奥渋谷で出会ったクラシカルで新しい一杯
東京メトロ千代田線・代々木公園駅から井の頭通りを渋谷方面へ歩いて10分ほど。NHK放送センター西門そばにある「巳己巳己(いこみき)」へ。変わった店名だが、これは「巳」と「己」の様にそっくりで見分けが付かない事を例えて言う四字熟語。転じて「似て非なる美味しい一杯」を追求するという思いが込められているそうだ。
なお親会社は株式会社トラスターズで、この界隈で「巳己巳己」と居酒屋「寅や」の2店を運営している。JAZZが流れる店内はL字カウンターとテーブル席が混在。ラーメンは「煮干し醤油」に加え、味噌、タンメンの3種だ。ほか、餃子やチャーハンといった町中華の定番から、ネギワンタン、紅茶鴨ローストなど旨そうなツマミもラインナップ。
今回オーダーした「煮干し醤油ラーメン」は醤油清湯で、チャーシューやメンマ、ほうれん草、ナルト、海苔、刻みネギが乗るオーソドックスな醤油ラーメンだ。しかし、煮干しの香りと旨味を前面に押し出しつつ、鶏ガラとモミジでコクを加えたスープは、巷に溢れたクラシカルな一杯とは確かに「似て非なる」味わいだ。
醤油のカエシはほとんど甘さが無く、キリッとした飲み口で旨い。まさにNEOクラシックといったところだろう。そのスープに合わせる麺は三河屋製麺の少し平たい中細ゆるウェーブ麺。手揉み風でしっかりした食感の麺なので、味も存在感も抜群である。短めで啜りやすいのもポイントが高い。これは箸もレンゲも止まらなくなるパターンだ。
豚肩ロースのチャーシューは大判で、味付けはシンプル。スープの味を邪魔せず、また肉の旨味を存分に楽しめるのが良い。他の具材もみな手抜かりは無い。最後まで美味しく頂いた。今回は呑みのシメだったため遠慮したのだが、やっぱり気になる味玉やワンタンをトッピングしておくべきだったと後悔。次回こそは。
<店舗データ>
【店名】 巳己巳己(いこみき)
【住所】 東京都渋谷区神山町6-4 地下1階
【最寄】 東京メトロ千代田線「代々木公園駅」徒歩10分