平和エッセイ

スピリチュアルな視点から平和について考える

ローマ法王の過去

2005年04月25日 | Weblog
新法王が若いときにヒットラー・ユーゲントに入っていたということで、イギリスのメディアが大騒ぎをし、これに対してドイツ人が怒っています。

こういうことがいつまで続くのかと、悲しくなります。

ドイツ全体がナチス体制のもとにあったとき、10代の一青年がヒットラー・ユーゲントに入らないことは不可能です。ラツィンガー氏のそういう過去が責められるのであれば、同じ年代のドイツ人はすべて有罪ということになります。

欧州でももう戦後60年がたっているのです。いつまで過去を引きずるのでしょうか。そんなことに何の益があるのでしょうか。

変えられない過去の事実をほじくり出し、他国を責め、自国を優位に置いて優越感にひたっているのは、愚かな所行です。ドイツ人が怒るのは当然です。

こういうときにイスラエルの政治家やユダヤ教ラビが、「カトリック教会はすでにユダヤ人迫害の過去を謝罪した。新法王は、ドイツ人ではあるが、ナチスとは無関係である。新法王はユダヤ教徒とキリスト教徒の和解のために誠実に努力している立派な方である」(事実そうなのです)という声明を出せば、

(1)イギリスの愚かなマスコミが沈黙する。

(2)ユダヤ人が過去を赦す広い心の持ち主であることを世界に示すことができる。

(3)ドイツではイスラエルに対する感謝の念が高まり、現在もドイツにくすぶる反ユダヤ主義的な風潮をなくすことができ、ドイツとイスラエルの真の和解になる。

(4)カトリック教会も真にユダヤ人と和解できる。

という光明の連鎖反応が生まれるに違いありません。

否定的な言葉には暗黒波動が、愛と赦しの言葉には光明波動が返ってくるという単純な事実に、人類はいつになったら気づくのでしょう。

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http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/europe/news/20050425k0000m030071000c.html

【ベルリン斎藤義彦】ドイツからは、950年ぶりにドイツ人法王が誕生するとあって、24日の新法王就任ミサにはシュレーダー首相など要人が軒並み参加したほか、10万人とみられる大信者団が駆けつけた。一方、英紙など海外メディアは法王がナチスにかかわった過去を批判し続けており、独国内では戸惑いと怒りが広がっている。

 ドイツでは、正午に全カトリック教会で鐘が鳴らされ、ドイツ人法王誕生を祝った。また、主要テレビ局が特番を組み、就任ミサを中継した。

 一方、英紙など海外のメディアは執ように法王の過去を追及している。新法王に選出されたヨゼフ・ラツィンガー氏は当時参加が義務化されていたナチスの青年組織「ヒトラー・ユーゲント」に一時所属。

 16歳の時にミュンヘンで自動車工場を守る高射砲隊を約1年間、手伝った後、故郷近くの独南部の町トラウンシュタインで歩兵部隊に参加。終戦間際の45年4月に脱走し、米軍に拘束され終戦を迎えた。法王はこの経歴を伝記などで公表している。

 英大衆紙サンは20日、「ヒトラーの若者が法王になった」と1面で報じたほか、大衆紙が相次いで法王の過去を報道。さらにインディペンデント紙は22日、45年5月にトラウンシュタイン周辺で、ユダヤ人など数千人が強制収容所から別の町に護送され、途中で数十人が射殺された事件を報道。「法王も当時この町にいたかもしれない」と法王が虐殺に関与したかのように報じた。

 ドイツ大衆紙ビルトは「法王への侮辱」「おろかな歴史観」「英紙はもう黙れ」と反撃。一般紙も「法王は国籍とは無関係なはずなのに」(南ドイツ新聞)と戸惑いを見せている。


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