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肥宝館 -貧すれば丼する-

【徳島 南小松島】 小松島中華「小松島中華 肉入 小(830円)」

小松島のレジェンド2店の味が復活!

徳島市の南側に位置し、天然の良港があることで古くから栄えてきた小松島市。深度が浅く大型船の入港が難しかった徳島港に代わって、かつては和歌山と結ぶフェリーが就航し、旅客で賑わった。しかし、本州と四国に橋が架かり航路撤退が相次いだ上、徳島港の改良工事も進み、旅客は激減。現在は工業港の色が強い。

その小松島港のそばに2019年11月、いまは無き2つの地元ラーメン店の味を復活させた集合型店舗がオープンした。復活したのは、2005年に閉店した「洞月(どうげつ)」と、2015年に閉店した徳島ラーメンの原点とも言われる「カサイ」の味。地元の建設会社・中山建設が主導し、いずれも元店主の協力を経て再現したという。

倉庫を改装した大きな店舗には、洞月の味を再現した「小松島中華」と、新生「中華そばカサイ」、そして2022年5月現在は「どさん子中田店」「陳麻家中田店」の合わせて4店舗が入居する。店横には17台分の駐車スペースが確保されているが、JR南小松島駅からも歩いて10分ほどなので、散歩がてら立ち寄るのも良いだろう。

店内だが「小松島中華」と「カサイ」は、一番広いスペースを共有しており、同じ席でどちらの味も楽しめる。入口には「小松島中華」の暖簾と「カサイ」の屋台をディスプレイ。一方「どさん子」と「陳麻家」は入口もフロアも別になるのでご注意を。客席はカウンター、テーブル、小上がりで合わせて40席ほど。

濃口醤油のカサイ、白系の小松島中華。券売機で2店舗のどちらの味を選ぶかだが、散々悩んで今回は白系のレジェンド「小松島中華」の「肉入 小」(830円)を注文することに。なお、両店共通で餃子、から揚げのセットがあるほか、グルテンフリー麺も用意している。チャーシュー丼や白メシ、ツマミ類もあり、一杯引っかける事も可能だ。

スープは豚骨と鶏ガラがベースのスッキリした飲み口の白湯で、薄口醤油の甘めのカエシが後を引く。合わせる麺はモチモチした中太ストレート。スープとの相性も良い。そしてチャーシューは醤油ダレでほのかに味付けされた豚モモ肉が6枚。ほか、半月型の蒲鉾2枚、シャキシャキのモヤシ、海苔、ネギがトッピングされる。

薄っぺらくないしっかりした味の蒲鉾に、練り物の町・小松島の矜持を感じる。丼自体はやや小ぶりなのだが、ボリューミーなチャーシューのおかげで食べ応え十分だ。あっという間に完食した。本来は「カサイ」も連食したいところだが、自分の胃袋の小ささを呪う。しかし2店の味を気軽に楽しめるとは嬉しい店である。

<店舗データ>

【店名】 小松島中華
【住所】 徳島県小松島市小松島町新港42-2
【最寄】 JR牟岐線「南小松島駅」徒歩10分

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