●今日の一枚 260●
Grand Funk Railroad
On Time
押入れで他の探し物をしていて、たまたまあったカセットテープ入れにグランド・ファンクのテープを発見、ちょっと聴いてみると、心はウキウキ、ドキドキだ。もうだめだ。耳から離れない。古いロック、ロックがロックであった時代のロックだ。
グランド・ファンク・レイルロードの1969年作品『グランド・ファンク・レイルロード登場』、グランドファンクのデビューアルバムである。このアルバムはLPでもっていたはずだが見当たらない。カセットテープもLPからの録音だが、肝心のLPが見つからない。誰かに貸して返ってこなかったのかも知れない。そういうことが何度かあった。学校の卒業か何かでなかなかあえなくなってしまったことが原因だ。実は私も、借りたままのLPがある。いつか返さねばとずっと思っている。
渋谷陽一氏が記すように(『ロック~ベスト・アルバム・セレクション』)、初期のグランド・ファンク・レイルロードは、「単純な肉体派ハードロックバンドとバカにされてきた」バンドであり、「日本のジャーナリズムでもいろいろとイモバンドだとか、バカバンドとか叩かれた」バンドである。しかし、その人気は圧倒的で、来日時には後楽園球場を満員にし、暴動まで起こした。伝説の「嵐の後楽園コンサート」である。
世間の酷評にもかかわらず、私は大好きだった。とにかく気持ちいいのだ。先の渋谷氏も前掲書でこう述べる。「私はこのクループが大好きで、なんで皆グランドファンクの事を馬鹿にするのか不思議でならなかった。私は決して彼らの事を上手とは思わない。どちらかといえば下手な部類だろう。しかしそれはそれでいいではないか。」そのとおり、演奏の上手下手と好き嫌いはイコールではないのだ。
今でも聴けば身体が熱を帯びる。荒削りだが、エネルギッシュで正統的でストレートなサウンドだ。ああ、最高だ。たった3人でこの迫力の音を作り出しているのはすごい。B-② Heartbreaker 、いい曲だ。ギター少年だった私の教科書のひとつだった。ロックギターをおぼえたての私は、マーク・ファーナーのこのストレートなギターを必死にコピーしたものだった。今でも、年に数回、酔っ払ってギターに触れると、このHeartbreaker で指ならしをする。もうほとんど弾かないギターだが、不思議とこの曲に関しては指がおぼえている。
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