本題に入る前に、
『嬉しい!』『おめでとう!』『ありがとう!』
仙台育英の優勝にウルウルしております。ここまで、長かったあ!よくやった!
以上、前書き終わり。
今年になって4回目の梅雨(マタギの実感)が去って、また夏空が戻ってくるらしい。山仲間のA氏と連絡を取ったところ、キノコ山に入るのは、3日後辺りが丁度よいのではないかという話になった。ようやくトビタケに出逢えるのか出逢えないのか、ワクワクするのだが、その前に・・・、明日も休みなんだよね。
出掛けなきゃ!
このところ、諸行事と降雨とがマタギの休日と重なって、遊びに出かけられずにいた分、山の空気を吸いたくなっているんですよ。身体もなまってきた感じがするし。
色々考えた結果、秋の山菜でお世話になる月山方面の散策に出掛けることに決めた。
季節の進み具合をこの目で見ておきたいし、あわよくば何か収穫物をという下心もある。したがって、藪に潜り込んだり山菜を採取したりするための最低限の装備も準備しておきましょう。
そして翌朝、例によって日の出時刻に合わせて出発。目的地に車を駐めてドアを開けると、ひんやりした空気。これは、『涼しい』を通り越して『寒い』に近いかも。もちろん、アブなんか1匹もいません。これは気持ちの良い散歩が出来そうですね。
夜が明けようとしている空の東雲
まだ、周りは暗いんだけど、つい先ほどまで降っていた雨のせいか、空気が非常に澄んでいるのが分かる。
雨雲が去った後に広がろうとしている青空、そして雲は、完全に秋の気配だ。
見上げると山葡萄
結構、良く実っている。これが色づくのは1ヶ月後ぐらいかな。
もうすぐ花盛りです
何の花かというと、春にお世話になるタラノキです。続いては、
綺麗じゃないの!
オオハンゴンソウです。環境省からは『特定外来なんちゃら』として目をつけられていますが、これも、現時点では月山の生態系の一部です。敵視する気にはなれません。
足元に視線を落とし、見つめてみましょう。
テングタケ科かな?
こちらは、全く分かりません
キノコも、少しずつ時期をずらして顔を出すようですね。キノコ達も、季節の進みを教えてくれようとしているのかもしれない。
歩いているうちに、パッと目の前が明るくなった。
太陽光のスポットライト
太陽が稜線を越えて昇ってきたということだ。光源の方に目をやると、
ブナ林を光が照らす
今まで暗くて見えなかったブナの木肌がはっきりと見え始めた。
はい、もう満足です。良い風と良い光とに浸ることができて何も言うことはありません。
自然の神々に感謝を告げて山を下りる(ここで完結すれば良いのに)。
さて、帰宅してみると、キノコが1個。
マタギについてきたのかな?
「君は何者だい?」
「・・・」
答えてくれない。
困ってしまったマタギのおまわりさんは、調べ始めました。
迷子の迷子のキノコちゃん、あなたの名前は???
傘の内側(ヒダ)を見ると『イグチ科』ですね
今度は、図鑑を引っ張り出して調べまくったんですけど、どうもはっきりしません。
ただ、この手のキノコで毒性のある『ドクヤマドリ』でないことは間違いありません。
だったら、食ってやれ!ちょっとぐらいなら死なないはずだ。
洗って、調理を始めたところで気付いた。
切り口が赤くなった!
奥が「切ったばかり」、手前が「数分後」
ちょっと不気味だけど、これって特徴的だよね。再度、調べ直してみたけど、結局分かりません。
はっきり言えることは、人々に知られている『毒キノコ』でも『食キノコ』でもないということ。
多分、大昔、飢饉になって、飢えた人々が、こういうキノコを食べてみたんだよね。そして、ラッキーなことに美味しい思いをしたり、苦しい思いをしたりして、今の判断基準が出来上がったんだと思うんですよ。
さて、そこにマタギも仲間入りするか?
・・・やっぱり、止めておきましょう。今は、飢饉じゃない。ただの『欲』のために命をかけるのはアホらしい。
せっかくついてきてくれたキノコちゃんだけど、いつか、機会があったらね。
バイバイ
秋の訪れとともに、山の楽しみも広がってきますね。同時にマタギの欲も広がってきます。
ほどほどにね。
『欲』に流されて足を踏み外さないように、季節を楽しみたいと思います。