仕事中、訪問者。
若い女性。
○○ガスという会社から来たという。
最近の電気料金、ガス料金を聞きたい。
新たな料金プランを企画しているので、
そのために調べて回っているという。
教えてしまって。
そのうえ、アンケートハガキに名前と住所を書いてしまう。
気を抜いていた。
ものすごく後悔。
ああ、後悔。
他人と接する時は、ぜったいに気を許してはいけない。
特に初めての人間は、とりあえず全員敵と思うこと。
まったくの不用意だった。
まぬけだった。
情けない。
心かき乱されて、仕事に集中できない。
いましめに、何かを断とうか。
修行に出ようか。
僕は、何か文字がたくさん書いてあるものを見せられた時、
読むのが遅いと思われたくなくて、
読んだふりをするくせがある。
これからは、絶対やめよう。
その後、自転車で彼女を追いかけて、
自分が何のハガキにサインしたのかを確認した。
「電気・ガス エネルギー診断申込書」とあった。
「あとから誰かが来るのですか」
と聞いたら、そんなことはないとのこと。
とりあえず、プランを企画中なので、
聴いて歩いているということだった。
この後、誰かが来るかもしれない。
その時は、きっぱり断ろう。
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