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肥宝館 -貧すれば丼する-

【徳島 佐古】 中華そば めん八「中華そば 肉入り 中(700円)」

昔ながらの"中華そば"に拘る「めん八」

JR高徳線・佐古駅から歩いて8分ほど。国道318号線を少し入った佐古四番町の路地にある「中華そば めん八」へ。味じまんと書かれた赤いテントと暖簾が目印だ。ご主人の松永正二氏は若い頃、徳島市の新町川沿いで夜鳴きそばを売っていたそう。「めん八」の創業は1988年。地元民曰く「懐かしい味」を提供し続けている。

訪れた客の多くが、入口横に貼られた「園児以下 うるさい子供 おことわり」の注意書きに身構えてしまうようだが、よく読めば575調になってるし、大将はむしろ優しい方なので過剰に恐れる必要はない。店内はカウンター4席と4人掛けの小上がり2卓の計12席。壁一面に貼られた「阿波踊り」のポスターが印象的だ。

余談だが、阿波踊りのポスターは2009年から毎年、徳島にスタジオを置くアニメ制作会社「ufotable」が製作している。「空の境界」「攻殻機動隊」「アイドルマスター」といったufotableのアニメ作品の登場人物が描かれているのだが、これが大変人気で、一時は町角に貼られたポスターが盗難・転売され問題になったほどだ。

さて麺メニューだが、主軸は茶濁スープの「中華そば」である。肉入り、チャーシュー麺、さらには卵+肉+チャーシューの「スペシャル(1000円)」も用意。ほか「みそラーメン 1500円」もあるが、これはご主人の「ウチはラーメンじゃなく中華そば」というコダワリ転じて「ラーメンなら1500円の味噌しかないよ」というネタだ。

ただ、実際にオーダーは可能。中華そば1杯550円の中、1500円という価格設定なので、麺4玉の特大サイズで提供される。ほか「おでん」も置いていて、すじ肉、大根、厚あげ、こんにゃく、玉子、豆腐、長いも、ひら天、ぼう天をラインナップしている。今回は控えめに「中華そば 肉入り 中(700円)」を注文することに。

少しトロミのあるスープは豚骨や鶏ガラ、野菜を2~3日かけて煮込んだ白湯に、濃口醤油を使ったカエシを重ねたもの。塩味も醤油の香りも控えめで、濃厚かつ円やかな味わいに仕上がっている。合わせる麺は、徳島の中華そばでは定番の柔らかめの中細ストレート。短めカットなのでお年寄りや子供でも啜りやすいだろう。

バラ肉は見た目に反して味は濃くない。少し干したような仕上がりで、余分な脂が落ち、肉の旨味が凝縮されている。ほか、臭みのない味付きメンマ、モヤシ、香りの良いネギが乗る。昨今流行りの濃厚で味の濃いラーメンとは一線を画した、昔ながらの中華そば。観光客用ではない感じが欲しい方はぜひ訪れてみてほしい。

<店舗データ>

【店名】 中華そば めん八(めんぱち)
【住所】 徳島県徳島市佐古四番町5-1
【最寄】 JR高徳線「佐古駅」徒歩8分

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