しぶや百軒店で唯一無二の焦がしネギスープを
渋谷駅前のスクランブル交差点から道玄坂を上り、百軒店(ひゃっけんだな)へ。周辺にはラブホ・風俗店も多く、避けて歩く方もいるだろうが、現在の渋谷の繁栄は「百軒店」を無くしては語れない。歴史は古く大正12年。関東大震災の直後、コクドの前身のディベロッパーが、下町で被災した有名店を誘致したのが原点だ。
下町の復興が進むと共に有名店は去るも、活気は衰えず。昭和期は喫茶店や映画館などが集まり絶頂の時代へ。しかし60年代に東急と西武が相次いで百貨店を開業すると、人の動線も変わり、街の中心は公園通りへと移っていった。今では百軒店は、華やかな表通りとは違う、独特の空気をまとうエリアになっている。
さて、今回の目当ては、百軒店の門をくぐってすぐの老舗中華店「喜楽」だ。焦がしネギたっぷりの中華麺が、ときどき無性に食べたくなる。聞くと、創業者の林章圭氏が、出身地・台湾でオーソドックスな食材の焦がしネギを使って考案した一杯だそうだ。今日はシャキシャキした食感が楽しめる「もやしそば」をオーダー。
スープは鶏と豚のガラを煮込んださっぱりしたものだが、そこに焦がしネギを加えることで、香ばしさと甘みが爆発する。麺が太めなので満腹度が高い一杯なのだが、勢い余って餃子を追加。餡は野菜たっぷりでニンニクがよく効いている。大ぶりなので食べ応えも十分。さて、少々食べ過ぎたので、周辺の歴史散策でもしてみようか。
<店舗データ>
【店名】 喜楽（きらく）
【住所】 東京都渋谷区道玄坂2-17-6
【最寄】 JR山手線「渋谷駅」ハチ公口徒歩6分
