平和エッセイ

スピリチュアルな視点から平和について考える

遺伝子と因縁因果(2)

2005年02月25日 | Weblog
遺伝子そのものは変えることはできません。たとえば、男が女になったり、犬が猫になったりすることはできません。トマトの種からはキュウリは生えません。先天的な遺伝病も、遺伝子そのものを治療しないかぎりは、治すことはできません。『イエスの遺伝子』は、遺伝子を入れ替えることによって不治の病を治療しようというフィクションです。

しかし、遺伝子を変えなくても、遺伝子のオン/オフで相当なことができる可能性があります。100%ガンを引き起こすような遺伝子以外は、多くのガン遺伝子は、物理的、化学的、精神的な環境をととのえることによって発現にいたらせないですみます。また逆に、眠っていた素晴らしい遺伝子を目覚めさせれば、体力が増強したり新しい能力が出てくることも可能でしょう。

宗教の世界では時々、奇跡的な治癒、いわゆる「神癒」と呼ばれるものが起こります。医者によって見放されるほどの重病になって、余命あと幾ばくもない、という時に、心境が変化したり、見神したり、太陽と一体になったりという体験によって、突然、病気から立ち直ってしまいます。たとえば、黒住教の教祖・黒住宗忠がそうです。私の父も、最初のガンの手術のあと、大きな精神的変化を経験して、ガンから立ち直りました。これなどは、精神的刺激によって、眠っていた遺伝子が突然オンになった結果だと思われます。

そうすると、人間の体質や才能は、遺伝子によって大まかなところは決まっているが、それをある程度、後天的に変えることもできる、ということになります。天性の素晴らしい才能や素質に恵まれている人がいますが、そういう人でも、努力や精進をしなければ、その素質を真に生かすことはできません。逆に、生まれつきの素質はそれほどでもなくても、努力によって素晴らしい成果に到達する人もいます。

このこと自体は、とくに目新しいことではありません。世間一般で観察されるごく常識的なことです。そういう常識的なことが、遺伝子レベルで起こっているということが面白いことです。

遺伝子と後天的な環境の関係は、実は仏教の因縁因果という考え方と、とてもよく似ています。(続く)

最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ジャンクコード (杉本)
2005-02-25 12:57:26
DNAの大半が、意味を持たない“ジャンクコード”でできているというのが定説らしいですが、実はそこにこそ未知の能力があるんでしょうね。
返信する