湯めぐり四方山話 & 和の音

湯めぐりは 人・風物との出会い

喜美の湯(草津)

2019-04-07 | 群馬の温泉

見つけにくい湯は極上生活湯 「喜美の湯」

草津の中央通りのスーパー「はりや」の向かいの路地を入ると右手に「千歳の湯」が見える。

「喜美の湯」は、そこから更に二分ほど路地を歩き、空き地の奥を曲がると急に目の前に現れる。辺りは静かな住宅街で、路地から少し奥まった場所にあるために見つけにくい。

入り口の屋根大きな線を描き風格があるが、建物全体は可愛らしかった。 

中に入ると脱衣所までは縦に細長い造りだった。脱衣所と浴室の間の戸は防犯対策のためかガラス窓だった。自分の荷物や脱衣所の出入りを見ながら入浴ができる

浴槽は、長方形のタイル浴槽で、縁には天然木があしらっている。

源泉は一旦湯溜めに注がれて、その溢れ出しが湯船に投入される仕組みになっていた。無色透明の湯は四十二くらいだった。高温の湯が多い草津温泉の中では入りやすい湯だと思う。硫黄臭たっぷりの源泉が湯船からオーバーフローしていて快感だ。

外観、浴室ともに木造の雰囲気がある施設で、高い天井から湯気が屋外へどんどん排気されているのも心地よかった。

湯で一緒になった人は、旅行で来た草津の湯に惚れ込み、ついに十年前に草津に移り住んだ人だった。

彼女は「喜美の湯」のすぐ近くに家を得ていたが、移り住んで一年近くの間「喜美の湯」の存在に全く気がつかないで家から五分以内の『千歳の湯」に通っていたという。ある時「千歳の湯」で地元の人に「喜美の湯のほうがあんたの家から近いのに、わざわざ少し遠いこの湯に来るんだね」と言われ、驚いて「喜美の湯」なるものを探したら、家の近くの路地から少し入った場所にあったという。

移り住んで一年もの間、全くその存在に気がつかなかったというウソのような本当の彼女の話。

家から歩いて行ける範囲に「喜美の湯」「千歳の湯」と無料の源泉掛け流し湯が二つもあるとは、

なんともうらやましいかぎりだ。

入浴後、施設内を見渡すと古い建物だがトイレもどこもきれいに掃除されていた。地域住民が、日々の生活湯として利用しているのだろう。外部からの入浴者は、是非とも感謝して入りたいものだ。

「喜美の湯」は草津の住宅街に完全に溶け込み、ひっそりと目立たなく佇んでいるのに、

一度その湯に入ると、これほどまでに満喫させてくれる。

これぞ!! 日本一自噴量が多い草津温泉の実力か!?

・・・・・・・2009年の訪問より・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

★「喜美の湯」(草津)共同湯・温泉データー★

(住所) 群馬県吾妻郡草津町文京区

 (tel)()草津温泉観光協会0279-88-0800  

 (入浴時間) 通年  24時間

(休館日)   無休 

 (入浴料)  無料

(泉質) 酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉 

 (源泉の温度) 湯畑源泉が53.9℃、 

        喜美の湯の「湯船内での体感温度」は42-3℃

(駐車場)  喜美の湯の専用の駐車場は、ありません

      ★道の駅「草津」に車を置き、徒歩で街中を歩いて行って入る。(私はこれ)

      ★街中の町営の駐車場(有料)に停める (500円くらい要る)


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

菅野温泉(下諏訪)

2019-04-07 | 長野の温泉

御柱祭に沸く共同湯「菅野温泉」

七年に一度の大祭「御柱祭」で、下諏訪の街中が沸き立っていた2010年に、街の共同湯「菅野温泉」に入ってきた。

諏訪大社下社秋宮の前の通りを下って少し行ったところに、表に小さな掲示で「菅野温泉」とあった。

見落としそうだが、そこから横に入ると暗く狭いトンネル通路があり、その中に菅野温泉はある。

ガラス戸をひいて中に入ると木製の古い下駄箱や番台がある。

休憩室には座り椅子付きのお釜形ドライヤーもあり、大正か昭和の初期にタイムスリップした風情だ。


しかし意外にも、内部はとても明るい。

また、脱衣所、休憩室、浴室の洗い場などが、すべてゆったりと広い。

当然のことながら浴室の真ん中の惰円浴槽は源泉掛け流しだった。

「なんという贅沢!外観よりも中味が驚くほどいい」共同湯だ。

私が入ったのは、四月中旬の平日、午前十時から十一時頃。

入浴客は、脱衣所に二~三人、浴室には五人ほどいた。昼間にしては人が多く、皆が驚くほど朗らかによくしゃべっていた。元気な地元の人々の会話を聞きながら浴室に入った。

浴室は広く洗い場も一つずつが離れているので、人を気にしないで洗えてうれしい。やっと楕円形の浴槽に入ると四十二.五度くらいでやや熱めだが、湯めぐりをするうちに熱めの湯に慣れたのか、こんなのはほどいい湯加減に思えた。

泉質はしっとりスベスベで何より掛け流しなのが快適だった。

思わず、浴槽で隣に座っている人に「近くの方ですか?こんないい湯に毎日入れていいですね」と声を掛けたところ

「あんたは、どこから来たのか?」「下諏訪の御柱祭を知っているか?今年見たか?」と大勢から矢継ぎ早に、御柱の話ばかり聞かされる羽目になった。

ここ下諏訪では、四月九日~十一日の三日間「御柱祭の山出し(木落とし)」があり、たくさん客人が家に泊まりに来て、女性達は夜も昼もなく三日間ぶっ続けに、おもてなし料理を作ったという。

一大イベントも無事に終わり、次の五月連休明けの「里曳き」までの間、女性たちは一息して元気を吹き返すらしい。

それで、この時期、街の女湯は、平日の昼間から活気があり、解放感いっぱいなのだ。

一方、男湯はその逆の現象のようだ。入湯客が五~六人いたが、全員何かうつろな目をしており一言も話さない。魂の抜け殻のように、誰もがボーッと浴槽に浸かっているだけで薄気味悪かったという。

夫いわく「七年に一度の山曳きが終わり、下諏訪の男達は生きる目標を失しなったか?」

・・・・・・・2010年4月の訪問より・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ★菅野温泉 (下諏訪温泉の共同湯) 温泉データー★

  住所) 長野県諏訪郡下諏訪町3239-2

 TEL:0266-27-6095

 (入浴時間)5:00-21:30(冬は5:30から)

 (休館日)  年中無休 

  (入浴料)  大人220円  子供110円  

 (泉質) ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉、  

(源泉の温度)   源泉の温度58.5

              成分総計1492mg。2つの源泉を引いている。

             (旦過第1源湯60L、旦過第2源湯380L     

 (交通アクセス)

    ・長野自動車道の岡谷ICを降りて、国道20号線を下諏訪町方向へ。      

    ・国道142号線との分岐「大社通り交差点」のすぐ近く。

    ・第3区事務所の脇の狭い通路を入る。

  (駐車場)

     裏手に市営駐車場が近い。

     駐車券に番台でスタンプをもらうと無料。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

2010年以後、長らく行っていない下諏訪。また一度訪れたいもの。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

滝の湯(野沢)

2019-04-07 | 長野の温泉

緑色の湯に 黒と白の湯の花が浮く「滝の湯」

野沢温泉の台所とも言われる湯畑「麻釜(おがま)」を過ぎ、さらに坂道を登ると山際の静かな場所(温泉街の外れで長い坂道の行き止まり部分)に、木造りの湯屋「滝の湯」はこじんまりとある。

見つけた時は、かなり感激した。

建物の中に入ると、脱衣所と浴室はワンルームで、下駄箱や更衣棚が浴槽から見える造りだった。

まず、目を惹くのは、浴槽から溢れているエメラルド色のお湯だ。今まで見たこともないほど美しく透き通った緑色。

感激してしまい、着替えもせずにデジカメを取り出して無人の浴室で、浴槽写真を様々な角度から何枚も撮影した。

撮影しながら気がついたが、浴室や浴槽のタイルはレトロな雰囲気を出しており、初めて来た風呂なのに、どこか懐かしかった。

撮影も一段落し、やっと一息ついて、いよいよ入浴タイムだ。

ゆっくりと湯に浸かってみたら、黒と白の二種類の湯の花がフワフワと浮いている。緑色の湯だけでも感動なのに、二種類の湯の花までも浮いてくる。この贅沢な湯体験にはワクワクした。

もちろん、ここも他の野沢の共同湯のように熱めの湯なので、湯船に水道水を出しながらの入浴になった。水を勢いよく湯船に出すと、浴槽の下の湯が還流して、湯船の底から黒と白の湯の花が大量に浴槽の中に漂ってくる。

貸切源泉風呂エメラルド・ブルーの湯に黒と白の湯の花がクルクルと浮く夢のような入浴になった。

一人風呂を充分満喫した私は、外の柿の木の下で風に吹かれ体を冷ましていた。

しばらくすると、これまた満足そうな顔で上がってきた夫の第一声

「入り口の着替えコーナーの床がオンドルになっていたなあ~」。

「エッ~」全然気がつかなかった私は、慌てて、無人の女湯にもう一度入り、すぐに着替えコーナーの床板をチェックした。

確かに、素足で立つと足元がポカポカと温かい。

まちがいなく床暖房(オンドル)になっていた。

入浴中はずっと緑色の湯に気をとられており、入り口の床暖房には全く気がつかなった。

あらためて、野沢温泉街の最もはずれた場所にある「滝の湯」は、清潔で設備も揃った共同湯だと思った。

私的には、人には教えたくない極上の外湯だ。

・・・・2010年の訪問より・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

★「滝の湯」(野沢温泉) 共同浴場・温泉データー★      

住所) 長野県下高井郡野沢温泉村

(tel)滝の湯には「ない」

     ・問い合わせは 0269-85-3155(野沢温泉観光協会)

 (入浴時間) 5時~23時(4月~10月)

       6時~23時(11月~3月)

 (休館日)  なし  

 (入浴料)  無料(寸志)

(泉質) 単純硫黄泉

(駐車場) 有料駐車場を利用する

   ちょっと離れているが、夏場無料のスキー用駐車場を利用するとよい

      麻釜から徒歩で5

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする