ナメもので見せる。
教室の出入りや木崎さんを前にしての、という感じから、
アバンからこの話数のコンセプトを示していたなという感。
やや間延びするような時間を描いたかと思いきや、
教室に入ってくる今回のゲスト。
そして隣の木崎さんは相手を見ず、
小路だけが挨拶を返すこの歪み。
小路を中心に友情を育む作品の中で挑戦的な1カットのように感じる。
こういう独特の合図があるのが話題になる話数の特徴なのかなという感。
様々なカバンをもって部活へと向かう同級生の中で、
部活に行かない蛇森さんがギターケースを片手にたずさえるまで、
という感じもあったのかな。
あふれ出る期待とは裏腹に影を落とす蛇森さん。
こういうのも出てくるんだなという感。
雑誌をめくるだとか教本を読むだとか、
そういう1人で学ぶ時間を贅沢に描いているのが今回のキモかなと。
やってみて、できるようになる。
普通の作品だと飛ばしがちな工程ですが、
できるようになるまでの始まりの努力から逃げない姿勢、良いですね。
小路の友達を作るまでの不安感と重なる風でもある。
何かを始めるまでの心情的な壁の乗り越え方が示されるのにグッとくる。
部屋に入ると、という反復。
戸鹿野さんが扉を開けると、
という役割を担っているキャラで、
また蛇森さんのパートナーとなるまでが描かれているのかなという感。
埃のかぶった何か。
木崎さんサイドも蛇森さんと同様の何かがある見せ方ですよね。
そういう意味でまだ蛇森さんと木崎さんは対等だという意識付けなのかもしれない。
開いてる扉の向こうに光を浴びているのが明日小路。
しかし戸鹿野さん的には興味がないのか、
ややボカした絵に。
夕方になってもまだ続けている。
今度は影の中に入っている。
光属性だけでないことを知ったことで認識したような感じが、
戸鹿野さんの内面を描いているようで気になりますね。
合わせて開かれた扉の向こうにいるのが小路っていう見せ方も。
2人の会話はひめゴト、
というように閉ざされた扉が少女間のやりとりの閉鎖性を物語ってるような。
そして同ポジで見せて、戸鹿野さんが開く扉の向こう、
蛇森さんが突然ギターを練習していることを含むひめゴトを意識するような絵に変化する。
こういう意味合いの変化を意識させる同ポジはちょっと京アニの武本さんチックな印象だったかな。
戸鹿野さんが扉を開けたら今度はゲームしている蛇森さん。
乙女は千変万化する。
蛇森さんが見る扉の向こうの戸鹿野さん。
小路を参照するなら、
蛇森さんにとって戸鹿野さんは内側が開かれた相手という形になるのかな。
戸鹿野さんの努力に打たれる姿にグッとくる感じ。
ここはアバンの小路と木崎さんの焼き直しっぽい感じ。
つまりはお互いを知ったことで小路と木崎さんのような関係になれたのでは、
という描き方だったのかなと。
緑に茂る感じもアバンのやや重い感じからリフレッシュした感じで良いですね。
授業中も帰り道も。
小路のように外に出る姿を描かれるのが新鮮かなと。
何かを真剣にやるという尊さに違いはないことを触れてくれているようでもあり。
扉を開けるのは蛇森さんではなく戸鹿野さん。
こういう勇気を分け与え方もあるのかと見ていて思ってしまったな。
終始扉を開ける役だったなという感。
だからこそのラスト、という感じもあるけど。
木崎さんの演奏。
色合いの変化が奏でる演奏の雰囲気を感じさせてくれて良いですね。
反射や細やかに動くカメラワークなども目を引かれます。
音が歩き出すような雰囲気がやわらく良いという感。
この光に入れ方?はピンポンのOP辺りを思い出す印象。
強烈な1カットですよね。
引っかかった1カット。
音楽が流れる学校という雰囲気と兎原さんがくるぞという説明を合わせたカットっぽいですが、
なんか全セルでやりたいアニメーターの自己満足にも映って、
もったいなく感じるカットだった。
手芝居が印象的だったな。
オバケの入れ方もさっとしていて流れるように見れる。
ちょっとしたところのきめ細やかさにグッとくる感じ。
BGMでピアノが流れていて、
木崎さんの演奏を引っ張るアイディアはなかなか面白い音響演出に感じたな。
合わせて木崎さんの演奏に心を奪われている小路に、
奥でそれを見つめる蛇森さんという、
アバンからの関係性を変奏して見せている感があるかな、と。
ギター演奏。
楽器演出は京アニの十八番という感がありますが、
今作で挑戦していて良いですね。
演奏を聴いてそして拍手して。
キメとしてのハーモニーの健在さや、
外からのショットで友情を印象付けるような感じ、
作品の持つ魅力と今回話数で見せている絵がババっときてなるほどなぁと思わされました。
砕けた感じのやり取り。
蛇森さんの調子乗っちゃう高揚感もわかるし、
それを見てさらに調子に乗らせる戸鹿野さんの気持ちもよくわかる。
小路と木崎さんを通じて、
あの2人だけが特別ではないというのを印象付けられる話数でもあったかな。
人は常に誰かの特別である、というか。
しかしここまで原作で描かれないクラスメイトをがっつりやるとは思わなかったな。
原作エピソードを見たいと思いつつもうまいことオリジナル展開が続くので、
この感じで見たい欲もあり。
次回はどうなるか、また楽しみです。
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