土地所有権移転 和歌山市敗訴。

2014-03-28 22:44:25 | 日記

 本日、平成23年9月議会で上程されていた議案第13号、「土地賃貸借契約締結等請求調停事件の和解について」

 中筋日延公園の土地を巡り、和歌山市と所有者の男性が所有権を争っていた裁判で、和歌山市敗訴の判決が和歌山地裁で出たようです。

 議会としての意思は和解案に反対でしたが、当時、私は、議案が付託されていた、経済文教委員会委員として和解案に賛成、本会議でもたった一人、賛成しました。議員38名中、議長を除く37名の採決で、36対1の採決となり、自分なりに信念を貫いた政治判断でした。

 この公園は、平成23年8月、民事調停により530万円余りで土地を買い取ることで和解することにしていましたが、平成23年9月の定例和歌山市議会では、相手方と和解すべき論拠はないとして、買い取り議案を否決しました。和歌山地裁の裁判官は、男性の所有権を認めた上で、「理由がない」などとして和歌山市の請求を退け、和歌山市に対し所有者の男性への土地の明け渡しと、平成23年10月から明け渡しが終わるまでの月1万6600円余りの支払いを命じる判決を言い渡したとのことです。

 以下、私が発言した本会議場での、36対1、たった一人の討論の議事録です。

 『議長のお許しをいただきましたので、今議会上程されました議案第13号、「土地賃貸借契約締結等請求調停事件の和解について」賛成の立場から討論をいたします。 その前に、民主クラブ会派としての賛成討論ではなく、永野裕久一議員として、自由な立場からの賛成討論であるということを、冒頭申し上げておきます。賛成の理由としまして、まず、現登記名義人が背信的悪意者であることの立証が困難であり、裁判が長期化する可能性が高く、そうなりますと住民に迷惑と不安を与える可能性があること。また、仮に敗訴した場合の、費やした時間と費用対効果、また市側が元の所有者に損害賠償請求で民事裁判の提訴を検討していること、そもそもこの問題の発端の根底は、基本的に市側の不作為によって起こされた問題であり、公園を利用する住民側に責任がないということなど、以上の理由を総合的に考慮し、賛成すべきと考え賛成討論といたします。』以上。

 この事件には後におまけがつきました。それは、私に対するネットによる誹謗中傷でありました。永野は一人だけ和解案に賛成するのは、あほだとか金を貰っているだのといった内容でした。私が民主主義の根幹に関わることであると、被疑者不詳で刑事告訴、捜査の結果、そのうち、金をもらっている等と書き込んだ被疑者が現職市議であると判明し、私に対して誹謗中傷をした市議が書類送検され、被疑者と裁判所が誹謗中傷内容の事実無根を認め、ネットの書き込みを行った現職市議が略式命令による罰金刑を受けることになったのですが、それはさておき、司法が判断したように、私は、もちろん、金をもらっていた訳でもなく、市民の利益を考え、今回の判決の様に、裁判で敗訴する可能性が極めて高いなどの総合的な判断で、たった一人信念を貫いたということだったのです。 

和歌山市が敗訴したこと、また、一方で、改めて自分の政治判断が間違っていなかったと思えることができたこと、今日は本当に複雑な気分です。