食の旅人

~ 食べることは生きること、生きることは旅すること、そうだ食べることは旅すること~
  野村洋文

つけ蕎麦

2009-11-30 07:41:26 | 日記
 「ラーメンの麺を、スープにつけながら食べる、つけめん」、誰しもが御承知の食べ物。


 今、一部巷で流行っているのが  「つけ蕎麦」


 
 当たり前じゃないか。。。蕎麦をつゆにつけて食べる。ざる蕎麦やもり蕎麦のことではないか


 この名前を見て、普通の思考回路からはじき出される落差の無い答え。


 違うのである。


 麺はそばなのだが、この「つけ蕎麦」、つゆがラーメンのスープなのだ。


 鶏がら、野菜、煮干などのトリプルスープでこしらえるラーメンスープ。


  ラーメンスープに蕎麦を浸しながら食べる。


 ラーメンなのか蕎麦なのか、この自我が希薄になりそうな食べ物。提供しているお店は都内に 4,5 軒あるそうだ。



 是非、一度ご賞味くだされ。。。


  

イエメン

2009-11-26 08:07:57 | 日記
 拉致監禁された日本人会社員が、幸いにも釈放にいたったニュース報道で記憶に新しい、「イエメン」


 イエメンと聞いても、実際我々にはなじみが浅く、ピンとこない。


 
 イエメンもオマーンもサウジアラビアもイランも、こちら側からすると、中東の一大領域でくくられた、いかばかりか怖い地域だ。。。。。


 


 喫茶店での定番曲、、、ポールモリアの「シバの女王」。



 実際に、現在のイエメンに存在した女王である。


 
 シバの女王は、賢者としてその名を世にとどろかしていたエルサレム王、ソロモンのもとへ、知恵比べに向かう、、、、、旧約聖書


  有名な、シバの女王とソロモン王との知恵比べ。 


 悠久の昔に、人智の及ばぬ世界の一端が存在していたことを考えると、そのロマンの大きさに、ただただ絶句するのみである。


 
  イエメンは現在「モカ・コーヒー」でも有名。


 イエメンの港「モカ」 からコーヒーを船積していたことに由来する。


 またこの国は、シバの女王の時代から、ヨーロッパと東アジアを結ぶ東西の交易ルートの拠点として栄えてきた。



  イスラム原理主義、 アルカイダ、  先入観を払いのけると、そこには歴史に埋もれた古の都がたたずんでいる。

三島 (MISHIMA)

2009-11-25 07:31:39 | 日記
 39 年前の今日、三島由紀夫が、市ヶ谷自衛隊駐屯地で割腹自殺した。


 高名な作家の、前近代的な死に方は、世界各国に強い衝撃を与える。


 三島の死についての論文、著書はその質と量とに圧倒されるが、この稀有な天才作家を前にして、横一列の憶測、推論は脆くも崩れ去っている。。。。。


 三島文学の真骨頂は、いささかたりとも凡庸な言い回しを用いない、その比類なき美しい高貴な文体にある。 小説としての面白さ、正確さで比較するならば、太宰治の方が数段に上である、が、彼は永遠を感じさせるほどの豊富で絢爛たる語彙を駆使し、鬱屈した自意識の深淵に、読む者を落とし込んでしまう。


 
 多くの評論家は「金閣寺」を最高傑作とし、以後、思想的に右傾化する彼の著書、論評には、手厳しい評価を下しているが、僕の管見もこれに追従するものである。


 自分も幾分年をとったせいであろう。  「金閣寺」、、、あの空虚で、重い、アイロニカルな青春文学を、今読み直すパワーはない。。。。。



 いずれにせよ、日本人として「作家」ではなく「文豪」と称し、世界中で戯曲上演され、翻訳出版されたのは三島が最初であり、今日に至っても MISHIMA のみである、と言い切っても過言ではない。 川端康成のノーベル文学賞受賞も、三島の存在なしにはありえなかった。


  石原慎太郎、 猪瀬直樹、 浅田次郎、 立松和平、 篠沢秀夫 (クイズダービーで有名な黒ぶち眼鏡のフランス語教授)、、、、著名作家、文化人が発起人となり、今日、39 回目の「憂国忌」がしめやかに催されるはずである。


 
 
  しかし、自分の中で三島の作品中に「観念的な日本」をみいだすことはない。


 川端康成や谷崎潤一郎の文学に、より強く「ナショナリティックス」を感じる



 






大勝軒

2009-11-24 08:57:24 | 日記
   山岸一雄



  ラーメン界の神様。 東池袋大勝軒の初代店長。


 ラーメンの鬼「佐野氏」が、唯一、畏敬の念を持って接している人物。



   大勝軒



 山岸氏の名前が一人歩きしているためか、大勝軒は、彼が創ったと勘違いされてる方が、結構いらっしゃる。


 東京ラーメンの草分け的存在である丸長グループで修業を終えた山岸氏は、そこから、のれん分けを許され、東池袋の地に「大勝軒」をかまえた。

  昭和三十年代後半のことである。



 現在、大勝軒は3つのグループ分けからなる。


 1つ   東池袋の大勝軒


 2つ   永福町の大勝軒


 3つ   人形町の大勝軒


  都内に幾多ある「大勝軒」は源流をたどると、この3つのどれかに行きつく。



  { 東池袋大勝軒 }



 現在流行りのつけ麺は、「もりそば」の名で、山岸氏が考案した逸品だ。


  しかし、池袋都心開発の立ち退きにより、足を踏み入れると、ぎしぎしときしむ感のする「おんぼろラーメン屋」は跡形もなく消えてしまった。


  代わって現在、明治通り沿い、サンシャインの下、ガラス張りで小奇麗にリニューアルした「大勝軒」が、新店長の手で50年間変わらぬ味を提供している。


 店に赴くと、隅にちょこんと佇んでいる山岸氏がサインや記念撮影に快く応じてくれるそうである。


 思うに、できることなら山岸氏は最後の最後まで現役でいらして欲しかった。 竹ざるを握りしめたまま、厨房で討ち死にするような、生粋のラーメン職人でいて欲しかった。



  さて、、、

 極東軍事裁判の舞台である巣鴨プリズン跡地で、今、自分がラーメンをすすっていることを関知している客は、おそらく皆無であろう


  





  



  

欲望という名の列車

2009-11-23 07:51:40 | 日記
〔欲望という名の列車〕

 
 テネシー・ウイリアムス作、不朽の名戯曲。



 ひとたび走りだした欲望は後戻りすることはない、、、とでも言いたげな題。




 実は、ニューオリンズに実在した「欲望通り」を走っていた列車、を意味する。


 
 ニューオリンズ、、、、、


 ジャズ発祥の地としてはあまりにも有名。 


 日差しがやわらかくなって、夕方の気配が感じられ始める頃、街全体が沈黙を破り、そして静かに揺らぎ始める。


  やがてジャズ一色に変容したニューオリンズは、旅行客の驚き顔にはにかみながら、愉快そうにジャズを奏で続ける。。。。。


  フレンチクオーターと呼ばれる地区は、フランス統治下の余臭が今もなお漂っている。現在ではストリップ劇場通り、として有名。。。。。

  また日本人男性観光客が突出して多いことでも有名、、、笑



 ニューオリンズを含む、アメリカ南部で有名な料理  


  「ガンボ」


 この、クレオール料理( フランス、スペイン、アフリカ文化の混合された料理)の呼称で親しまれている、シチューのような、カレーのような食べ物。


 のめり込むと、一日三食「ガンボ」献立になってしまうほどの代物らしい。


 



  昔、ニューオリンズで食した cat fish (なまず)の美味が、サックスフォンの音色に合わせて、ふっと蘇ってきた。