細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『ジャンゴ/繋がれざる者』の二重底な大盛りマカロニ・ウェスターン。

2013年01月22日 | Weblog

●1月21日(月)13−00 神谷町<ソニー・ピクチャーズ試写室>
M−008『ジャンゴ/繋がれざる者』Django Unchained (2012) columbia pictures / the weinstein company
監督/クエンティン・タランティーノ 主演/ジェイミー・フォックス 配給/ソニー・ピクチャーズ <165分> ★★★☆☆☆
今年のアカデミー賞の作品賞にノミネートされたのはご愛嬌の西部劇。いや、マカロニ・ウェスターンだ。
いかにもB級映画マニアの監督が、お遊びで作ったような、60年代のマカロニ趣味を大盛りした作品。
タイトルもあの時代の大きな血文字なら、音楽もモリコーネで、本物のジャンゴ、あのフランコ・ネロまでが登場する。
だから、非常に懐古的な趣味で大袈裟に作ったセンスの悪さを、好意的に理解しないと、まったく「おバカな」冗談活劇だ。
しかし、映画を長年、沢山見て来た趣味人には、たまらなくおかしな愉しい作品。
南北戦争が始まる直前の1858年、テキサス。
黒人は奴隷として売買されていた時代。奴隷のジェイミーは行商の歯医者に救われる。
ドイツ人の歯科医クリストフ・ヴァルツは、まったく偏見がないので、ジェイミーが知っている悪人の身元を探すために彼を助手にする。
ふたりはバウンティ・ハンターの方が金になるので、「お尋ね者」を殺しまくる賞金稼ぎとなる。それが前半。
ジェイミーには実は妻がいて、彼女はレオナルド・ディカプリオの悪徳大地主の女中になっていた。
映画の後半は、その拉致されている妻の血しぶきの飛び交う、壮絶な奪還ドラマとなる。
このシーンのドラマティックな食事の論争と、意外な展開は見もので、かなりテンションが上がる。
その決着で、映画が終わると思ったら、それからまた奴隷ジェイミーの苦戦が続く。
これが長くて、映画は二本分の大サービス。
まさに、マカロニ2杯分の長尺は、たしかに面白いが、正直、食傷気味だった。
気持ちは判るけど、クエンティン、サービス過剰だよ。

■大きなホームラン級の当たりが高く上がりすぎて、フェンス上部に当たりスリーベース。
●3月1日より、全国ロードショー