WATERCOLORS ~非哲学的断章~

ジャズ・ロック・時評・追憶

イチローズ・モルト

2022年03月26日 | 今日の一枚(M-N)
◎今日の一枚 573◎
Thelonious Monk
Monk's Music
 昨年の秋、思いもかけず大学時代の友人から『イチローズ・モルト』が届いた。数年前に、その友人が東北地方を旅行した際、一関に立ち寄ってもらい、ともに飲んだのだが、その時お土産として『イチローズ・モルト』をもらった。赤い葉っぱのラベルのものだった。もちろん、美味しかった。また手に入ったら送るよとのことだったが、今回のは黒いラベルのものだった。
 イチローズモルトは、「株式会社ベンチャーウイスキー」が造る、ジャパニーズウイスキーで、埼玉県の「秩父蒸溜所」にて、2007年11月より生産されているとのことだ。世界中から高評価を受け、入手困難のものが多数存在する、絶大な人気を誇るウイスキーであり、定価で入手するのが難しいらしい。「イチローズ・モルト」の名前は、創業者の「肥土伊知郎(あくといちろう)」氏からきているようだ。

 貴重なウイスキーということで、ずっと飲まずにしまっておいたが、4月からの異動が決まり、今の職場での仕事に一段落ついたことから、数日前に一杯だけ飲んでみた。美味い。やはり美味い。最高だ。独特のバニラのようなまろやかな味わいに、思わず笑みを浮かべ、唸ってしまった。

 今日の一枚は、セロニアス・モンクの1957年録音盤『モンクス・ミュージック』である。②ウェル・ユー・ニードントや⑤エピストロフィーで打ち合わせ不足による勘違いのプレーがあるが、そんなことが気にならないほど充実した作品だ。ホーン入りの作品ということで、ピアノソロの時の奇妙に歪んだ独特の世界観は若干違うが、演奏全体にモンクの影響が漂っているのがよくわかる。
 何となく郷愁を感じる、①アバイド・ウィズ・ミーが好きだ。こういう音楽を聴くと、今夜も貴重な「イチローズ・モルト」が飲みたくなってしまう。


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