ゴールデンウイーク中、生きてる間に一度は訪れたいと思っていた下北半島を巡り、素懐をとげることができた。本州のテッペンというよりも、最果ての地、という言い回しのほうが、より不確かに旅情をかきたててくれる。まさかりのようなその姿は日本地図に強いインパクトを与えているが、シモキタハントウ、の語調は、自我を希薄にさせるような脆弱な響きを有する(、、、と勝手に思っている、、?)。どこまでも続く色のない風景をはしる在来線(野辺地線)は期待を裏切らなかった。二両編成のジーゼル電車からは、松本清張、推理小説の息づかいが聴こえてくる。時間の廃墟の中を這っていくっていう感じ。 大間岬、尻屋岬では、サイハテという、柔らかな空気の肌触りを感じることができた。仏ヶ浦は予想外に狭かった。やはり、メインは恐山。山門に近づくにつれ、硫黄、特有の匂いが鼻をついてくる。頭の芯が何となくピリピリとする感じ。寺山修司の映画そのままの光景は、覚えたはずのない記憶を呼び起こしてくれた。先祖のどなたかが呼んでくれたのかもしれない。境内には、「 胎内くぐり 」など面白い石積み( おそらく、古来、母胎の子宮をイメージしたのだろう )もあったがすべて日本語での説明のみ。英訳をつけておけば、外人さん達にも喜ばれるのに、、、、、地方文化を国外にアピールする格好の題材ですよ、まさしくあれは。。。。。下北半島、、、旅の中に旅を見つける、、、、、時間に管理されない、そんな素敵な旅だった。