平和エッセイ

スピリチュアルな視点から平和について考える

第3回「ウォーター・フォー・ライフ・フェスティバル」(2)

2006年12月22日 | 江本勝と水からの伝言
江本氏は水の結晶写真を、言葉が水に影響を与える科学的証拠として提示しました。精神は物質に直接的に作用することはありえない、という見解が科学界を支配する中で、水に言葉を見せたり聞かせたりしたら水の性質が変化し、それが水の氷結結晶写真の変化となって現われた、などと言ったら、当然、ニセ科学と見なされます。科学界が江本氏をトンデモ科学として批判し始めたのは当然でした。

『AERA』という週刊誌(朝日新聞社)の昨年(2005年)12月5日号に、

『水からの伝言』の仰天――ベストセラーの「トンデモ科学」度

という記事が出ました。題名のつけ方からして、この週刊誌がどういう姿勢かよくわかります。内容は、江本氏の『水からの伝言』の紹介と、江本氏へのインタビュー、それに対する科学者の批判です。

科学者の批判を紹介し、それに対する私の感想を述べてみます。

北海道大学・古川義純助教授はこう述べています。

「無機の物質である水が言葉や音楽に反応するというのは考えられない。荒唐無稽な話で、ニセ科学の典型的な例だ」

→「考えられない」ということで、はじめから検証する気がないわけですが、検証しないで判断を下すというのは、非科学的な態度だと思います。江本氏の説はそれほど「荒唐無稽」でしょうか?

人間は音楽に反応します。当たり前ですね。動物も音楽に反応します。モーツァルトを聴かせた牛は、乳の出が良くなることが知られていて、実際に応用されています。これは音楽という音情報の持つリラックス効果と考えられます。

ところが、耳を持たない植物も音楽に反応するのです。これは、龍村仁監督の来年公開の『ガイア・シンフォニー』第6番に描かれるはずです。微生物も音楽に反応します。モーツァルトを聴かせて醸造したワインや酒がまろやかな味になることが経験的に知られていて、実際に応用されています

しかし、体制科学者は、こういう事実さえも、「気のせいだ」とか、「考えられない」から「ありえない」として否定するのでしょう。結局、それは目の前にある事実に目をふさいでいることで、そういう人には、どのような説明をしても無駄かもしれませんが、一応、説明をしてみます。

植物も微生物も耳を持っていません。でも、生命体が音に反応することがそんなにおかしいことでしょうか? 目がない生命体でも光には反応することはどんな科学者も否定しないでしょう。生命体が音楽の持つ音のエネルギーに何らかの反応をする可能性は否定できません。

では無生物である水と音楽の関係はどうでしょうか? 音楽は音波、空気の振動です。音波が物質である水に何らかの作用を及ぼすことは当然です。

音楽(音波)が水に作用を及ぼすことまでは科学者は否定できないはずです。あとは、その影響が水にどのように残存し、どのように検出できるか、という問題です。それは現在の水科学ではわかっていないし、そもそも検出しようとさえしないのです。なぜなら、そんなことは「考えられない」からです。

音楽による水の変化が温度やPhや比重の変化でないことは当然です。その影響が氷結結晶の形として現われる、というのは江本氏の仮説です。その仮説は実験によってのみ肯定、もしくは否定できるはずで、「考えられない」というのはまさに思考停止です。

科学のブレイクスルーは、誰も考えなかったことを考えることによってのみ起こります。ニュートンしかり、アインシュタインしかり。ここにはノーベル賞の種が潜んでいるのかもしれないのです。人のやっていることの後追いばかりしていれば安全ですが、革命的な理論も発明も生まれません。

江本氏はさらに、言葉や文字も水に影響を与える、と主張しています。これを江本氏は「波動 HADO」と名づけ、それが量子力学と関係しているかのような説明をしています。その部分の説明はやはり非科学的です。私は江本氏の理論を100%認めているわけではありません。

量子力学が対象としているのは、素粒子という物質波動です。しかし、言葉や文字が発しているのは、想念波動です。物質波動と想念波動の区別をしないで、それを「波動 HADO」という語で一緒くたにするのは誤解を招きます。音楽は物質波動ですから、それが物質である水に影響することは当たり前です。それでは想念波動は物質に影響を与えるのでしょうか?

想念波動というものは現在の科学では、その存在が認められていません。しかし、念力やESPやテレパシーという現象が現実に時々観測されていることは否定できません。現在の科学で検出できない、ということと、存在しない、ということとは別問題です。科学は、そういうことについてはまだよくわからない、と言うべきでしょう。



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