告げ口

遠い昔、江戸幕府は「目安箱」を設置して、庶民の意見を訊いた。
しかしそれは、告げ口の山が多く廃止された。
近い昔、小学校の性格の悪い女子は、やんちゃ坊主が悪さをしたら先生に「告げ口」をした。
その女子が、男連中から好かれることはなかった。
映画の中では（現実が解らないので）スパイは決して仲間を裏切ることはせず、秘密を漏洩するなら死を選んだ。

昔から、口の重い人、軽い人はいる。
どちらが信用されて、人に好かれるかは明白である。

会社にも居るだろう。
太鼓持ちのような奴。
上司に告げ口をして、足を引っ張ろうとする奴。
実力の無い者に限って、多く見られる現象だ。

兵庫県小野市が、福祉給付制度適正化条例なる漢字がいっぱい並んだ、まるで漢文の教科書のような条例を施行した。
確かに、生活保護者の中には、不正な受給者も居る。
しかし、真に生活が出来なく、仕方なく受給している者も居る。
そんな人たちを監視し、「不正を見つけたら報告せよ」と言うのだ。
受給者の方達にも、プライバシーはある。
人権もある。
それを差別化したような振る舞いは、果たして市民のための行政と言えるのだろうか？
この条例を考案した者は、間違いなく前述した”太鼓持ち”に違いない。
この発想は間違っている事に、気がつかない愚か者である。
これに踊って、告げ口する奴も出てくるだろう。
愚か者同士で、認め合うと言うのか？
情けない！

かの大女優オードリー・ヘプバーンが言っていた。
『美しい唇である為には、美しい言葉を使いなさい。
　美しい瞳である為には、他人の美点を探しなさい。』
と。

弱い者いじめが大好きな政治の垢を、市民に擦り付けるような行為は、いい加減にしてほしい。
この市だけの問題ではない。