ベートーヴェンの交響曲第6番「田園」といえば、ワルターやカールベームの東京ライブ、クリュイタンス等の指揮のレコードが素晴らしいが、今日、Lovro von Matacicのローザンヌ室内管弦楽団のCDを聞き、また秀逸な演奏を発見したと感じた。
とはいうものの、これまでも何回か聞いており、しかし、それほど・・・という感じ方であったのだが、根本的に変わってしまった。
小規模編成のオーケストラだから、豪華・華麗な演奏とはいえない。しかし、素朴で朴訥としていながら、弦の音はこよなく美しく、まさに彼が自然のなかで癒され、大いなる存在に深い感謝を抱いて在ることがストレートに響いてくるのである。これこそが、作曲家の想いそのものではないか。
この交響曲に華麗さはまったく必要のないものだ。吉田秀和がある指揮者の演奏について、ドイツのアウトバーンを高速で走る車の中からみた風景・・・と評したそうだが、そのような演奏は必要ないのではないか。
ドイツといえば、カラヤンとかベームが有名であるが、レコード会社の宣伝にうまく乗せられているきらいがある。クルト・ザンデルリングのような素晴らしい演奏がもっと注目されてもいいのではないかと思う。
彼の「田園」も素晴らしいのである。
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