阪神ファンは小心者が多い。これは特に関西人が気が小さいからではない。私がタイガースを応援し始めて60年近くなるが、裏切られた記憶はあるが、安心して応援できたためしはない。私が気にしているのは『阪神は優勝の翌年はスタートで躓く』ということである。しかし、新聞各社の順位予想では阪神が優勝の声が高い、こんな年が一番怖いのである。
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今から38年前、1986年。前年は2リーグ制になって初めて日本一になった1985年の翌年、当時の阪神タイガースは投手力というより、打撃力が売りのチームであった。
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前年日本一を受けて満を持してのシーズンであったが、①センバツがあるため、アウェイ開催、川崎球場で大洋(現、DeNA)と対戦、しかし3連敗してしまう。②主力の掛布が4月20日に死球で右手首を骨折、前半戦を棒に振る、③前年にストッパーの一角を占めた中西と先発の柱ゲイルの不調、そのうち野手も含めて故障者続出で4月は4位、その後も3位より浮上することもなく、勝率.500(60勝60敗)でシーズンを終えた。
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特に気になるのが開幕4連敗、加えて補強を柏原(日本ハム)くらいしか行わなかったツケが回ったと他球団からは見られた。続く1987年は4月から最下位を独走?、終わってみれば41勝83敗、勝率.331、首位とのゲーム差が37.5ゲームと散々なシーズンとなり、吉田監督はクビとなってしまったのである。この先もダメ虎時代が続いたのはご存知のとおり。
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もう一つ気にしているのが、2022年シーズン(矢野監督ラストイヤー)である。この時はオープン戦は好調で8勝4敗3分であったが、開幕投手青柳がコロナに罹患、藤浪がヤクルト戦に先発。7回3失点で纏めるが、中継ぎが崩れる。
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さらに来日したばかりのケラーを投げさせたがHR2本を打たれるなど、7点差を逆転され、10対8で敗れた。
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この敗戦は後を引き、開幕9連敗、さらに西で1つ勝つが、その後再び5連敗と散々なスタート。3、4月は9勝20敗とまさに出鼻をくじかれた。終わってみれば3位、しかし、クライマックスシリーズは横浜が相手だったが、1stシーズンを勝ち越した。思い返せばそれほど酷いシーズンでもなかったが、矢野監督は退任に追い込まれた。
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何がいいいたいのか、まずはスタートダッシュの重要性、特に2022年シーズンはスアレスが抜けた穴が埋めきれないだけでなく、実績のない若手の中継ぎばかりの一軍スタートであったため、歯止めが掛からなかった。
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1986年シーズンで5番打者だった岡田監督は2005年優勝後に連覇を逃した2006年は監督として悔しい思いをしているので、当時の失敗を忘れてはいないだろうが。
ただ、今年も補強は外国人を行なった程度(トレードで入団したのは現役ドラフトの漆原投手のみ)、さらに主力打者の大山、近本がまだ故障が癒えていない中でどのように阿部巨人と戦うのか。阿部監督も去年の反省の上でコツコツ点を取ってくるのではないか。気になるところである。
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私にとってははっきり言って『ワクワク感』は僅かなもの、殆ど『はらはら感』の球春到来である。