肥宝館 -貧すれば丼する-

★閉店★ 【茨城 神栖市】 らーめん鰹味「正油5号 鰹味X(800円)+餃子3個(250円)」

鹿行地域のイイとこ取り。コダワリ光る「らーめん鰹味」

利根川の北岸、水戸市と銚子市を結ぶ国道124号線沿いで営業する「らーめん鰹味(かつみ)」へ。最寄駅はJR成田線の椎柴駅だが、線路が走るのは利根川の南岸だ。駅を出てから利根かもめ大橋を渡るなど4キロはあり徒歩は至難。さらに東関道の潮来ICからも、銚子市街からも20キロはあり、アプローチは決して良くは無い。

とはいえ、都内から東関道を使って銚子に向かう場合、潮来ICで降りて国道124号を通るルートが最速と出るナビが多い。銚子へのドライブなどで「らーめん鰹味 かつみ」と書かれた、赤く大きな看板を見たという方もいるだろう。お店は2012年4月にオープン。地方の街道沿いによくある、ラーメンもツマミも提供するオールマイティ系だ。

店内はカウンター、小上がり、テーブル席が混在。初老のご主人が一人で厨房を切り盛りしている。麺メニューだが、主軸の正油は「3号魁」と「5号鰹味X」の2種を用意。3号は銚子・小倉醤油の手作り醤油「魁」のみを使用していて、5号鰹味Xは魁に加え、「ひ志お」でお馴染みの山十商店「源醤」を足しているのだそうだ。

また、ラーメンは「塩」「塩麹」もあるほか、つけ麺、担々麺、汁なし担々麺、台湾まぜそば、しらすおろしの冷やし、焼かない焼そば「ソースまぜそば」や、いろんな部位のチャーシューたっぷり「肉そば」などもラインナップ。今回はPOPに超おススメとあった看板メニューの「正油 5号鰹味X」と「餃子3個(250円)」を注文することに。

待つこと7分ほどで到着したのは、シンプルな見た目の醤油清湯ラーメンだ。妙にマット感のあるスープだと思ったら香味油を使っていないのだそう。そして無化調。だが、ひと口啜れば鰹と昆布の旨味が押し寄せ、物足りなさは皆無。醤油のカエシも強すぎず、出汁の味が活きている。なお鰹節は鹿児島の一本釣りのものだそうだ。

一方の麺も、新潟から取り寄せるコダワリよう。ゆるくウェーブのかかった低加水の中細麺で、ハリとコシがあって旨い。たしかに魚介ベースの醤油清湯ラーメンが多い新潟なら、鰹味Xにもマッチする麺がありそうだ。チャーシューには茨城のブランド豚「美明豚(びめいとん)」を使用。少し炙って脂を落としてあり、香ばしく味も抜群だ。

そのチャーシューの下にはホウレンソウ、刻みネギ、やや甘口のメンマが。脂をほぼ使っていない一杯なので、サッパリと完食した。追加した餃子だが、こちらも美明豚を使っていてでジューシーな仕上がり。大粒なのも嬉しいところだ。ちなみに、お酢は静置醸造で円やかな広島「お多福純米酢」を使っているそうだ。うむ、芸が細かい。

ふと店内のPOPに目をやると銚子市海鹿島(あしかじま)の「石井丸」から仕入れた海藻を使った「あんみつ」が人気だそう。この日は残念ながら売り切れだったのが心残りだ。失礼ながら、店舗の見た目から化調バリバリの脂っぽいラーメンを想像していたが、実は相当なコダワリをもった優良店だった。次回は「あんみつ」狙いで!

<店舗データ>

【店名】 らーめん鰹味(かつみ)
【住所】 茨城県神栖市太田1881-7
【最寄】 JR成田線「椎柴駅」徒歩60分

★2023年1月15日をもって閉店

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