WATERCOLORS ~非哲学的断章~

ジャズ・ロック・時評・追憶

ウィチタ・フォールズ

2010年04月11日 | 今日の一枚(K-L)

●今日の一枚 253●

Pat Metheny & Lyle Mays

As Falls Wichita , So Falls Wichita Falls

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  寝不足である。昨日の深夜放送のJBL(バスケットボール)ファイナル第1戦・リンク栃木vsアイシンのゲームを見てしまったからだ。いいゲームだった。試合は終始アイシンのリードで進んだが、第4ピリオド、リンク栃木が田臥勇太を中心とした驚異的なオフェンスとゾーンディフェンス(解説では2-3ゾーンといっていたが、1-1-3のマッチアップゾーンだろう)で挑み、安定した実力をもつ王者アイシンを混乱させていった。アイシンという冷静なチームが少しずつかき乱されていく過程がありありとわかり、バスケットボールというスポーツの精神性という側面が顕在化したゲームだった。88-77でリンク栃木先勝。これでファイナルは面白くなった。もともと安定した実力を持つアイシンである。このまま終わることはなかろう。私はもともと、『ファイブ』のモデルともなったアイシンの創立以来のファンだが、今回ばかりはリンク栃木を応援している。JBLのHPによると、第2戦も80-72でリンク栃木が勝ったようだ。録画放送は今日の深夜である(sky A +)。明日は仕事だ。今夜はどうしようか。

 午前中、眠さをこらえながら、ヘッドコーチを務める高校女子バスケットボール部の練習に付き合い、午後、楽天イーグルス対オリックスのゲームをテレビ観戦しているうちに眠ってしまった。目を覚ますと4時をまわっていた。どうやらイーグルスも勝利したようだ。戸外は陽気もよく、穏やかな夕暮れに向かっている。遠くで子どもたちが遊ぶ声がする。そんな静かな夕暮れへとむかう時間の中でまどろんでいるうちに、パット・メセニーのこのアルバムを思い出した。

     *     *     *     *     *

 パット・メセニー & ライル・メイズの1980年録音作品いわゆる『ウィチタ・フォールズ』である。私の、ずっと以前からの、そうほとんど発表以来からの愛聴盤である。パット・メセニー・グループも含めて、ライル・メイズとパット・メセニーの共作には、いつも映像的なイメージを感じさせられるのだが、この作品はとくにそうだ。印象的なアルバムジャケットが示唆するモノトーンのイメージが想像力を掻き立て、頭の中では次々に映像的な世界が現出する。

 このアルバムが思い浮かんだのは、③ As Falls Wichita,So Falls Wichita Falls の終りにでてくる子どもたちの声のためだろうか。それとも、ビル・エヴァンスに捧げた ③ September Fifteenth の穏やかで哀しみを湛えた美しい調べが、夕暮れ時をイメージさせるからだろうか。あるいは、⑤ Estupenda Graca の美しいヴォイスが、終わりにむかう何かを暗示しているように感じるからだろうか。


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2 コメント

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ブログ復帰おめでとうございます。 (pororompa)
2010-04-11 18:10:07
ブログ復帰おめでとうございます。
遅ればせながら、今日気が付きました。

仕事の連続から少し余裕の出た休日の夕方、そう言えば平泉氏の「WATERCOLORS」はどうなっただろうかという思いが、ふと浮かんだのです。もう何度太田裕美を見たか分かりませんが。

また楽しみに読ませてもらいます。
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コメントありがとうございます。 (平泉澄)
2010-04-11 19:36:44
コメントありがとうございます。
しばらく、ブログからは離れていましたが、少しずつ更新していきたいと思っています。
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