食の旅人

~ 食べることは生きること、生きることは旅すること、そうだ食べることは旅すること~
  野村洋文

チャイナタウン

2009-07-31 09:51:02 | 日記
 南京町。中華街。と呼んだほうがほっとした気持ちになれる。


 ラーメン。中華丼。長崎ちゃんぽん。発祥は日本のチャイナタウンから。


 横浜。神戸。長崎。いずれも訪れたことがある。


 
 心に深く残ったのは、長崎新地の中華街。   青線街を思わせる、しっ気のあるこじんまりした景観は、チャイナタウンのイメージとは程遠い。

 しかし、400年の時間が静かに降り積もっている街観は、僕らを、遠い記憶の奥底にやさしくすべり込ませてくれる。。。。。


 
 海外でチャイナタウンというと、治安が悪く、毎次惨劇の舞台になるような負のイメージが強い。   以前はそうであったのであろうが、やはり、小説や映画の影響が多分にしてあると感じる。



 「チャイナタウン」という映画がある。1930年代、退廃ムード漂うロスが舞台。


 「えっ。どこが面白いの?」と退屈に思われるだろうが、我慢して観ること 90分、 「あっ、」と感じ、さらに 20分後 「あっ、あっ、」と驚嘆されることは間違いない。


 オバマ大統領が、好きな映画の1つに挙げている。  現在、アメリカにとって最大の国債顧客、中国へのリップサービスと思いきや、劇中、あからさまな中国人差別描写がある。  裏の詮索はしなくてよさそうだ。   

 国際政治は、うらのうらの、うらで行うものであるが。。。。。



 
 30数年前、家族4人で横浜中華街に赴いた時のことを、ふと思い出した。

三越

2009-07-30 07:48:57 | 日記
 先般「三越の女帝」と称された竹久みち氏が逝去された。


 当時、僕は中学生、あの騒動が男と女の仲に端を発していることはわかっていた




 三越      日本デパート界の大御所



         三井グループのルーツ



         慶応派閥




 シェーンブルグ宮殿を彷彿とさせる日本橋本店の外観は、その歴史が贅沢な時間の累積によるものであることを感じさせる。



 高島屋が、「デパ地下戦略」等、時代を先取りする経営に奮闘しているのに対し、三越は、「あるのは歴史だけ。買うものはない」 「いずれ、本店は博物館になるのでは、、、、、」 などと揶揄されている。



 ティファニー株の売却や、大阪進出などの大胆な改革が功を奏すか?


 王権の復古に期待したい。。。。。




 さて、老舗デパートで、無断に従業員が持ち出すと、その場でクビになるというモノがあるのをご存じだろうか?





                           包装紙だ。。。。。

そうめん

2009-07-29 07:50:59 | 日記
 来日した外国人が、その存在を知り、仰天し大喜びする食べ物がある。




 流しそうめん。。。。。



 竹筒をつたい、泳いでくるそうめんを、悪戯っ子のようにはしゃぎ、箸でひろう


 興に乗せるため、そうめんに色をつけたりと心憎い演出をしている。



 かつて、そうめんは西日本圏、ひや麦は東日本内という明確な食地図ができていた。



 その名残なのか、東京のそば屋でよく観察すると、「ひや麦始めました」の張り紙は多分にしてみることができるが、「そうめん始めました」は希少だ。



 
 僕は、歴然としたそうめん派だ。


 細くもなく、太くもないひや麦の、躍動感のなさが苦手である。


 TSUTAYAで、3泊4日レンタルコースを選択するような中途半端な心地になる。



 現在、JAS規格で、そうめん、ひや麦、うどんを麺の太さにより明確に区別している。


  直径 1.3mm 未満           =         そうめん


  直径 1.3mm 以上 1.7mm 未満     =         ひや麦


   それ以上              =        うどん




 ざるの中で、氷とこぜり合いしているそうめんを、ひょいっとつかみ、つるつるっと食道に流し込みたくなった。 

イラン

2009-07-28 07:57:29 | 日記
 アメリカと仲が悪い国。

 イラクとも仲が悪い国。


 アメリカに敵の敵は味方、敵の味方は敵、の構造で対処されてきた国。


 他のアラブ諸国が自分達をアラブ人と呼ぶのに、唯一、プライドが高い為ペルシア人と公言している国。


 いささかな罪でも、死刑にされてしまうイメージの国。


 ダルビッシュ有のお父さんの母国。



 一応、大統領は国民の民意で選出することにはなっているが、大統領の上に、神の代理人というイスラム教に最も詳しい年寄りの集まりが存在している。


 この方々が、Noと言ったら大統領にはなれない。


 イラン大統領選挙のゴタゴタは、この図式に因由する。


 神の代理人のトップ、有名どころでは故ホメイニ師。現在はハメネイ師。


 いずれの社会でも、トップの上に事実上のトップが君臨しているとは、よく聞く話。



 ロシア料理で有名なピロシキ(惣菜パン)や、ボルシチ(煮込みスープ)。イラン料理と称しても、とがめ立てを受けない程に、好んで食されている。



   しかし、イランの女性は美人ぞろいだ。。。。。。

東京ラーメン

2009-07-27 08:18:47 | 日記
 東京初のラーメン店「来々軒」が、浅草にうぶ声をあげてから、来年が、ちょうど100年目にあたる。


 鶏がら、野菜を煮込んだ、すっきりした透明な醤油スープ。その中を泳ぐ、細く縮れた麺と、ややかみしめ感のあるチャーシュー、メンマ、きざみネギ。
 東京ラーメンと呼ばれるアンサンブルのスタンダード。。。。。



 モガ・モボが闊歩していた頃から静かに銀座をみつめて80年       萬福


 戦後、駅前の闇市。多くの屋台のひしめき合いから生まれた      春木屋


 駅からのびる高架下、雑然とした雰囲気にこしかけるように佇む   
                                谷ラーメン



 青春の光と影に包まれた学生街のラーメン屋              伊峡


 住宅の間の細く入りくんだ路地裏。素通ってしまう風景のなか。
 ちょこんとたたずむ                         光江



 ラーメンが、グルメ界で市民権を得、洗練され、芸術へと昇華されてきた昨今。
時に立ち帰りたい東京ラーメンの老舗がある。

 やす・きよ漫才がいつの時代に見ても、ふきだすことのできる原色の光のように、それら名店は、ラーメンレシピという合理性を超えた処で、謙虚に輝いている



 今、どんな時代を生きているのだろうか。 ふと、自分の爪立つ中心位を見失うことがある。   そんな時、東京ラーメンの老舗に赴いてみよう。

 静かな息づかいで迎えてくれる。