●今日の一枚 55●
Thelonious Monk Misterioso
有名盤である。例えば、たまたま手元にある『ジャズ喫茶マスター、こだわりの名盤』(講談社+α文庫)の中で新宿 JAZZ PUB MICHAUX 店主の御正泰さんも自分の好きなモンクのベストレコードとして紹介している。ところがなぜか私のモンクコレクションにはなく、やっと最近購入した一枚だ。わたしが買ったのは、Jazz紙ジャケ十八番シリーズ。
一聴して、私も自分の好きなモンクのベストレコードといいたくなった。1958年録音のこの『ミステリオーゾ』は、ファイブ・スポットでのライブを収録したもので、くつろいだライブの雰囲気がよく伝わってくる。
モンクの個性的な訥々としたピアノに、ジョニー・グリフィンの流麗なテナー・サックスがよくマッチしている。モンクの音楽は、モンクの音楽としかいいようのない個性的な語り口のため、中には敬遠するむきもあるが、この作品なら多くのファンが自然体で聴くことができ、しかもモンクの個性を十分に味わうことができるのではなかろうか。
不協和音と独特のタイム感覚が特徴のモンクの音楽は、いったん好きになるとクセになってしまうらしく、かつて私もモンクばかり聴いていた日々があったことを思い出す。またモンクを集中的に聴いてみようかなどと思わせる一枚である。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます