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一人のヒーラーさんとの出会いから、私の世界が変わっていきました。

かわいそうなミーコ一族 Ⅰ

2010-08-16 13:01:18 | ネコ

今月の10日はフクちゃんの命日でチエさんにひまわりの花を頂き、二人でフクと他の猫ちゃん達の冥福を祈った。

フクと同じ年のミーコという猫が近所にいた。

ミーコはとても利口で穏やかなかわいらしいネコだったが、人生?の振幅が大きく良い時とそうでない時の差が大きかった。初めて見かけたのは、一つ向こうの通りだった。その通りのおばあさんの飼い猫と聞いた。

しかし、ミーコのおなかが大きくなった頃、飼い主は市営住宅に入り、ミーコを置き去りにしてしまった。その家の後の入居したおばあさんの兄弟が家の近くに住んでおり、「留守がちだから、ネコに餌をやって欲しい。」と言われたそうである。おばあさんは沖にある島から病院に通う為その家を借りたそうである。

そういう訳でミーコは近くの家に通ってきた。そのうちにミーコは5匹の子猫を出産した。

せっせと餌を運び育てていたが、猫を嫌う人もあり、餌をやっていた人も周囲に遠慮してミーコに餌をやらなくなってしまった。かわいそうなのは子猫たちである。

私は気になってしまい、時々こっそりと子猫に餌を持っていった。5匹の内、2匹は居なくなり、目のふちにアイラインを引いような子顔の美人のメス猫、これはたいそう気が強く、餌をやっても他のにとられないように「シャー!」と火を噴き寄せない。これはイヤミ猫と名づけた。

後、鼻の上が黒くなっている用心深く、とても小柄なメス猫、私はハナグロと名づけ、それをかばうように一緒に居るかわいいオス猫をお兄ちゃんと名づけた。

そのうちハナグロ兄弟は家の裏の倉庫に来たがノラの習性が抜けず、餌をやってもカリカリを好まず、結局、ご飯の鰹節とか、魚の残りを喜び、手を出してもなかなか寄り付かず、餌だけは家で食べ、倉庫をねぐらにし、昼間はその辺で遊んでいた。

一方ミーコは又おなかが大きくなり、近くの一人暮らしのおばあさんがミーコの事を思い余ってタクシーで病院に連れて行き、人工分娩をして子供を処分したあと不妊手術をして飼い猫にした。

その後、軽トラックで来る魚屋さんに毎日上等な魚を買ってもらい、刺身三昧の暮らしのお嬢様暮らしになり、その辺をうろついている我が子には知らん振りであった。

家に来た翌年、ハナグロのおなかは大きくなり、あんな小さな体で子供が出来るのだろうかと思っていたら、4匹の猫を出産した。子猫がチョロチョロし始めた頃、ハナグロは「後はよろしく頼むわ」と目で訴えたと思ったら、姿を消した。

1匹の赤トラの子猫は程なく、交通事故に遭い死んでしまい、(それでも残った兄弟達は死骸のそばを離れなかった)残った3匹のお母さんと一緒の白に背中が黒の縞模様の子たちが事務所に置いた餌を毎日数回食べにやって来た。一番体の大きい猫が甲高い声で「ご飯頂戴」とでも言うようにミャーミャーと言いながら入ってくる。おわんにてんこ盛りに誰かが入れるのだが、ミャーミャーと泣いた子は体は大きいのにつもはじかれて最後になってしまう。その甲高い声から私はオカマ猫と名づけ、その兄弟達を含めてオカマ3兄弟と呼んだ。

朝はシャッターを開けるとすぐやって来て、食事が終わるとヒューヒューとすばやく去ってしまう。触ろうとすると怯えてヒューと逃げそうになるので、できるだけ目をあわさないよう知らん振りをした。斜め前の空き家に住んでいたみたいだった。

お兄ちゃん猫はカリカリが御気に召さないみたいでリヤカーで引いて来る魚屋さんに餌をもらいだしたのでこない日だけ家にきた。しかし、寒くなりかけた11月の下旬、何か古いものを食べたらしく、嘔吐と下痢でぐったりなって家にやって来た。すぐさま獣医さんに連れて行き面倒みてこの子もちゃんと家猫になるかしらと思っていたら、良くなると自由な半ノラなってしまい、姿をあまり現さなくなった。しかし、体の具合が悪くなるとやって来ていた。

イヤミ猫は100m先の猫好きの奥さんに餌の面倒をみてもらい、これも半ノラの自由な生活をしているみたいだった。そこも「ちゃんと飼いたいと思っていたのにならない。」と言われていた。数年は穏やかに猫たちも過ごした。

しかし、オカマ兄弟も1匹消え、2匹消え、突然姿を消した。たぶん、春が来てよそにいい所が出来たのだろうと思う事にしたが、オカマちゃんだけは相変わらず、通ってきていた。時折、お兄ちゃんと鉢合わせして、伯父甥の間柄で喧嘩をしていた。

オカマが姿を消した頃、魚屋さんも廃業して他所に行かれ来なくなってから、お兄ちゃんはカリカリを食べに来て住み付いた。その頃はかってのかわいらしい面影はなく、片目は喧嘩の為白濁し、交通事故の後遺症でびっこになっていた。「お兄ちゃん、お兄ちゃん」と表で呼んでいたら、通りを歩いていた体格の良い男性が「はい」と返事をされ、恥ずかしい思いをした。

お兄ちゃんは12歳くらいで姿を消したが、居なくなる3年くらい前から、疥癬になり、病院に通ったが毎年初夏になると症状が現れ完治できなかった。フクとは互いに知らん振りをしていたが、2月の寒い日ずっとストーブに当たっていたが、ひょろりと外に出て行った。私はその日夕方まで留守にしていたので父から後で聞いた。

出て行って30分ほどでまた帰ってきたが、どうも私を探していたらしかったが、諦め又出て行った。それから帰ってこない。大分弱っていたみたいだ。もっと大切にしてやったらと後で悔やまれたが仕方ない事と諦めるしかなかった。

ミーコの飼い主のおばあちゃんは癌になり、私に「飼って欲しい。ミーコの事を思うと心配で。」とよく言われたが、大変2匹は仲が悪く、顔をあわすとオス猫みたいな組み付き合いの喧嘩をしていたので受ける訳に行かなかった。

自分のテリトリーだと思っていた町内に突然ミーコが来たのでフクは気に入らない。

フクの方からミーコの家に押しかけ喧嘩をしていたが、ミーコが大きくなったのでしまいにはフクの方が負け続け、小さくなっていた。

とうとうおばあちゃんは亡くなり、またミーコは10年余りでノラになった。しかし、前の家の人が餌だけはやっていたが、ある日、おばあちゃんの家を開けた時、おばあちゃんを探し、ミーコもするりと一緒に入り、気付かず締めてしまったらしく、閉じ込められてしまった。

2,3日経ってミーコを見つけた時は、美人の顔が台無しで、必死で戸を開けようとしたらしく、口がゆがみ、キバが変形していた。

そんな事があった後、お兄ちゃんが姿を消した1ヵ月後ミーコは近くの県道で交通事故に遭い亡くなったと言う。おばあちゃんが亡くなって半年後の事だった。

イヤミ猫も飼いネコになりきる事が出来なかったが、近くの空き地に沢山の子供や孫と暮らしていた。時々餌をやっていただけなのだが、初めて私の家の前まできて「お世話になったわね」?とでもいいそうな目をして去って行った。それが最後だった。一族郎党はその空き地や周辺の空き家に住み着いていたが、家が建つことになり、みんな近くの駐車場に移って行った。しかし、駐車場の借主達から、「糞が臭い、危ない」と苦情が相次ぎ、持ち主が猫を全部捕まえ、どこか山の方に捨てたらしいと聞いた。

私の家にも猫はいない、近所で幅を利かせていた黒い縞模様の猫も見かける事も無くなった。ノラ猫も野良犬もいない。味気ない日々である。

コメント
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