さいきんの流星光
元漫画家 流星光(ながれぼしひかる)の雑記ブログ/Amazon商品のアフィリエイト広告があります。
 



にほんブログ村 漫画ブログ 漫画家へにほんブログ村



 新宿に行ってきました。



 あのビルの42階にあるんですよ、あのビルに。

 西新宿の高層ビル群の中の、スキーのジャンプ台を立てたような形をしたビルです。



 エレベーターに揺られて、あっと言う間に42階に到着した僕と妻は、1300円を支払って入場券を買いました。

 美術館は、ビルのワンフロアにあったので、いままで僕たちが回ってきた広い土地の中にどんと建設された美術館単独の建物の中にある空間とは、ちょっと違っていました。

 ひと言でいうと、天井が低かったんですね。アタリ前と言えば当然です。だって、ビルのワンフロアなんだから。野原の中の一軒家というワケにはいきません。

 美術館に入ると、なぜか、ゴッホの「ひまわり」のレプリカがありました。この先、ずっと歩いて行くと、最後に「ひまわり」がありますよ、という事のようでした。

 その日の企画展は、シャルル=フランソワ・ドービニー展でした。

 なんじゃそりゃ、と思われる方も多いかもしれませんが、人の名前です。

 シャルル=フランソワ・ドービニー という人の名前です。

 かなり写真に近い、リアルな中世ヨーロッパの風景を描写する油彩の画家です。

 絵は、普通にキレイでした。

 僕が、これまで美術館やギャラリーで見てきた絵画は、どれもよくわからなくて

「芸術とは? アートとは何だ?」

 という疑問を、僕の脳内の発生させるものばかりでした。

 しかし今回は、僕は何の疑問も抱かずに済みました。

「これが、絵です」

 と、ストレートに言われた気がしました。

 ヨーロッパの風景を、見たまんま、すごく絵が上手い人が描いた。そんな絵が、そこにありました。

 ああ草や木って、あんなに黒いんだ。そうだ、空に比べると、黒い、真っ黒なんだ。そうだよな。そして、空は真っ白なんだ。空は、真っ白で、地面は、真っ黒なんだよな。

 そんなことを、僕は思い出しながら、ゆっくり歩いて回りました。

 絵は、本当にキレイでした。
 空は白く輝き、樹木は黒黒として生気に満ち、水は美しく反射して、どんなに小さな水たまりでも白く光っておりました。

 僕が今まで「芸術とは何だ」と思いながら見てきた画家たちの絵は、これが描けないがために、何とかヘタウマっぽく誤魔化しながら描いたものなのではないか、とさえ思いました。




 企画展の区画が終わると、小さいスペースに、東郷青児や、ゴーギャン、セザンヌの絵がありました。

 そして、ゴッホの「ひまわり」がありました。

「ひまわり」を始めて見て、ちょっと感動。

「これが、あの、何億円もする絵か!」と感動。

 しかし、美術館のアタマに名前がついている東郷青児という人の絵にも、衝撃を受けました。

 画家というのは、歳をとればとるほど、絵は、シンプルに簡略化された形を追求するようになるのだろうか、と思いました。


検索「東郷青児」「遥かなる山」








 美術館の後は、ちょっと足を伸ばして東京都庁舎のてっぺんまで行ってみました。

 僕は、高所恐怖症なので、46階から下を見ることができませんでしたが、東京オリンピックのTシャツを買って帰りました。

 46階の展望台には、草間彌生さんがデザインしたピアノがあって、そのピアノを弾きたいがために、何人もの人が列を作っていました。

 一曲弾いては、また列に並んで、また弾く。そうやって、何度も何度もピアノの生演奏をする人がいて、展望室の中には、ピアノの生演奏が響き渡っていました。



僕は、地上何十メートルの高さの床の上で、なるべく窓には近づかないよにしながら、珈琲を一杯飲んで、オリンピックTシャツ(Mサイズ)を買って帰ってきました。




以上、休日の美術館めぐり日記でした。




長文におつきあいくださいまして、
ありがとうございました!

流星光ツィッター

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )


«  深川江戸資料... 「村上春樹全... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。