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首相「為替に言及すべきでない」 財務相、過度の変動で介入示唆

2010-01-10 19:37:08 | Weblog
首相「為替に言及すべきでない」 財務相、過度の変動で介入示唆 2010年1月8日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20100108AT3S0800J08012010.html
 鳩山由紀夫首相は8日午前、菅直人副総理・財務相が7日の就任会見で円相場の具体的な水準に言及したことについて「政府としては基本的に、為替に関しては少なくとも言及すべきではない、私はそう思っている」と苦言を呈した。首相公邸前で記者団に語った。
 首相の発言について菅財務相は8日午前の閣議後の会見で「(為替は)基本的には市場が決めることだ」と説明。そのうえで「首相が言ったことは原則としてその通りだと思うが、経済界の希望は十分に勘案しなければならない。いざというときは為替に何らかの行動をとることは(財務相の)権能に入っている」と述べ、過度に相場が変動した場合には外国為替市場への介入も辞さないとの姿勢をにじませた。

自民・谷垣総裁、小沢氏に議員辞職要求の構え 2010年1月10日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100109-OYT1T00912.htm
 自民党の谷垣総裁は9日、京都市で開かれた党京都府連の会合であいさつし、鳩山首相と民主党の小沢幹事長の政治資金問題について、「首相には退陣か衆院解散を求めてきたが、与党の幹事長にも『きっちり説明しないなら、議員の地位を懸けるだけの問題だ』と言わなければならない」と述べた。小沢氏が説明責任を尽くさない場合は、議員辞職を要求する考えを示したものだ。



 う~ん。菅直人副総理・財務相の円安誘導発言に対して批判する発言があったと聞いたので、てっきり自民党の閣僚が批判したのかと思ったら、なんと鳩山首相が批判していたんですね…(吃驚
 まあ、鳩山首相が迅速に介入したことで自民・公明の反撃を未然に防いだという見方もできなくもありませんが、なぜか野党第一党の谷垣氏はこの問題には言及せずに、小沢おろしにばかり夢中…(汗 
 与党民主党を叩く格好の材料だったというのに、谷垣さんも優先順位が見えていないというか、あの人(谷垣さん)も一体何を考えているんでしょうね???

 政界では、枡添さんが新党を作り、みんなの党も政策次第では連携するといったうがった予想?も一部あるようですが、自民党の肝心のリーダーが優先順位を勘違いしているようでは、とても次の参議院選での政権奪取は限りなく困難。自民党はリーダー選出の段階で人選を誤ったという印象を持たざるを得ません…。

日航年金、OB減額拒否なら解散も JAL関連ニュース報道 その2

2010-01-10 19:17:10 | Weblog
日航年金、OB減額拒否なら解散も…支援機構 2010年1月10日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20100110-OYT1T00089.htm?from
 経営再建中の日本航空が、企業年金の削減手続きでOBの3分の2以上の同意取り付けに失敗した場合、再建を主導する企業再生支援機構は年金基金を解散する方針であることが9日、明らかになった。
 解散の場合、OB年金の削減率は現計画の約30%から約60%に跳ね上がる見込みだ。日航は期限としている今月12日時点で3分の2に達しなければ、22日まで手続きを延長し上積みに全力を挙げる。
 日航の年金削減計画は、現役社員で53%、OBで30%、給付額を引き下げるもので、現役社員については4日時点で同意が3分の2を超えた。一方、約9000人のOBからの同意取り付けは難航しており、4日時点で約3000人、9日でも約4000人にとどまっている。
 年金基金では、解散時に必要な積立額5330億円に対し、年金資産は2918億円となっており、日航の試算では、削減率は現役、OBともに約6割にまで拡大するという。
 支援機構が基金の解散という強硬姿勢をとるのは、日航を法的整理で再建するのにともない、融資枠や政府保証など一時的に1兆円を超える規模の公的資金が必要となる公算があるためだ。
 OBが受け取る企業年金は法律で厳格に保護されており、会社更生法に基づく再建過程でも通常は大幅な減額とならない。しかし、日航のケースでは、公的資金が年金給付の原資に回る可能性があり、政府や支援機構は国民の理解を得られないと判断している模様だ。
 政府は一方で、22日の最終期限までに3分の2の同意が取れれば、現計画の削減率を、今後の再建過程にも反映させるよう機構に求めている。
 焦点となっていた年金削減問題が、現役・OBの同意による減額か基金解散で解決する見通しとなったことから、政府は、年金を強制的に減額できる特別立法を見送る方向で調整に入る。

「日航の法的整理安全損なう」柳田邦男氏が指摘 2010年1月8日 読売夕刊
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100108-OYT1T01128.htm
 日本航空へ安全問題について提言している外部諮問機関「安全アドバイザリーグループ」の柳田邦男座長らが8日、前原国土交通相と面会し、同社の経営再建について「安全を担う日航の再建は、通常の企業再生とは異なる」として、会社更生法の適用による法的整理は安全運航を損なう可能性があり、避けるべきだとの考えを伝えた。
 柳田氏によると、前原国交相は、安全面を配慮することに理解を示したという。
 アドバイザリーグループは、運航トラブルが相次いだ2005年、柳田氏や畑村洋太郎・工学院大教授ら外部有識者の意見を同社の安全対策に反映させるために設置された。柳田氏は国交省で会見し、「この4年半で日航は安全文化を築いてきたが、法的再建となれば組織が大きく変わり、安全への取り組みの継続性を失いかねない」と主張。「自主的再建を行うことが、社員の意欲を失わせず、安全運航を守っていく上で極めて重要だ」と話した。




 それにしても、日本航空の再建問題は年末に法的整理を選ばなかった以上は、てっきり1月12日のOBの年金減額回答期限を待つことで、『これから経営再建の主役になってもらわなければならない現場従業員や一部法的整理反対派に一応の配慮はした』というポーズだけでも取り、法的整理の期日も1月29日金曜日の東京株式市場終了直後に会見を開くものとばかり思っていた(JALUXや取引先企業の連鎖倒産防止のためには都銀ばかりでなく各地の地銀にも日航取引先の緊急相談窓口と運転資金の貸し出し準備をして貰わなければならず、そのためにも少しでも株式市場の混乱を避けるためにも金曜日の株式市場終了直後に発表を行うと私は考えていました)のですが、発表も1月19日の火曜日という『なんでこんな中途半端な時期に???』と思える時期に行うことが濃厚となり、OBに対しても年金減額拒否なら基金を一転解散するという強硬手段に出ることで有無を言わさない方針に出てきましたねぇ…(吃驚

 まあ、OBの説得については、9000人のOBのうち3分の2の6000人以上の同意を得なければならないのに、1月4日時点で3000人、現役社員も必死の同意集めに回った1月9日時点でも4000人と『こりゃだめだ!』と判断したのかもしれませんが、まあこちらも政府が法的整理の方針を既に発表し、週明けの株価も急落が予想される中、企業価値が急激に棄損することを防ぐためにも余計な時間をかけてはいられないと判断したのでしょうし、まあ妥当な判断なのかな…と思います。

 「日航の法的整理は安全を損なう」という柳田邦男氏の批判は、数あるうちの感情論の1つに過ぎないと私は考えます。
 柳田邦男氏は何でも航空事故の研究に詳しい専門家のようですが、もし氏が指摘するように『この4年半で日航は安全文化を築いてきたが、法的再建となれば組織が大きく変わり、安全への取り組みの継続性を失いかねない』という指摘が事実ならば、デルタやノースウェストは復活などできなかったはず…。
 むしろ法的整理を経て半国策会社の呪縛から解放されることで、本当の意味での民間会社に生まれ変わることができ、経営体質も強化できるのではないでしょうか…。
 法的整理の道を選ぶ以上、不採算路線の一層の見直しは避けられないでしょうし、不採算路線に頼っている地元や多額の融資をした銀行など、利害が反する方にとってはどんな理由をつけてでも法的整理に反発したいところなのでしょうが、今生まれ変わることが出来なければ、一生赤字を垂れ流し半永久的に公的資金という名の税金を投入することにもなりかねませんし、第一法的整理の道を選ばなければ8つもある労働組合など、まず一本化することはできない(*注)でしょう。
 感情論も結構ですが、そういった安全重視論を自分の立場を強化することに悪用して企業から絞り取れるだけ絞りとってきた輩が現に存在することも紛れもない現実。本気で日本航空という会社を再建させる気持ちが少しでもあるのならば、だからこそ心を鬼にした決断が欲しいところですね…。


*注 私は従業員の待遇改善のために複数の労働組合が存続することまでは否定しませんが、経営不振で苦しんでいる会社なのに、多数派のJAL労働組合(地上職、整備、客室乗務員:約11000人)の他にも、少数組合が7つも存在している(日本航空労働組合=地上職・整備:約110人、日本航空機長組合:約1200人、日本航空先任航空機関士組合:約100人、日本航空乗員組合=副操縦士・航空機関士:約1200人に加えて、客室乗務員系の日本航空キャビンクルーユニオン:約1200人、旧JAS系で地上職、整備、航空機関士:約1300人、同じく旧JAS系の日本航空ジャパン乗員組合=機長・副操縦士:約660人)こと自体異常で、最低でも機長や副機長などの管理職組合、客室乗務員の組合、地上職その他スタッフへの3組合への統合は不可欠。もし可能ならば労働組合そのものを一本化することが経営再建をより早める上でも好ましいのではないかと考えます。

JALは会社更生法申請で最終調整 JAL関連ニュース報道 その1

2010-01-10 19:10:12 | Weblog
日航、法的整理で決着へ…支援機構案採用で調整 2010年1月8日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20100108-OYT1T00113.htm
 政府は7日、日本航空の経営再建を巡り、法的整理を活用する企業再生支援機構の再建案を採用する方向で最終調整に入った。
 日航が今月中に裁判所へ会社更生法の適用を申請した上で、機構が支援決定を行い日航を正式に管理下に置く。菅財務相や前原国交相ら関係閣僚が週末にも協議し、政府としての方針を決める見通しだ。昨年9月に鳩山政権が発足して以来、曲折をたどった日航再建問題は、最大のヤマ場を迎えた。
 日航の再建手法では、法的整理を主張する支援機構などと、私的整理が適当とする日航やメガバンク3行などとの間で対立が続いていた。今後の再建の過程で、支援機構を通じて巨額の公的資金が投入される公算が大きいことから、政府は、裁判所の関与の下で透明性を確保することが妥当との判断に傾いている。
 支援機構の再建案では、会社更生法の適用申請と並行して、主力銀行団に債権の放棄・株式化で3500億円程度の金融支援を求める。社債などの債権カットと合わせ7000億円規模の債務を圧縮。2010年3月末時点で8000億円を超えるとされる債務超過を解消した後、支援機構が3000億円を出資する。
 また、法的整理に踏み込むことで日航への信用不安が広がり、現金決済が急増する事態に備え、機構は資金繰りの「安全網」を用意する。具体的には、自ら4000億円の融資枠を設定するほか、銀行団が融資しやすいように数千億円規模の融資保証枠を設ける。
 さらに、運航に不可欠な商取引で生じる債権は保護する方向で裁判所と事前調整している。マイレージ・プログラムも、原則として保護の対象とする。
 一方、3メガバンクは機構などに対し、主要債権者らの協議で債権放棄額などを決める私的整理を中心に、対案を提示している。法的整理によるイメージ悪化で顧客離れを招き、日航の企業価値が激しく棄損すれば、政府のダメージにもなりかねず、なお慎重に検討すべきだとの声も残る。

日航再建問題で閣僚協議 国交相「公的整理で一致」 2010年1月8日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20100108NT001001608012010.html
 日本航空の経営再建を巡り、前原誠司国土交通相は8日の閣議後の記者会見で「企業再生支援機構による公的整理をする方向で一致している」と述べた。
 8日午前には首相官邸で菅直人副総理・財務相、前原国交相ら関係閣僚が集まり協議。
 企業再生支援機構が主張する法的整理を併用した事前調整(プレパッケージ)型支援と、銀行団が提示した私的整理による再建案について話し合った。前原国交相は会見で
「法的整理か私的整理かが関心を集めているが、興味があるのは(日航の)飛行機を飛ばしながら再生すること」と改めて強調した。菅副総理は「再生へ向けた後方支援が私の役目」と述べるにとどめ、法的整理を採用するかどうかは明言を避けた。

日航リストラ策拡充、支援機構方針 更生法活用で再建 2010年1月9日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20100109AT3S0804608012010.html
 会社更生法の枠組みを使って再建を進める方向となった日本航空について、公的機関として支援に乗り出す企業再生支援機構はリストラ策を拡充する方針を固めた。迅速な手続きを活用して抜本的に経営を立て直すのが狙い。機構は金融機関に要請中の債権放棄を3500億円に上積みし、国内外の路線撤退や人員削減も上乗せする。株主責任は100%減資で上場廃止にするか、持ち分を残して上場を維持するかで両論があり、政府内で調整を続ける。
 日航は19日をめどに東京地裁に同法の適用を申請する。これに先立ち、政府は週明けにも支援方針を決定する方向だ。前原誠司国土交通相は8日夜、鳩山由紀夫首相と会談。
 前原氏は会談後、記者団に「機構が支援決定する段には、閣議了解などで政府としてバックアップすることが必要」と語った。首相は「日航の運航に極力支障がないように今日まで努力してきた。これからも努力する」と述べた。

日航再建、政府が更生法 透明性・抜本策を重視 2010年1月9日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20100109AT3S0803I08012010.html
 政府が日本航空の再建に向けて会社更生法の活用を固めたのは、裁判所の監督下で抜本的な立て直しを目指すためだ。安易な救済では国民の理解を得られず、透明性の高い手続きが必要との判断もあった。8000億円超の実質債務超過に陥った企業を私的整理で救済するのは難しく、最後は市場の圧力と政権交代という2つの要素が法的整理に導いた。ただ顧客離れやブランド価値の低下などを懸念する声も出ている。
 最大5000億円の実質債務超過――。日本政策投資銀行は日航の資金繰り危機がささやかれた昨年8月時点で、すでにこう試算していた。

日航法的整理、3メガ銀受け入れへ 今期に追加損失計上も 2010年1月9日
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20100109AT2C0801008012010.html
朝日 http://www.asahi.com/business/update/0109/TKY201001080449.html
 日本航空の民間主力銀行である3メガバンクは、法的整理の方向が固まったことへの反発や無力感をにじませながらも、最終的には受け入れる見通しだ。会社更生法の適用申請に伴って金融債権を放棄するだけでなく、保有株式の価値も大きく目減りする。2010年3月期に追加損失の計上を迫られる。
 3メガは「貸出債権の一部放棄など私的整理による再建は可能だ」と主張してきたが、政府は法的整理の道を選んだ。民間銀行側の筆頭メーンバンクであるみずほ
フィナンシャルグループは、500億円規模の追加損失を計上する可能性がある。3メガではみずほの想定損失額が最大で、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループがこれに次ぐ。

日航再建、混乱回避へ全力 マイレージは保護 2010年1月9日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20100109AT1C0800608012010.html
 経営難の日本航空を巡り、政府は法的整理の活用を前提に、企業再生支援機構の下で再建を進める方針を固めた。政府、機構は日航が会社更生法の適用を申請した場合にも、通常通りの運航を継続できるように最大限に配慮する方針だ。利用客、取引業者や株主など多岐にわたる関係者への影響と混乱回避のための課題をまとめた。
 政府や機構は航空機の運航や窓口業務など、日航がすべての業務を通常通りに継続できるよう支援していく。すでに搭乗を予約している人も予約内容通りに利用できるようにする。機構は、航空会社が利用距離などに応じて付与する「マイレージ」も保護する方針だ。優良顧客を囲い込む手段で「保護されないと顧客離れが進む」(関係者)可能性があるためだ。

日本航空:法的整理でも上場維持 再生支援機構が方針 2010年1月8日 毎日
http://mainichi.jp/select/biz/news/20100108k0000m020124000c.html
 日本航空の支援を検討している企業再生支援機構が、法的整理に踏み切った場合でも日航株の上場を維持する方針を固め、東京証券取引所と調整に入ったことが7日分かった。法的整理後の上場維持を可能にする東証の規定を初適用し、日航の利用者減を食い止めたい考えだ。また支援決定後は、融資や保証による最大1兆円の信用補完措置を取る方針も固めた。混乱を避けて、再建を円滑に進めるのが狙いだ。
 日航の経営再建を巡り、支援機構では、金融機関や社債権者らの債権カットなど、関係者から一定の合意を得た上で、会社更生法申請に踏み切る「プレパッケージ(事前調整)型」の法的整理案が有力となっている。
 同法の申請に伴い、上場廃止や、減資で株主責任を問われるのが通例だが、上場廃止は企業イメージを損ない、顧客離れに歯止めがかからなくなる懸念もある。
 このため東証は03年、法的整理に移行した場合でも、有効な再生計画を立案していたり、保有株が紙くずとなる100%減資をしないことを条件に、上場を維持できるよう上場の規定を見直した。法的整理と同時に再生計画を立案しているケースは異例で、適用例はないが、機構はプレパッケージ型の法的整理は上場維持の条件を満たすと見ている。
 機構は日航が実質的に約8000億円の債務超過に陥っていると分析。法的整理に踏み切れば、燃料調達や空港利用料など多額の現金決済を迫られるため、1兆円の信用補完措置を取ることで、日航の運航に支障が生じないようにする。また、機構から日航への約3000億円の出資▽金融機関などによる約7000億円の債権カット▽1万人強の人員削減--などの再生案を銀行団に提示しており、理解を得られれば法的整理に踏み切る方針だ。
 これに対し、主要取引行のメガバンク3行は法的整理に反対し、3000億円超の債権放棄と債務の株式化に加え、減資を含む私的整理案を機構側に逆提案している。3メガバンクは日航の普通株や優先株を保有しており、減資による株主責任を負うことで、私的整理に理解を得たい考えだ。ただ機構側は、「抜本再建には法的整理が不可欠」との姿勢を崩しておらず、協議は難航している。

日航、上場廃止も検討か…再生支援機構 2010年1月9日 読売夕刊
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20100109-OYT1T00544.htm
 日本航空の経営再建を主導する企業再生支援機構が、会社更生法の適用による法的整理に伴い、日航の資本金の90%超を減資する方向で調整していることが9日、わかった。
 日航は2010年3月末で8000億円を超える債務超過とみられており、普通株の価値はゼロに近いと判断。株主責任を厳しく問う方向だ。
 東京証券取引所の上場規則では、100%に達しない減資なら時価総額が10億円以上であることなどを条件に上場の維持が可能だが、支援機構は100%減資して上場廃止とすることも検討している模様だ。
 減資が行われた場合、既存株主の出資割合が大きく下がる。例えば99%減資の場合、1万株を保有していた人の株数は100株に減る。日航については、減資後に支援機構が公的資金で3000億円の増資を行う方向で、機構が筆頭株主となり再建を主導する。
 日航の09年9月末時点の純資産は1592億円のプラスだったが、08年2月の増資で発行した約1500億円の優先株に財産が優先的に分配される仕組みとなっており、普通株の1株当たり純資産はマイナス5円85銭だった。その時点で会社が解散した場合の普通株の価値は、すでにゼロ以下になっていた。
 通常、債務超過の企業が会社更生法の適用を申請した場合、100%減資で株主責任を問う事例が多い。ただ、日航の株主は航空券の株主優待制度を期待する個人投資家が多いとされ、取引銀行などには100%減資に慎重な意見もある。

日航の上場維持、詰めの調整に 2010年1月10日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20100110AT3S0901509012010.html
 会社更生法を活用して再建する方向が固まった日本航空の株式上場を維持するかどうかを巡り、経営支援する企業再生支援機構や取引銀行団などは詰めの調整に入った。機構は日航が巨額の債務超過に陥っているとみており、株主責任を厳格に問うため100%減資して上場廃止にする案を主張。一方で優先株を保有する銀行団や日航には一部に反対する声がある。
19日をめどとする更生法の適用申請までぎりぎりの交渉が続きそうだ。
 日航の株主は昨年9月末時点で約40万人おり、主要株主は東京急行電鉄や東京海上日動火災保険など。会社更生法の適用を申請した企業が債務超過に陥っていれば、通常は100%減資して上場廃止となる。ただ東京証券取引所の規則では、厳格な再建計画を策定した上で100%未満の減資にとどめるなど、一定の条件を満たせば上場を維持することが可能だ。

米デルタ航空社長「日航法的整理でも支援」 2010年1月8日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20100107AT1D0706507012010.html
 日本航空との提携を模索する米デルタ航空のエドワード・バスティアン社長は7日、東京都内で記者会見を開き「仮に日航が法的整理になった場合でも支援する」と述べ、再建方法にかかわらず日航に対して総額10億ドル強の財政支援をする方針を表明した。提携企業の決定時期については「日航が決めることだが、できるだけ早く決めたい」と話した。
 日米政府間では昨年12月に航空自由化(オープンスカイ)協定を締結することで合意している。提携後の日米路線のシェアの高さから、取得の可否が注目される米独占禁止法適用除外(ATI)については、「米政府はもっと高いシェアになる事例も認めてきた。必ず取得できる」と従来の主張を繰り返した。
 日航の西松遥社長は昨年11月の決算会見で「相手をどちらにするか早急に結論を出したい。年内に方向性を出す」と述べたが、日航の再建スキーム自体がなお流動的なこともあり、提携相手の決定は遅れている。

アメリカン航空、日航への資金支援額積み増しへ  2010年1月8日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20100108AT1D070CW07012010.html
 米航空大手のアメリカン航空は、日本航空との提携関係を維持するために提示している資金支援を増額する方向で検討に入った。米投資ファンドのTPGと組み最大11億ドル(約1000億円)の出資の用意があると提案しているが、これを数億ドル積み増すとみられる。日航経営陣が提携相手を米デルタ航空に乗り換える方向に傾いているため、増額で巻き返しをはかる。




 日本航空の経営再建問題ですが、8日午前の首相官邸での会議で法的整理反対派の主要人物だった国土交通大臣の前原さんが「公的整理で一致」したと会見したことで、8日の株式市場では、日本航空及び日本航空が2割の株式を保有するJALUXが急落しましたが、各誌の報道を読むと『会社更生法を申請することでは一致して、申請日も19日火曜日をメドに調整するようで、混乱回避のために(燃料代などの支払い債権だけでなく)マイレージも保護するという異例の混乱回避策を取る』つもりのようですが、上場廃止かそれとも上場を維持するのかは、まだどちらにするのか決めかねているようですね。
 ちなみに、法的整理を実行した場合にも上場し続けることができる法改正が最近あったようで、『厳格な再建計画を策定した上で100%未満の減資にとどめるなど、一定の条件を満たせば上場を維持することが可能』という特別措置が導入されたようですが、こちらはあくまでも100%減資しないことが条件。
 ただ日航の株主は個人も含めれば約40万人もいますし、100%減資だろうと99%減資だろうと株券がほとんど紙くずになるのは同じで、100%減資反対派は航空券の株主優待制度を期待する個人投資家が反発&利用離れを起こすことを恐れ100%減資に反発しているようですが、抜本的な経営再建を図るならば利害関係者は1人でも少なく絞らなければまとまるものもまとまらなくなるでしょうし、ごくごく個人的な意見を述べるならば、今後世界で生き残っていく世界を巡る航空会社に生まれ変わるためにも、ここは心を鬼にしても上場廃止にした方がよいのではないかと考えます。