WATERCOLORS ~非哲学的断章~

ジャズ・ロック・時評・追憶

もう素直に応援できない

2010年12月11日 | つまらない雑談

 楽天イーグルスの渡辺直人選手がトレードされることになった。本当に残念だ。契約更改の記者会見で、鉄平も、草野も、嶋も泣いていた。渡辺直人は、社会人から入団して野村監督のもとで鍛えられ、頭角をあらわした楽天生え抜きの選手のひとりだ。楽天にはそういう選手が何人もいる。他入団で芽がでなかった選手、社会人野球からチャンスを得た選手、そして育成枠からのし上がってきた選手、そういう選手たちが野村監督の下で鍛えられて成長し、活躍できるようになった。渡辺直人は、その中心、象徴的な選手なのだ。彼らが成長するのを見ながら、彼らに声援を送り、そして我々もファンとして成長してきた。これが弱くても仙台のファンがイーグルスを見捨てない理由だ。

 星野監督は何か違う。岩村・松井(稼)など大型トレードで外部から補強し、勝つことを考える。もちろん、勝つことは大事だし、最優先だ。しかし、やり方が美しくない。プロは勝てばいいのではない。美しく勝たなければダメだ。これでは、経済力にものをいわせ、他球団のスター選手を金でかき集めて、強くなった巨人と同じではないか。かつて、巨人ファンだった私は、そういうやり方に嫌気が差し、巨人が嫌いになった。

 野村監督は間違いなく人を育てた。星野監督は人を育てられるだろうか。地元の球団なのでイーグルスを応援し続けたい気持ちはある。しかし、心が何か冷めてきている。

 もう、素直にイーグルスを応援できないかも知れない。