「惠本将裕」新ブランドは極上塩清湯
JR巣鴨駅の南口より徒歩2分。ホテルエアポートと通り挟んで向かいに2020年7月5日にオープンした「◯惠(まるえ)中華そば」へ。ミシュラン一つ星を獲得した「Japanese Soba Noodles 蔦」(移転)の跡地にオープンした期待の新店かつ、中目黒の人気店「らーめん惠本将裕」の新ブランドとあって注目度は高い。
惠本氏は、すごい煮干しラーメンでおなじみ「ラーメン凪」の出身。2014年の独立後は中目黒のお好み焼き店を間借りして、煮干しラーメンからスタートした。その後、渋谷区神泉に2号店を、学芸大学に貝出汁系「東京Noodle Style エモラー」を出すも、現在はいずれも閉店。「〇惠中華そば」はこれらに続く新店となった。
店内はL字カウンターのみ8席。麺メニューは潔く「中華そば」一本勝負で、チャーシュー、ネギ、メンマ、バター、生卵を追加トッピング出来る。そして驚くのは券売機の下半分を占拠する「チャーシュー」ボタンの多さである。1枚200円から、2枚、3枚…最高で20枚(4000円)まで追加可能だ。ライスや瓶ビールの用意もある。
チャーシュー1枚200円と高めの値段設定なので、普通の「中華そば」が一杯850円なのに対し、チャーシューメンになると値段が跳ね上がる。券売機最高値のWチャーシューメンの大盛で、お値段は1800円に。だが、その自身の現れが逆に期待感を煽ってくる。今回は「ねぎチャーシューメン(1350円)」をオーダーすることに。
配膳される際の「重いので気を付けて」との言葉通り、水色の玉渕丼は確かに大振りでズッシリと重い。そこに湛えられた透明度の高いスープは、豚ベースで雑味の無い清湯。香味野菜の出汁も効いており、全体的に豚の主張は控え目。表面に浮かぶ香味油と、円みのある塩ダレが相まって極上の清湯に仕上がっている。
合わせる麺は凪系列「新宿だるま製麺」の中太縮れ麺。手揉み感があり、チュルリとした食感でスープとの相性は抜群だ。そしてお楽しみのチャーシューはピンクがかっていて肉厚。炭火窯で吊るし焼きにしており、スモーキーで絶品。通常の中華そばで1枚、チャーシュー麺で3枚が乗るが、これは20枚足したくなる気持ちもわかる。
値は張るが、訪問したら是非1枚、2枚と追加してほしいところだ。ほかトッピングは甘めに味付けされた材木メンマ、刻んだ白ネギ。シンプルな構成だが、非常に満足度の高い一杯である。過ぎるほど多めのスープまで飲み干せば顔は汗だく、お腹はタプンタプン。次回は持てる財を惜しまず投じてチャーシュー10枚増しで挑みたい。
<店舗データ>
【店名】 ○惠(まるえ)中華そば
【住所】 東京都豊島区巣鴨1-14-1
【最寄】 JR山手線「巣鴨駅」南口徒歩2分