石橋みちひろのブログ

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「電子書籍と出版文化の振興に関する議員連盟」第3回総会開催~基本方針固める

2013-12-04 23:11:58 | 活動レポート

今日(12月4日)、私が事務局長を務める「電子書籍と出版文化の振興に関する議員連盟(以下、電子書籍議連)」が、2013年度第3回総会を開催し、デジタル時代に対応した出版者への権利付与を行うための著作権法改正に向けた、議連としての基本方針を確認しました。
 


電子書籍議連では、これまで、未だに電子書籍に対応していない現行著作権法上の出版権を、電子書籍にも対応した新たな出版権へと発展させていくために議論を進めてきました。現在、文化庁の審議会でも検討が進められていますが、議連として、電子書籍の流通促進と、有効な海賊版対策を図るために最適な出版権のあり方とはどのようなものか、並行して議論を進めているものです。

電子書籍については、著作権法上の手当が行われないまま、現実の社会ではすでに普及が進んできています。ですから、早急に対応を図ることが求められていて、議連としても、遅くとも来年の通常国会で著作権法の改正を実現することをめざし、今日の総会で基本方針(下記参照)、つまりは新たな出版権のあり方に関する方向性について議論・決定したわけです。

今日の議連総会には、議連の方針に関する関心の高まりを反映してか、著作者、出版社、経営者団体、マスコミ関係者など、30名を超える関係者が傍聴のために参加してくれました。冒頭、河村建夫会長(自民党衆議院議員)が、「結論を出す時期が近づいており、文化庁審議会の議論の進捗状況を注視をしながらも、議連としてしっかり議員立法の準備も進めていく」と挨拶。また、中川正春会長代行(民主党衆議院議員)からは、「この著作権法改正の先にある、ナショナルアーカイブ構想のための登録制度の整備や、日本の文化を世界に発信していくための国際展開の推進にも議連として着手していきたい」と、今後の方針について考えが提起されました。

議連としては、以下の基本方針に基づいて、関係団体の皆さんとの意見交換も行いながら、さらに具体的な検討を進めていきたいと思っています。今後の動向にぜひご注目下さい!

 

 

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電子書籍に対応した出版者への権利付与のあり方に関する基本方針
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1.電子書籍に対応した出版権の整備について

  • 現行の出版権を電子出版にも拡張する方法(いわゆる総合出版権)によるものとする。これによって、出版者は紙と電子の双方で出版する義務を負いつつ、海賊版に有効に対抗することが可能となる。
     
  • ただし、契約当事者間の合意に基づいて、以下の特約契約を可能とする:
    • 紙のみ(複製権)に限定した出版権設定
    • 電子のみ(複製及び公衆送信権)に限定した出版権設定
    • 紙または電子の特定の出版物に限定した出版権設定
       
  • 出版者は、契約に応じた出版義務を負うこととし、義務不履行の際は、著作者は当該出版権の消滅請求を行うことができる。なお、総合出版権を設定している場合は、消滅請求は総合出版権に対して行う事が出来るものとする。
     
  • 加えて、紙のみ(複製権)に限定した出版権を設定した際にも有効な海賊版対策を行えるよう、みなし侵害の規定を設ける。 

 

2.出版権者による再許諾

  • 再許諾は原則不可とし、著作権者の承諾を得た場合に限り、契約に明記することで再許諾可能とする。
     
  • なお、その際、著作者が承諾すれば、紙のみ、電子のみの再許諾も契約上、可能とするが、いずれの場合においても、再許諾のみをもって出版義務の履行とせず、出版権を保持する出版者が一貫して出版義務を負うこととする。 

 

3.特定版面権

  • 特定版面権は創設しないこととする。 

 

4.登録制度

  • 本著作権法の改正に併せて、出版権の登録制度を早急に整備すべきであることを明記する。 

 

5.その他

  • 出版契約に係わる相談、苦情対応および紛争解決のため、「出版ADR(仮称)」を創設し、出版に係わる関係者が連携・協力して運営にあたるものとする。
     
  • また、出版契約当事者間の信頼関係の増進とトラブル・紛争の予防を目的に、様々な著作(出版)分野に応じたモデル契約書を当事者(団体)間の合意に基づいて策定し、周知の徹底と利活用の促進を図ること。 
     

(以 上)