オリジナル「鳥坂ラーメン」を求める地元民多数
JR徳島線の府中(こう)駅から徒歩15分ほど。国道192号の国府町観音寺交差点を南に折れた先にある「支那そば十三八(とみや)」へ。観光客向けのガイドブックなどにはあまり登場しないが、地元での人気が非常に高い名店である。店内はカウンターとテーブルで30席ほどはあるが、特に休日の昼時は行列が絶えることがない。
ご主人の宮本治美氏はフレンチ修業で腕を磨いたのち、自衛隊や居酒屋など職を変え、1999年に「十三八」を創業。麺メニューは、徳島ラーメンのいわゆる茶系にあたる「支那そば」もあるのだが、やはり十三八ではオリジナルの「鳥坂ラーメン」を啜ってほしい。ご主人が「自分の食べたいラーメンを」と試作を繰り返し生まれた一杯だ。
ちなみに鳥坂と書いて「とっさか」と読む。店のそばに大昔、鳥坂城があり、今でも古い地名として語り継がれているのだ。麺類のほか、チャーハン、餃子、キムチ、白ごはんも提供しており一杯引っかけることも可能だ。今回は「鳥坂ラーメン」の中サイズにチャーシューを追加した「中肉(700円)」をオーダーすることに。
着丼までは10分少々。肉入りは大判のバラロールチャーシューが丼を覆うようにトッピングされており圧巻である。その下に潜むトロみあるスープは豚骨や鶏ガラ、野菜を早朝から9時間炊き、天然塩と調味料を重ねたもの。アッサリした飲み口ながら旨味はたっぷり。そして塩加減も抜群だ。こりゃレンゲが止まらない。
そこに合わせる麺は、しなやかな中細ストレート麺。柔らかな茹で上がりだが、ダレ感は皆無でスープとの相性も良い。チャーシューは脂身一辺倒ではなく、肉の旨味を存分に楽しめる逸品。ほか肉の下にはモヤシとメンマ、丼頂には刻みネギが乗る。非常に満足感のある一杯、近くに寄られた際はぜひ啜ってみて欲しい。
<店舗データ>
【店名】 支那そば 十三八(とみや)
【住所】 徳島県名西郡石井町石井尼寺48-5
【最寄】 JR徳島線「府中駅」徒歩18分