食の旅人

~ 食べることは生きること、生きることは旅すること、そうだ食べることは旅すること~
  野村洋文

小村寿太郎

2010-12-28 06:11:45 | 日記
 一頃、仙石官房長官が記者発表時に名前を挙げたことで有名になった「 小村寿太郎 」


 NHKドラマ、坂の上の雲では、竹中直人が演じている、、、、、、


 彼の生涯における最大の功績が、幕末にアメリカとの間に結ばれた、関税自主権のない不平等条約を、完全回復したことにあるのは、周知の事実。


 そして、仙石氏の発言のくだりである「 ポーツマス条約締結の日本全権代表 」としても有名である。


 圧倒的な国力の差をはね返し、日本はロシアに奇跡的に勝利する。( ドラマでは来年の12月放映 )


 実際は、最初からロシアに勝てるとは毛頭思っておらず、政府は開戦と同時期にアメリカのルーズベルト大統領に和平仲介を打診していた( 一週間前に述べた金子堅太郎を送って )。


 そして、日本海海戦で、連合艦隊がバルチック艦隊を壊滅させたのを機に、ルーズベルトの仲介により、ポーツマス条約を締結する。


 ところが、多額の賠償金を期待していた民衆は、条約の内容に対し大いに不満を持ち、日比谷焼き討ち事件を起こす。


 前門のトラ、後門の狼、の状況下でこの条約に調印した後、小村は滞在先のホテルで大泣きし、そして、帰国するにあたり殺されるのを覚悟したそうである。


 日比谷焼き討ち事件、、、、、世論が政府を動かす時代の到来を告げた事件のようにも捉えられるのだが。。。。。


 日本に戦争継続能力がなかったことを政府は公にしておらず、この勝利が極めてきわどいものであったことも国民には伏せられていたのである。


 思うに、、、、、、


 日露戦争の勝利は、我が国存亡の危機を救ったことと同時に、政府、軍が内包してしまった隠蔽体質により、その後の国の進路を歪んだ方向へと導いてしまう一要因になったような気がする。


 現在、、、、、


 止むことなくこんこんと流れ込むマスコミ情報に身をおく我々は、自分、他人、社会との正常な距離感覚が訝っている。


 


 

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2 コメント

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1月2日旅順陥落 (Opera)
2011-01-02 11:04:53
あけましておめでとうございます。
1月2日は旅順要塞陥落(1905)の日ですね。

NHKの坂の上の雲、僕も見ています。
NHKは一般的に反日的な姿勢ですが、この番組は比較的日本に好意的にできてますね。一部そうでもないところもありますが。


坂の上の雲は乃木将軍を愚将に描いていますがどうでしょうか。
その50年くらい前に行われたクリミア戦争のセヴァストポリ要塞戦は旅順要塞戦の約3倍の期間で、しかも約10倍の死傷者でした。
そのことを考慮すれば乃木将軍は超名将と言うことになります。

マスコミや小説家といった何も生産しない口舌の徒によって、本当に働いている人達は貶められてしまうものなのですね。
我が職業もそれら口舌の徒によって、だいぶ貶められているような気がします。

マスゴミなんかに負けるな!

ちなみに僕が坂の上の雲の中で一番なりたい人物は、明石元二郎です。


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Unknown (ライター)
2011-01-04 05:35:58
あけましておめでとうございます。

 ありがとうございます。


 坂の上の雲、の原作者である、司馬遼太郎氏の、「 東郷平八郎は良将、乃木は愚将 」という偏向的な思想が根本にあります。


 司馬氏にとって、「 多くの兵隊を殺した指揮官は無能、少ない犠牲で作戦を遂行した指揮官は有能 」、この考えは、他の著作、発言にも一貫して認められます。

 明治天皇の崩御の日、乃木将軍は夫妻で自刃してますね。 僕は、これで充分に責任を果たしたと考えてます。

 ちなみに、それをして夏目漱石は「 くだらないこと 」 と評してますが、 いくら天才とはいえ、それは違うんではないかと思います。


 「 歴史はすべて、現代史だ 」と言った学者がいましたが、、、、

 間違いなく、あの203高地の激戦がなければ、海軍の勝利もなく、しいては、今頃、我々は、とロシア共和国の一つとして、民族的差別を受けているでしょう。


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