ルネッサンス期、スペイン・バレンシア地方の田舎貴族にすぎなかったボルジア家、あらゆる策を講じ、ついに、ローマ法王を輩出するまでになりました。ボルジア家が政敵を暗殺する方法として、招宴での毒殺がよく用いられたために、毒薬の研究が進んだと言われております。これを世に「ボルジア家の毒殺 」といいます。横浜大口病院の毒物混入殺人事件。いけないことですが、この手の事件を聞くと、( 病院勤務、病院の体制に不満のある看護師、ないし医師など内部関係者の犯行では~)と、あらかじめストーリーが構築されてしまいます。ネットニュースでは「 内部関係者の仕業であろうが、複雑に絡みある人間関係が邪魔をして、事件解決まで一筋縄ではいかないだろう 」と報じております。 人間関係もへったくれも、一筋縄でいくもいかないも、点滴の中に界面活性剤を混入した特定の人物がいて、お亡くなりになられた方がいることは厳然たる事実なのです。事件はそこだけなのです。まさか、アガサクリスティーの「オリエント急行殺人事件 」のように病院で働く大多数の人間が関与しているわけではないでしょうから。