の2003年の会社更生計画で、『個人などの小口債権者に対しては額面の30%&大口債権者には10%を上限に弁済する事が決定した』ことを考慮すれば、当初20%とされていたものが25%に引き上げられたのも、被害者の大半が個人預金だったことを考慮すると、『多少優遇し過ぎ…』という気もしなくもありませんが、まあぎりぎり妥当の範囲内でしょうか…。
 1996年にペイオフ凍結を行った後、2002年4月には『1金融機関につき1預金者あたり元本1000万円までとその利息の預金債権を保護する』原則に戻し一応の正常化宣言をしていますし、そのペイオフ復活から既に8年あまり経っていることを考慮すれば、周知期間が短かったとは思えず、またパンフレット等にもペイオフの説明文が掲載されていた以上、預金カットが実際に行われる可能性があることは十分知れ渡っていたと考えるのが妥当でしょうし、公的資金という名の税金を投入してまで預金者をこれ以上保護する必要性は薄く、被害を受けた方には つき離す冷たい言い方にはなってしまうとは思いますが、他の金融機関の同程度の預金金利どころか新発10年国債の表面金利さえも大きく上回る金利水準で定期預金を募集していた時点で、資金繰りが厳しいことは容易に予想がついた でしょうし、預金カットに文句を言う預金者も出てきそうですが、マイオウンリスク(投資責任は自分が背負う)の原則に基づいて厳粛に処理を進めるのが妥当ではないかと個人的には考えます。