食の旅人

~ 食べることは生きること、生きることは旅すること、そうだ食べることは旅すること~
  野村洋文

天文学者

2015-05-17 19:45:30 | 日記
 暑い。真冬から真夏に様変わりしたようだ。少しでも動くとうっすらと汗がにじむ。(これは太りすぎが原因だな~)それにしても、春はあったのだろうか?昨晩のテレビ東京「美の巨人たち」はフェルメールの「天文学者」が題材。現在、六本木の国立新美術館で展示されている。ルーブル美術館展の一助としてのご来日。ただ、フェルメール珠玉の作品の中では、人気があるほうではないらしい。三十数点の絵画の中で、男性一人を描いたのはこの天文学者と、地理学者の二点だけ。モデルとなった男性は同一人物。彼が誰なのかは未だ謎のまま。落ち着いていて品のよさを感じさせる画面には、何か物語がかくされているようで、ずっと眺め入ってしまう。音がない、光だけの世界。抑揚をもたずに主人公が静かに何かを主張している。ルーブル美術館にあるフェルメール作品は、「レースを編む女」とこの「天文学者」の二点。前者の前は常に黒山の人だかりなのに比べて、後者では人が寄っているのをほとんど見たことがないそうだ。実際、僕がルーブルを訪れた時も、両者の人気度比較は一目瞭然だった。肝心な番組内容に関しては、放映後10分ほどで漆黒の世界へと迷い込んでしまったので、記憶にない。ただ、大航海時代だった当時、船には必ず、天文学者と地理学者が随行していたという知識は幸い吸収できた。現在、夜の7時45分、悶々とした空気が室内を覆っている。眠い。フェルメールの画面をまさぐっている自分がいる。