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上下巻、ふたつ並べて初めて気がついた。
上巻と下巻の間にアロワナ君がいる!
ま、それはいいとして。
これは、架空の町、幸福寺にある本屋、アロワナ書店を舞台に、
経営者家族の一員である昼田実(ミナル)と田中白虹(ハッコウ)の
書店員としての成長を描いた小説だ。
幸福寺のモデルは、日本一住みたい街で有名な吉祥寺。
作品中に出てくる書店、アロワナ書店、書籍一番、ドードー堂にも、
それぞれモデルがあり、地理的な位置関係も、
実際のものと一致している。
井の頭公園も、幸福寺公園と名を変えて、ちゃんと登場する。
吉祥寺は、僕にとって、若いころから馴染みのある街だ。
吉祥寺の住人だった事もある。
ちばてつや賞をいただたのも吉祥寺に住んでいる時だったし、
僕の唯一の単行本「デカラッパ」を執筆したのも吉祥寺だった。
ちょっとまて、
僕は、吉祥寺にいる時に結婚したから、
吉祥寺が本籍地なのだった。
馴染みがあるどころか、
第二の故郷と言ってもいいレベルなのだ。
この小説の主人公たちは、
書店の店員さんだ。
実は僕は、書店員をいつも、少しわずらわしく思っていた。
立ち読みしていると、
いつも、僕の背後を行ったり来たりして、
忙しく本の出し入れをする。
僕は、書店さんの邪魔になっているのではないかと
申し訳ない気持ちにさせられてしまう。
店員さんは、わざとか?と思われるほどに、僕の周りをうろちょろして、
あっちの本をこっちに差し込んだり、平積みの本をきっちり整えたりする。
陳腐なドラマ演出で、立ち読みばかりする客を追い返すために、
ハタキでパタパタ客のまわりをはたきまくる店主ってのがあるけど、
あのハタキの現代版が本の差し替え作業なのかと考えたりもした。
でもそれは、書店員にとって重要な仕事の一つであって、
どの本の隣にどの本を置くかまで、よく考えて決めているのだ。
そういう事が、この小説を読めばわかってくる。
書店は、時代とともに、確実に少なくなっているみたいだ。
チェーン展開している大型書店ならまだしも、
個人経営の書店は、経営に苦しんでいると聞く。
だけど今年8月以降、
書店は僕という客を獲得した。
僕は、読むのは遅いけど、どんどん本を買う。
アマゾンではなく、地元の書店で。
家の本棚の「積読本(つんどくぼん)」は、
少しずつ本棚のスペースを埋め、いずれ本棚を占領するだろう。
どうせ本を買うなら、
熱心な書店員がいる本屋さんで買いたいと思う。
昼田やハッコウ、朝倉くんや三浦さんのような、
本を愛し、いい本を読者に届けたいと願っている書店員。
熱心な書店員がいる店には、POPがたくさんあったり、
○○フェアとかいうイベントがしょっちゅうあって楽しい。
ちなみに、POPは、「ポップ」ではなく、
「ピーオーピー」と発音する事もこの小説で知った。
書店に行くと、
営業の人が書店員と話しているのをかなりの頻度で見かける。
営業マンの姿も、この本を読んだ後は、
山田出版の清瀬くんや、代行の星野さんの姿とかさなる。
昼田は、営業マンとの雑談も仕事のうちだ、と考えている。
僕がよく見かける営業マンと書店員との会話も、
大切な雑談風景なのかもしれない。
この小説は、書店大好きな山崎ナオコーラが世に送る、
書店を応援するために書かれた物語だ。
読んだあと、書店や書店員の見方が変わったし、
なるべくネット通販ではなく地元の書店で買おうと思うようになった。
これは、僕だけじゃないはず。
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