「竹岡らーめん」登録商標のローカルチェーン
チャーシューの煮汁をお湯で割っただけのシンプルなスープ。麺は七輪で煮た乾麺。その上に山と盛られたチャーシューと微塵切りのタマネギ。これが千葉県三大ご当地麺のひとつ、千葉県内房の漁師町・竹岡発祥の「竹岡(竹岡式)ラーメン」だ。その元祖は竹岡「梅乃家」、発祥は同じく竹岡「鈴屋」と言われ、いずれも人気店だ。
ところが『竹岡らーめん』を商標として登録したのは別の店だった。それが今回訪れた、その名もズバリ「竹岡らーめん」である。すでにキナ臭い感があるが、このお店、本店の太田店のほか木更津界隈で数店舗を展開。創業40年超えと歴史も長い。ただし「梅乃家」とも「鈴屋」とも直接の関係は無いということだ。
さて太田店だが、店内はカウンター、テーブル、小上がりを合わせて約40席。表に広い駐車場があるので安心だ。暖簾をくぐると、ホール・厨房とも女性スタッフのみで切り盛りしている。竹岡式ラーメンは漁師の妻が調理を担ってきた歴史があり、元祖「梅乃家」もスタッフほぼ全員が女性である。この辺りは踏襲されているようだ。
ラーメンは醤油に加え味噌も提供している。追加トッピングには、メンマ、海苔に加え、竹岡式の代名詞とも言えるチャーシューや刻み玉ネギも用意。また飯モノにはチャーハン、チャーシュー丼、カレーライスもラインナップするほか、焼き餃子、揚げ餃子、野菜炒めなどのツマミメニューも充実している。お得なセットメニューもある。
また、ビールやハイボールに加えて、竹岡で親しまれている「梅割り」も飲む事が出来る。これは焼酎に梅エキスをブレンドしたもので、ラーメンと共に地元漁師の体を温めてきたという。今回は車なので残念ながら遠慮することに。今回は「チャーシュー麺(890円)」に「刻み玉ネギ(60円)」を追加しオーダーした。
注文してから2~3分で着丼。従業員が多く手際も良いからだろうが、このスピード感には驚く。追加の玉ネギは別皿での提供だ。醤油色のスープは、チャーシューの煮汁を麺を茹でたお湯で割ったシンプルな構成。醤油の塩味は強すぎず、円みがある。欲を言えば、少しコクが足りないが、アッサリとした飲み口で悪くない。
そこに合わせるのは中細縮れ麺。竹岡式の元祖は乾麺を使用しているが、こちらは生麺での提供だ。そして、丼淵には醤油ダレでしっかり味付けされたバラロールのチャーシューが6枚。玉ネギは少々青臭さは残るが、肉と一緒に頬張れば臭みも和らぎ旨さが引き立つ。これは白飯が欲しくなる味だ。上総名物の一杯、ぜひ一度。
<店舗データ>
【店名】 竹岡らーめん 太田店
【住所】 千葉県木更津市太田2-1-4
【最寄】 JR内房線「木更津駅」徒歩16分