山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

ときがきた(さんぽうた17)

2020年08月20日 | いきもの

  ときがきた  いね みずほ

ひがさしてきた
なんだか 
ちからがわいてきた

のびろ ぼく
のびろ もっとたかく

いままで ためてきた ちからが
あふれだす

そうして
ぼくの ぶんしんが
たびだった

うまく たどりつけよ
ぼくの ぶんしん


かわりに
わたしのなかに
あたらしい いのちが うまれ
しずかに そだちはじめた

そう わたしは
うまれかわったのだ
おかあさんに

じょうぶにそだってね
わたしのこどもたち

いのちはふしぎ



当地では、梅雨が明けて暫くすると稲穂が顔を出し始める。

よくみると穂から更に顔を出しているものたち。

稲の開花だ。

 花を咲かせたイネを見ているうちに、いろんな事を考えてしまった。
 顔を出すのは、おしべだけで、時が来ると花粉を飛ばすらしい。虫が運ぶ「虫媒花」ではなく、「風媒花」だという。しかも、花粉を受け入れるのは午前中の僅かな時間だけとか。
 それなのに、あれだけたわわに実ることを考えると、花粉が周辺の雌しべに確実に受粉してるんでしょうね。これは、花粉の放出と受け入れが、とてもよいタイミングで行われていることの証し。もしかしたら、広い田んぼにコンダクターみたいな人がいて、「せーの!」なんて合図をしてるのかな。真実はどうなのか分からないけれど、自然界の仕組みに敬意を表します。
 そして、もう一つ考えたのが「みずほ君(さん?)」のうたのこと。
 『雌雄同体』。動物の世界では、比較的少数派だと思うんですけど、植物の世界では、こっちの方が多数派ですよね。イネも、他の花たちも、花粉を飛ばすとお母さんになるんですね(『雌雄同株』というらしい)。当たり前なんだけど、不思議な感じがします。
 生き物の世界は、不思議だらけです。
 これから何ヶ月か、栄養をしっかり蓄えて、美味しいお米を実らせることを祈っています。
 みんなを幸せにして下さい。