戦後の大宮を支え続けた「食堂 多万里」
いまも昭和の木造建築が残る大宮駅東口界隈。高島屋のすぐ裏手、蔦に巻かれた味のあるモルタル造りの「多万里食堂」は、昭和21年創業の老舗である。扉を開けると、そこは昭和90年。会議室風の長机とパイプ椅子で旨そうにメシを頬張る人々の熱気に満ちている。
壁に貼られた短冊を見ると、ラーメンは王道の醤油清湯を筆頭に、塩、味噌の3種を。さらにタンメン、焼きそば、チャンポンメンなどもラインナップしている。ほか、チャーハン、玉子丼、カツ丼、中華丼、餃子、野菜炒めなども用意。もちろん一杯引っかけることも出来る。
注文したのは創業当時から変わらぬ味という「ラーメン」。醤油の香り立つ鶏ガラベースのスープは、乾物や野菜なども合わせて炊いているようで、コクがあり多層的で旨い。合わせるのは、しなやかな中細縮れ麺。スープとの相性の良さは言わずもがな。
トッピングには、ひと手間かけたメンマとチャーシュー、刻みネギ、彩りのナルト、グリンピース。さすが長年愛されてきた食堂、なんて八方美人な一杯なんだ。ただ懐かしいだけでなく、しっかりと旨い。こりゃ常連客が多いのも頷ける。昭和の雰囲気が好きな方は是非一度!
<店舗データ>
【店名】 食堂 多万里(たまり)
【住所】 埼玉県さいたま市大宮区大門町1-62
【最寄】 JR東北本線「大宮駅」東口徒歩3分